〈愛国心〉に気をつけろ! (岩波ブックレット)

著者 :
  • 岩波書店
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レビュー : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (72ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784002709512

作品紹介・あらすじ

日本への愛を汚れた義務にするな!「愛国運動」に身を投じてきた著者が、排外主義が高まる現代に覚悟をもって挑む。

感想・レビュー・書評

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  • 憲法があって、国民があるのではない。
    国民があってこそ、憲法があるのだ。
    国民のために憲法を変えるのならいい。
    しかし、国民を縛るために憲法を変えるのは本末転倒だ。

  • 著者の半生を振り返りながら、著者の持つ現在の「愛国心」や「憲法」に対する考え方がまとめられている。「不自由な自主憲法」より「自由な押しつけ憲法」にこの国の未来をかけたいと記述し、最終章では「愛国心」についてまとめている。安保法制により三島由紀夫が70年代に懸念した自衛隊が「魂の死んだ武器庫になる」「アメリカの傭兵として終わる」が現実的になってきた今、「憲法」と「愛国」について考えるための一冊。

  • 右翼活動家として愛国運動に身を投じて50年以上。そんな著者が
    「愛国心に気をつけろ」と言う。これは読むしかないでしょう。

    驚いたわ。著者に対してさえ「鈴木は転向した」だの、「売国奴」だの、
    「非国民」だのとの言葉が投げかけられているなんて。

    右翼活動家であり、改憲論者でもある著者だが、自民党が発表した
    改憲草案には警鐘を鳴らし、「自由のない自主憲法」よりも「自由の
    ある押し付け憲法」でいいのではないかと書いている。

    「<愛国心>は人間として自然で、当然の感情であるはずなのに、
    為政者などに利用され、エスカレートする危険性がある。外国への
    憎しみを煽って、外国人を排除し、戦争を讃美する道具にもなって
    しまう。国をとりまく環境が不安定になると、『愛国心があるなら、
    国を守るために戦争も辞さずの覚悟をもて!』などとも言われる」

    安倍政権が掲げる「日本を取り戻す」のスローガンなんて、まさに
    為政者が押し付ける「愛国心」ではないだろうか。一体、何から
    取り戻すと言うんだろうかね。

    ノンポリとしては著者の愛国運動に共鳴は出来ないのだけれど、
    「愛国心」に対しての捉え方には「なるほど」と感じる部分が多い。

    やっぱりさ、安倍政権に多大な影響力を持っている日本会議とか
    は右派でも保守でもないんだよな。単に戦前回帰したいだけ。
    国民をコントロールしたいだけ。「日本国憲法が悪いから国民が
    ダメになった」っておかしいじゃん。そんなことを言っている人たち
    だって、みんな、日本国憲法の下で育って来たのでしょうにね。

    右翼活動家でさえ「愛国心」を免罪符のように利用する昨今の風潮
    に危機感を抱いているってことは、相当に危険なんじゃないか。

    まっとうな右翼は、日本からいなくなってしまったのだろうか。
    ネトウヨばかりが大きな声を上げているのって不気味だわ。

  • 新右翼として活動してきた著者が最近の「愛国」感にもの申す。そして、今の改憲に向かおうとする輩に釘をさす。
    自分もたぶん、改憲にまったく反対するわけではない。だけど、この浅薄な勢いのなかや安倍くんによってなし崩し的に進められることが嫌だし、危惧を覚えている。先日読んだ同じ著者の本はあまり響くところがなかったけど、この本はうなずけるところが多々あった。それにしても、こうして考えてしまうことの弱さもまた感じるところ。いっそ、何の考えもなく「憲法変えろ!」とか「日本人なんだから日本が好きで当たり前」って信じられれば、どれほど行動しやすいことか。
    でも、人間は考える葦だもの。そうなってはやっぱりいけないのだ。憲法第12条には「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によつて、これを保持しなければならない」とか。これは憲法が絶対だというわけではないことを示しているし、だからこそ一人一人が考え、もてる権利をもち続ける努力をしなければいけない。著者との対談で映画作家の森達也さんが言っていた「主語が複数になると述語が暴走する」というのは至言。一人一人が自ら考えることが必要なのだ。

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著者プロフィール

鈴木 邦男(すずき くにお)
1943年福島県に生まれる。1967年、早稲田大学政治経済学部卒業。同大学院中退後、産経新聞社入社。学生時代から右翼・民族運動に関わる。1972年に「一水会」を結成。1999年まで代表を務め、2015年7月まで顧問。新聞・テレビをはじめ多彩な言論活動を行なっている。著書多数。

「2016年 『これからどこへ向かうのか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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