いじめ加害者にどう対応するか 処罰と被害者優先のケア (岩波ブックレット 1065)

  • 岩波書店 (2022年7月6日発売)
3.83
  • (10)
  • (9)
  • (8)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 206
感想 : 16
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784002710655

作品紹介・あらすじ

いじめ加害者は学校に居続け、被害者の側が外に居場所を求めざるを得ない――こうした歪な現状をどう変えていくべきか。ひきこもり・いじめに関わり続ける精神科医と、教育問題にエビデンスから迫る社会学者が、いじめを取り巻く人々の意識データ、スクールカーストの構造等から迫り、被害者優先のケアのあり方を議論する。

みんなの感想まとめ

いじめ加害者に対する処罰の必要性や、教育現場の構造的課題について深く掘り下げた内容が特徴です。いじめ被害者が学校に通えず、代わりに加害者がその場に居続ける現状を批判し、加害者側の保護者の影響がいじめ問...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • いじめの加害者には処罰とスティグマを。

    いじめの被害者が学校に行けない、その代替策を取らなければならない、という「優しい排除」を受けている一方で、なぜ加害者は学校に来ることを止められないのか。

    子ども、先生、保護者の中で、被害者側にもいじめられる原因があると考えている率が最も高いのは保護者であった。
    つまり、加害者側の保護者が出てきた時点で、いじめは学校で出来る「指導」の範疇を超えてしまう可能性が高いと言う。

    だからこそ、学校は「指導」ではなく、まずは「処罰」を、まずは行うべきだと述べる。

    スクールカーストに対する教師の立ち位置や、学校教育における「指導」の意味など、読んでいてそう言い切れるか?と思うこともある。(し、恐らく筆者も分かっていて書いている気がする)

    ただ、システムとして他者への加害行為に対し、一段重みをつけなければ、「なくならない」という意味は分かるような気がする。

    そして、解決への移行手段としてのオープンダイアローグについては、詳しく知りたいと思った。
    他者との関係が築きにくい中で、対話に可能性を見出すことの重要性を感じている。

    • mitsukiさん
      >chedmiさん
      コメントありがとうございます!
      これまで抱えてきてしまったいじめの構図が、学校や社会でタブー視される中で、誰をいかに...
      >chedmiさん
      コメントありがとうございます!
      これまで抱えてきてしまったいじめの構図が、学校や社会でタブー視される中で、誰をいかに扱うか、そこがまだ揺れているように思います。
      教育という目で見ると、難しい課題です……あらためて考える機会になりました、ありがとうございました。
      2022/07/17
  • いじめ加害者への処罰の必要性や、地域や家庭が学校に過剰に要求していることなどを論じていました。スクールカーストを作らないために教師が動くという視点は非常に大切だと思いました。

  • 教育界に与えた内田良氏の功績は大きい。
    齊藤氏の教育観は、精神科医らしいなあと思った。

  • ブックレットで60ページ余りなのでアッという間に読めるが、内容は濃い。エビデンスに基づいた発言を行う教育学者と「ひきこもり」専門の精神科医。最後に対談があるが、いじめに対しては被害者の救済と尊厳の回復をまず行い、加害者のルールに基づいた処罰が必要。政治的中立製を理由に閉じてしまっている学校を、外に開くことがいじめや暴力を防ぐことにつながる。真っ当な意見である。

  • 桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
    https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/1310640

  • 学校現場の負担は過剰であり、いじめという暴力行為に対してグレーな対応を求められる。そうではなく、警察や地域が目をやり介入し、毅然とした対応で加害者にあたれる世の中になってほしい。
    この本を読んだ校長など管理職はどう思うのか?

  • 【請求記号:371 サ】

  • スクールカウンセラーです。
    非常に勉強になり、関係者皆に読んでもらって、意見交換をしたいくらいです。
    問題の本質に切り込んでいく斎藤先生と、学校現場の実情を理解した上で、かゆいところに手が届く議論を展開してくださる内田先生との組み合わせが最高ですね。

    オープンダイアローグについては、慎重に検討する必要があると思います。
    いじめの状態によっては、被害児は加害児と場を同じくすること自体、外傷的な体験になり得ます。
    虐待では効果があったということですが、親子という愛着関係が仮定される間柄でのことなので、いじめ事案にそのまま転用することはできないでしょう。
    アセスメントの力を磨き、オープンダイアローグについてしっかり学んで、安全に場を回せる自信をつけられたら実践してみたいと思いました。

  • いじめ加害者にどう対応するか――処罰と被害者優先のケア。斎藤 環先生と内田 良先生の著書。いじめ加害者はいじめ加害者として叱られたり注意されたりすることはあっても転校を余儀なくされることは少ない。いじめ被害者はいじめ加害者から解放されたいからいじめ加害者のいない学校に転校する。いじめ加害者が反省すればいいけれど反省しないいじめ加害者はまたいじめ被害者を生み出す。いじめ被害者が守られないのはおかしいです。

  • いじめ指導について
    沢山の気付きがありました。
    読んで良かった。




  • 当たり前のように、いじめられた子どもが学校に行けなくなる、というのはおかしい。

    いじめる側が精神的な疾患を持ったおかしな奴なんだ、ということに改めて気付かせてくれる。

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼ https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000058357

全15件中 1 - 15件を表示

著者プロフィール

斎藤 環(さいとう・たまき)
「つくばダイアローグハウス」院長、筑波大学名誉教授。博士(医学)。専門は思春期・青年期の精神病理、病跡学。
岩手県生まれ。筑波大学大学院卒業。著書に『イルカと否定神学─対話ごときでなぜ回復が起こるのか』(医学書院)、『映画のまなざし転移』(青土社)、『フレーム憑き─視ることと症候』(青土社)、『「自傷的自己愛」の精神分析』(KADOKAWA)、『その世界の猫隅に』(青土社)、『関係の化学としての文学』(新潮社)、『アーティストは境界線上で踊る』(みすず書房)、『戦闘美少女の精神分析』(ちくま文庫)など多数。

「2025年 『シネパトグラフィー 映画の精神分析』 で使われていた紹介文から引用しています。」

斎藤環の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×