安楽死・尊厳死を語る前に知っておきたいこと (岩波ブックレット 1006)

  • 岩波書店 (2019年7月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (64ページ) / ISBN・EAN: 9784002710068

作品紹介・あらすじ

安楽死や尊厳死をめぐる議論はなぜ混乱するのか? 知っておくべき歴史や背景、言葉のからくりを指摘し、「死の自己決定権」「延命治療」といった言葉も吟味し直しながら、その議論が陥りやすい落とし穴を明らかにする。「よい死」を語る前に私たちが真に議論すべきことは何か。人間らしい尊厳ある生き方を求めて、医療文化、社会のあり方を問い直す。

感想・レビュー・書評

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  • 安藤 泰至『安楽死・尊厳死を語る前に知っておきたいこと』 | arsvi.com:立命館大学生存学研究所
    http://www.arsvi.com/b2010/1907ay.htm

    【“安楽死"をめぐって(2)】安藤泰至さん(鳥取大学医学部准教授)に聞く[前編] - 記事 | NHK ハートネット(2020年11月04日)
    https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/424/

    研究者詳細 - 安藤 泰至
    http://researchers.adm.tottori-u.ac.jp/html/100000076_ja.html

    安楽死・尊厳死を語る前に知っておきたいこと - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b458060.html

  • 生きるに値しない、社会に貢献できない、耐え難い苦痛を感じる…私たちは時に「楽に死んでしまいたい」と思ってしまう事がある。また社会がそのような人を安楽死へ追いやってしまう、そんな不寛容さが時に主流となる。様々な論点を知るための書。

  • 安楽死、尊厳死議論における問題点を
    コンパクトにわかりやすくまとめてくれている。
    この二つの言葉の定義がいかに曖昧なものか、
    また、この議論自体がいかに
    「フィクション」に誘導されやすいかがよくわかった。

    法制化云々議論の前に、
    真っ先に整えていくべきところは
    「死にたい」と願わざるを得ない環境。
    このことは、以前上野千鶴子氏が
    「老いは文明の問題」だといっていた言葉と重なるように思った。

    そもそも「いのち」とは誰のものなのか。
    こんな本質的な問いも投げかけている。

    巻末に「次に読んでいただきたい3冊」が
    あげられており、さらに考察を深めるべく
    非常に親切。

  • 安楽死や尊厳死をめぐる議論はなぜ混乱するのか? 知っておくべき歴史や背景、言葉のからくりを指摘し、「死の自己決定権」「延命治療」といった言葉も吟味し直しながら、その議論が陥りやすい落とし穴を明らかにする。「よい死」を語る前に私たちが真に議論すべきことは何か。人間らしい尊厳ある生き方を求めて、医療文化、社会のあり方を問い直す。

  • 「こんな生きかたをしているくらいなら死んだほうがまし」と思わせているものは何か(自分で言う場合でも他人が言う場合でも)。その人を生きにくくしている問題を解決するのが筋でその人を死にやすくすることは答えじゃないんじゃないか。
    生きやすさと引き換えに死にやすさが得られる社会ってなんなんだろ。

  • 安楽死や尊厳死に関する議論を、制度論ではなく生命倫理の視点から捉え直せる本。苦痛から逃れるための死を、私たちは安直に「安楽死」と呼んでいないだろうか。尊厳が保たれない生を強いられる背景には、政治や社会の不備がある。それにもかかわらず、尊厳を取り戻す手段として死を選択せざるを得ない状況にある。生きるための制度や支援が十分に整っていない段階で、死を迎えるための制度を優先して議論することはできない。これまで制度的な制約にばかり目がいっていたのでかなり生きるための制度が不十分かということに思い至れた一冊。

  • 語の定義が曖昧であること、強い鎮静状態も加えられるべきではないかという提案、技術やサービスや知識の進展によっては必ずしも「尊厳のない状態」が不変ではないことなどに目が行く内容だった
    しかしNHKの特集の事例を見ていると尊厳死を最後の手段、ある意味セーフティネットとして選べる状態にあることが安心や勇気、準備できる猶予がある良い感覚をもたらす側面もまた否定できない

  • 「安楽死や尊厳死に定義はない、人それぞれで違うように話している」という点について、何故そうならざるを得ないのか、そのうえでどう定義づけていくのが良いのか、を俯瞰的に説明している本。界隈の著名人の論理をインプットしていく前に、こういった全体感の話を入れておくと、フラットに考えられるので有益。
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    以下3つが大分類。1と2は今の日本では犯罪になる。※どこからが1か2か3かは曖昧。
    ・医者が直接やる(積極的安楽死、と言われやすい
    ・本人が選び本人がやるもしくはできない場合に幇助する
    ・積極的な延命をしない(尊厳死、と言われやすい。訴えられない限りは犯罪にならない場合が多く実際はよく行われていると思われる)

  • 安楽死、尊厳死の定義のあやふやさ
    自覚なしに強制されているものを自己決定と呼んでよいのか
    尊厳のある死とは?尊厳のない生を前提にして、尊厳のある死をもってくる用法に注意

  • 論点が整理されていて、これから議論を始めるにあたっての共通認識としてもっておくべき内容です。

  • 「安楽死」「尊厳死」の世界共通の定義や学問的に公認された定義はない。
    この言葉の政治性に対し自覚的でありたいです。
    p.42・・・「尊厳なき生」の代わりは「尊厳ある死」ではなく、「尊厳ある生」であるはずだ。

  • 安楽死を否定せずに、読んで欲しい。
    2016年橋田壽賀子氏が、安楽死で死なせて欲しいという本を出した。
    彼女の言い分と、不治の病で安楽死を希望する人と同列に考えるべきではない。
    橋田氏の意見は、あくまで稚拙な彼女の意見で深い考えではない。
    幇助自殺ではなく、殺人を希望しているからだ。

    今、ヨーロッパで安楽死を認めている国は、ナチスが用いた安楽死、ラテン語のEuthanasiaではなく、Assisted sucideという用語を使う。
    彼女の言い分は、ナチス優生学に通じる。
    元から橋田氏が嫌いなのだが。
    認知症になったら、老人だから、それが苦痛だ、
    老人を否定する視点でしか考えられないのだが、加齢ってそんなに悪い事か?

  • 安楽死、尊厳死という言葉の意味は多義的で、①医師による積極的な安楽死、②自殺の幇助、③医療の手控え、中止がある。これが学べただけでも大きい。また、ただ生かされるされるだけの延命になるかどうかは、その治療を受けながら本人が主体的に生活できるかにかかっているので、医療の範囲を超えた情報が必要、というのが大きなポイント。

  • 「安楽死」にしても「尊厳死」にしても,言葉そのものに価値判断が含まれているという点は言われて気付きました。

  • 安楽死・尊厳死、それにまつわる言葉について、非常に分かりやすくまとまっている。まさに1冊目に相応しい。
    安楽死・尊厳死の言葉が曖昧なことは感じていた。正直どっちがどっちかと区別して考えていなかった。その点もこの本が突いてくれて気持ちいい。
    さらに、他にも病死や災害死との言葉との違いや、孤立死を例に「良い悪い」死について論じ、論点は「生」にあることを挙げたことも新たな視点だった。
    「悪い死」反対ではなく、「悪い生」の反対として「安楽に死にたい」「尊厳ある死にたい」が語られているのではないか、と。
    死にたくないと思える社会、生きたいと思える社会なのか、と問う。

  • 色々と考えさせられた。

  • 配置場所:摂枚普通図書
    請求記号:490.154||A
    資料ID:95190789

    尊厳死とはどの様なことでしょう?
    死の自己決定権についても考えてみましょう。
    (統合薬学分野研究室 岩崎綾乃先生推薦)

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著者プロフィール

鳥取大学医学部准教授(生命倫理)、日本学術会議連携会員。
著書に『安楽死・尊厳死を語る前に知っておきたいこと』(岩波書店)、
『「いのちの思想」を掘り起こす』(編著・岩波書店)など。

「2021年 『見捨てられる<いのち>を考える』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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