ガザからの報告 現地で何が起きているのか (岩波ブックレット 1096)
- 岩波書店 (2024年7月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (72ページ) / ISBN・EAN: 9784002710969
作品紹介・あらすじ
東京二三区の六割の面積に二二〇万人が暮らすパレスチナ・ガザ地区。イスラエル軍の攻撃により、民間人を中心とする死者は三万人を超え、人びとは家を失い、飢餓状態に追い込まれている。長年パレスチナ問題の取材を続けてきた著者が、旧知の現地ジャーナリストの「報告」を通し、死と隣り合わせの日々を生きる人びとの声を伝える。
みんなの感想まとめ
現地ジャーナリストによるリアルな報告を通じて、ガザ地区での人々の過酷な現状が生々しく描かれています。著者は、イスラエル軍の攻撃にさらされる中での民間人の死者数や、家を失った人々の苦しみを詳細に伝え、特...
感想・レビュー・書評
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本書も知之介さんの本棚より。
「ガザ地区を出られたら、何でもできます。路上で乞食になることもできる。私は命を守りたいんだ!子どもの命を守りたいんだ!家族の命を守りたいんだ!」
(本文より)
欧米諸国はロシアによるウクライナの侵略・占領を激しく非難し、国土の一部が占領されるウクライナには惜しみなく武器も資金も支援する。しかし一方、何十年も続くイスラエルによるパレスチナ占領では「占領される側」ではなく、「占領する側」のイスラエルを支持・支援し続けてきた。この欧米の"ダブルスタンダード(二重基準)"に日本政府は疑問を呈することもせず、欧米諸国と一緒になって「被害者・イスラエル」への支持を表明する。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「停戦」は不可欠である。だが、それは問題解決の第一歩に過ぎない。その後、ガザ住民の"生きる基盤"をどう再興できるかが次の重大な鍵となる。そしてさらに真の"ガザの解放"である。それは今叫ばれている「ジェノサイドからの解放」だけでは達成できない。問題の根源である"占領からの解放"が実現しない限り「ガザの問題」は終わらない。
(おわりにより)
(´ρ`*)コホン
では、本書の内容を含めた感想を。
■『ガザからの報告』を読んで──胸の奥が焼けるような怒りと無力感のままに
岩波ブックレット『ガザからの報告』を読み終えた瞬間、胸の奥がじりじりと焼けるような感覚に襲われた。
ああ、これが“現実”なのか。
数字ではなく、誰かの生活が、家族が、記憶が、瓦礫の下に押しつぶされていくという事実なのか。
ガザの人びとは、水も食料も燃料も医薬品も足りず、日常が「生き延びるための闘い」に変わっている。病院は破壊され、残った医療施設も電力不足で機能不全。子どもたちは栄養失調に陥り、爆撃音に怯えて眠れない。
──そんな現実が淡々と、しかし確実に積み重ねられていく。
本書に登場する現地ジャーナリストMの言葉は、胸に杭のように刺さる。
彼は取材者である前に、家族を守らなければならない一人の人間だ。
死と喪失を見続ける日々の中で、彼自身の心も削られていく。
その声を読むたびに、私はページをめくる手を止めてしまう。
■ロシアとイスラエル──国際社会の対応はなぜ真逆なのか
ウクライナに攻め入ったロシアは、国際社会から強烈な制裁を受けた。
一方、ガザを含むパレスチナ自治区を長年占領し、現在も「過剰な自衛」と呼ばれる攻撃を続けるイスラエルに対しては、同じ強度の制裁は科されていない。
この“差”はいったい何なのか。
検索結果から見える要因はいくつかある。
●① 米国の影響力と地政学
イスラエルは米国の最重要同盟国であり、中東政策の要である。
そのため、米国はイスラエルへの強い圧力を避ける傾向がある。
一方、ロシアは欧米と対立する大国であり、ウクライナ侵攻は欧州の安全保障そのものを揺るがす行為だったため、欧米は強い制裁で一致した。
●② 戦争の構造の違い
ロシアの侵攻は「主権国家への一方的侵略」として明確に非難された。
一方、イスラエルとハマスの戦闘は「テロへの自衛」という枠組みが強調され、国際社会の評価が割れている。
●③ 国際秩序の変動
米国の影響力低下と新興国の台頭により、国際社会は“二つの戦争”に対して統一した対応を取れなくなっている。
■理解した瞬間、言葉が出なくなる
こうした構造を知れば知るほど、胸の奥が重く沈んでいく。
「国際政治の力学」という言葉で説明できてしまうことが、逆に恐ろしい。
ガザの子どもたちが飢え、家族を失い、心を壊されていく現実が、
“地政学的理由”という名の下に、世界の優先順位の後ろに追いやられてしまう。
本書に描かれるガザの人びとの声は、政治の論理とはまったく別の場所にある。
彼らはただ、生きたいだけだ。
家族と暮らしたいだけだ。
爆撃のない夜を眠りたいだけだ。
それすら叶わない世界を前に、私はページを閉じて深く息を吐くしかなかった。
■無力さが嫌になる──でも、無力ではないのかもしれない
「自分は何もできない」
そう思うたびに、胸が締めつけられる。
しかし、土井敏邦氏は本書の中で、
“まずは知ること、声を聞くこと”
の重要性を繰り返し語っている。
私たちは戦場に行けない。
外交を動かす力もない。
でも、知ることはできる。
伝えることはできる。
無関心でいないことはできる。
それは小さな行為かもしれない。
けれど、無関心こそが暴力を支える土壌になるのだとしたら──
「知り続けること」は、決して無力ではない。
■最後に──ぐちゃぐちゃの感情のままに
『ガザからの報告』は、読む者の心を容赦なく揺さぶる。
怒り、悲しみ、無力感、そして罪悪感。
それらが渦を巻き、胸の奥で爆発し続ける。
でも、その“ぐちゃぐちゃ”こそが、
世界の不条理に対して人間が持つべき正常な反応なのだと思う。
ガザの人びとの声を聞いた今、
もう「知らなかった」とは言えない。
そして、知ってしまった以上、
私はこの感情を抱えたまま、
これからも考え続けるしかないのだ。
<あらすじ>
本書は、長年パレスチナ問題を取材してきたジャーナリスト・土井敏邦が、旧知のガザ在住ジャーナリストから寄せられた「現地報告」を軸に、2023年以降のガザで進行する破壊と飢餓、そして人びとの精神的崩壊を克明に伝える岩波ブックレットである。
ガザ地区は東京23区の六割ほどの面積に約220万人が暮らす人口密集地であり、イスラエル軍の攻撃によって民間人の死者は3万人を超え、住民は家を失い、飢餓状態に追い込まれている。本書は、この「数字の背後にある声」を読者に届けることを目的としている。
Ⅰ ガザからの報告
1 生活必需品の欠乏
冒頭では、ガザの人びとが直面する物資不足の深刻さが描かれる。
水・食料・燃料・医薬品といった生活の基盤がほぼすべて欠乏し、住民はわずかな配給や自作の代用品に頼って生き延びている。パンを焼くための燃料すら確保できず、子どもたちの栄養失調が急増している。
医療機関は爆撃で破壊され、残った病院も電力不足で機能不全に陥り、負傷者を受け入れられない状況が続く。
報告者は「生きるための最低限の条件が崩壊した世界」を語り、日常生活が完全に「生存の闘い」に変わったことを伝える。
2 破壊と情勢
次の章では、イスラエル軍の攻撃によって破壊された街の姿が描かれる。
住宅地、学校、病院、避難所といった民間施設が次々と攻撃され、住民は「安全地帯」を求めて移動を続けるが、どこにも安全は存在しない。
瓦礫と化した街を歩く報告者は、そこに暮らしていた家族の記憶や生活がすべて破壊され、痕跡すら残らない現実に言葉を失う。
攻撃の背景にはハマス掃討を掲げる軍事作戦があるが、最も犠牲になっているのは一般市民であることが強調される。
3 Mのコラム
本書には、現地ジャーナリストMによる短いコラムが挿入される。
Mは、日々の取材で目にする死と喪失、そして自らの家族の不安を率直に綴る。
彼の文章は、戦争報道の背後にある「語り手自身の痛み」を浮かび上がらせ、読者にガザの現実をより身近に感じさせる役割を果たす。
4 ハマスとイスラエル軍
この章では、ハマスとイスラエル軍の力関係、政治的背景、そして住民がその狭間でどのように翻弄されているかが整理される。
ハマスの統治下でのガザの状況、イスラエルによる封鎖政策、度重なる軍事衝突が、住民の生活を長期にわたり圧迫してきた歴史が概説される。
土井は、ハマスの存在を理由にガザ全体が攻撃される構造を批判的に捉えつつ、住民の声を通して「誰が本当に犠牲になっているのか」を明確にする。
5 住民の精神状態
戦争が長期化する中で、住民の精神状態は極限に達している。
家族を失った悲しみ、終わりの見えない恐怖、飢餓と疲労、そして「世界から見捨てられた」という感覚。
特に子どもたちの心の傷は深く、爆撃音に怯え、夜眠れなくなる例が多い。
報告者は「ガザの人びとは、身体だけでなく心も破壊されつつある」と語る。
6 住民たちの声
本書の核心となる章では、複数の住民の証言が紹介される。
家族を失った母親、家を追われた老人、負傷した子ども、医療現場で働くスタッフなど、それぞれの視点から「ガザで生きるとはどういうことか」が語られる。
彼らの声は、政治的議論では捉えきれない「個人の人生の崩壊」を伝え、読者に強い衝撃を与える。
Ⅱ ハマスとガザの民衆
後半では、ハマスとガザの民衆の関係が掘り下げられる。
外部からは「ガザ=ハマス」と単純化されがちだが、実際には多様な立場の人びとが存在し、ハマスを支持する者も批判する者もいる。
しかし、どの立場であれ、住民は封鎖と攻撃の中で「選択肢のない生活」を強いられている。
土井は、ガザの問題を「ハマスの問題」として矮小化することの危険性を指摘し、「占領からの解放」がなければ根本的な解決はあり得ないと結論づける。
おわりに
本書は、ガザの現実を「遠い戦争」ではなく「いま起きている人間の悲劇」として受け止めるための報告書である。
土井は、長年の取材経験を通して、ガザの人びとが抱える痛みと希望を丁寧にすくい上げ、読者に「彼らの声を聞くこと」の重要性を訴える。
本の概要
東京二三区の六割の面積に二二〇万人が暮らすパレスチナ・ガザ地区。イスラエル軍の攻撃により、民間人を中心とする死者は三万人を超え、人びとは家を失い、飢餓状態に追い込まれている。長年パレスチナ問題の取材を続けてきた著者が、旧知の現地ジャーナリストの「報告」を通し、死と隣り合わせの日々を生きる人びとの声を伝える。
目 次
パレスチナ・イスラエル関連年表/関連地図
はじめに
Ⅰ ガザからの報告
1 生活必需品の欠乏
2 破壊と情勢
3 Mのコラム
4 ハマスとイスラエル軍
5 住民の精神状態
6 住民たちの声
Ⅱ ハマスとガザの民衆
おわりに
著者について
土井敏邦(どい・としくに)
1953年,佐賀県生まれ.ジャーナリスト・映画監督。1985年以来、パレスチナ・イスラエルの現地を34年間取材。1993年より映像取材も開始し、17年間の現地取材を基に2009年、ドキュメンタリー映像シリーズ『届かぬ声――パレスチナ・占領と生きる人びと』全4部作を制作、その第4部『沈黙を破る』は劇場公開、石橋湛山記念・早稲田ジャーナリズム大賞受賞。2015年に『ガザに生きる』(全5部作)を完成、大同生命地域研究特別賞を受賞。2022年に映画『愛国の告白――沈黙を破る・Part2』を全国で劇場公開。著書『アメリカのユダヤ人』(岩波新書)、『ガザの悲劇は終わっていない――パレスチナ・イスラエル社会に残した傷痕』(岩波ブックレット)、『現地ルポ パレスチナの声、イスラエルの声』『沈黙を破る――元イスラエル軍将兵が語る“占領”』(岩波書店)他。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
信仰と自分の命のどちらを取るべきなのだろうか。例えば、明日からあなたは中国人だと言われたら。あるいは日本から出ていけと言われたら。
本書には、ガザ地区を出られたら乞食でも何でもできる、つまりは住まいよりかは家族の生命が大事だという苦肉の選択がある。私にはこの感覚が正確に理解できない。聖地や信仰を放棄して暴力に屈して逃げて良いのだろうか。
アブラハムが一人息子のイサクを生贄として捧げる場面が旧約聖書にある。これは前述とは真逆の話で、信仰のために息子の命を殺めようとし、それを神に評価されるという話だ。
神をスクリプトしてはならない。つまり神を試してはならないのだが、同様に神を言葉にすることは不可能であり、観念化が許されぬはずの神を人間ごときが物語にするのは神のパラドックス(全能の逆説)に近い。つまり語られる中に神はおらず、ただ信仰があるのみ。その信仰は人間の都合で枠取りされる。枠取りとは、領土、国、民族、種族、男女、家族、身分、権威そして宗教的物語。
自我のために信仰を捨てるというのは、自我を削り取るという意味で矛盾を孕む。人間には固定されたアイデンティティがあって自らの尊厳を成り立たせているのだろうから。
だからといって、そこで命を落として何になるのかと思うが、その時はじめて、私は私を含む社会集団の一部であり我が身は集団の存続に捧げるという行為により高次に昇華されるという論に辿り着くのかも知れない。個人と集団がアウフヘーベンされる時、要件は個人の犠牲である。
現地で何が起きているか。
生々しく凄惨な事実と葛藤が強い言葉で綴られる。自分が守りたいのは、本当に命なのか、それとも「自分という物語」つまりは信仰なのか。考える事で、ガザの人々の感覚も、アブラハムの狂気も、少し違う輪郭で見えてくるかも知れない。 -
浮かれてる場合か!( ゚д゚ )クワッ!!
岩波ブックレット1096です
はい、今なおイスラエル軍からの攻撃にさらされるガザ地区に住む現地ジャーナリストの「報告」をまとめたものです
まさに、現地で何が起きているのかが詳細に「報告」されております
8/15のハマス側の発表によるとパレスチナ人の死者は4万人を超えたととのことです
とんでもない数字です
しかも今なお住むところも食べるものもない生活を何十万という人々が強いられている現状があります
また、この苦しみの中でハマスは民衆の中で急速に支持を失っていることも「報告」しています
どうすればいいんだろうね?
とりあえず今自分がアホみたいに本が読めてることに感謝する気持ちが生まれてたりするんだけど、誰に何を感謝すればいいのかも分からん
神に?なんか違うな〜
そして、このとんでもない地獄を遠い海のはてから眺めて「自分はこんなことにならなくて良かったな〜」って思うことに罪悪感を感じてしまう
でもそれもなんか違うな〜とも思う
「あー良かった」と思っていいと思う
だけどその「良かった」を何とかしてガザ地区の人に分けてあげられないかな〜なんてことを思った一冊でした
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この前いつも使う駅に「ガザ虐殺やめて!!」って書かれたボードを持ってひたすらずっと立ってるおじ様がいたんですよ。
募金でもしてんのかと思った...この前いつも使う駅に「ガザ虐殺やめて!!」って書かれたボードを持ってひたすらずっと立ってるおじ様がいたんですよ。
募金でもしてんのかと思ったらそんなんもなく。
日本の平和な駅で…?とも思ったんですが、ひま師匠みたいに本書を読んだりして居ても立ってもいられなかったのかも…2024/09/15 -
おじ様なりのわーわーなんだろうね
そしてユッキーによってしっかり拡散されてるわけだから、極々小さいながら確実に平和への一歩になっていると、わ...おじ様なりのわーわーなんだろうね
そしてユッキーによってしっかり拡散されてるわけだから、極々小さいながら確実に平和への一歩になっていると、わいは思うんよな〜2024/09/15 -
こんなところでわーわー言うのも意識がそちらに向かう時間があって、また他の人に話すきっかけになったりして、バタフライ効果でもないですけど、何か...こんなところでわーわー言うのも意識がそちらに向かう時間があって、また他の人に話すきっかけになったりして、バタフライ効果でもないですけど、何か変わるのかもしれないですね(*´꒳`*)
さすが師匠、とても良いお話拝承致しました。2024/09/16
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ブクログレビューを拝見して知った本。
先日読んだ岡真理氏の『ガザとはなにか』よりこちらの方が断然良かった。
本書著者のジャーナリスト土井氏と岡氏とでは、「問題の根源はイスラエルの植民地主義支配・占領である」というところは共通している。
しかし岡氏の書籍ではパレスチナの民衆とハマスとの関係には全く触れていなかった。
だから2023/10/7のハマスによる攻撃に関しての主張が土井氏と岡氏では全く異なる。
本書を一言一句漏らさず読んだが、「Ⅱ ハマスとガザの民衆」と「おわりに」がとても理解の助けになった。
「おわりに」の中で書かれていることはとても説得力がある。
ああなるほど、岡氏の主張は本書土井氏が「おわりに」で書かれているこの部分だな。
やっぱり岡氏の書籍で私が今ひとつ腑に落ちなかったのはこういうところだ。
(岡氏の書籍で私が相入れなかったのは、他の部分もあるのだが)
かえって岡氏の書籍を先に読んでいたからこそ、岡氏の書籍でなんかおかしいと思っていた部分が本書を読んで腑に落ちたので、あちらを読んだこともムダではなかったとは思う。 -
これでパレスチナ関連の岩波ブックレット8冊すべてを読んだ。そのうち4冊の著者、土井敏邦が、日本で国軍への抗議や人道支援に奔走するミャンマー人らの姿を追ったドキュメンタリー映画「在日ミャンマー人―わたしたちの自由―」の監督であることも知った。
なかなかのジャーナリストである。
2023.10.7のハマースの攻撃でイスラエル側の死者は約1000人(兵士と警官は約300人で残りは民間人)といわれる。2014年、51日間続いたガザ攻撃の時のイスラエル側の犠牲者73人と比べた時、この後の報復は異次元のものとなるだろうと思った。
この本はガザに住む旧知のジャーナリストMから伝えられた2024.4月までの報告をまとめたものである、と彼は断っている。
ほぼ毎年パレスチナに通い、書き、映像にして発表してきた彼は、現在のガザ問題の根源はハマースではなく「イスラエルの占領」だと明言し、以下の報告を進める。(10.24からの状況)
1.生活必需品の欠乏
電気も燃料もないため水道が使えない。果樹用の井戸からもらっている。
小麦粉がなく主食のパンが作れない。
家にあった米、缶詰など食べているが一日一食。店で買えるものもあるがとても高い。飢餓状態が出ている。
医薬品もなく、病院も閉鎖している。
まもなく冬がやってくるのに。
2.破壊と情勢
10.31時点で建物の三分の一は破壊されている。まだ1ヶ月もたたないのに恐ろしい数の人が殺された、何10万まの人がホームレスに。ガザの住民はすでに殺されたか殺されていく人たちと飢餓で死んでいく人たちの2グループになっている。
以下、戦車で家を砲撃されたりして多くの人が家族や友人を殺される様が書かれているが、前に読んだ「オマルの日記」の方が詳しいと思う。
イスラエルはガザ北部の住民を南部に追い立て、その南部にも攻撃を仕掛けている。テントや壊れた建物に避難した人々に新たな場所への移動を強要するなどやりたい放題。苦難を与えることが狙いになっている。
3.ハマースとガザの民衆
本の後半は、ハマースと民衆の間のズレが取り上げられている。
土井さんは、問題の根源がイスラエルによる占領であると分かっていても、10.7の越境攻撃は間違いだと思っているようだ。ジェノサイドを引き起こすほどのイスラエルの攻撃にさらされたからだ。しかしそれはどうなんだろう。この本がM氏の情報に頼っていることが影響してないだろうか。
苦しむパレスチナ住民の中にハマースへの怒りが育つのは理解できるが、では、どうすればいいというのだろうか。ハマースがいようがいまいがパレスチナ人を殺し尽くそうというのがイスラエルシオニストの目的ではないか。
難しい問題だが私はハマースに心惹かれる。
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「今」ガザで何が起きているのか。
少しでも気にかけている人であれば、想像を超えるような内容では、無い。それが恐ろしい。今ガザで起きている事柄は報道されているのにも関わらず、(あえて言うが)世界のなんと無関心なことか(私も含めてだ)。
世界に平和など永遠にこないであろう。
だが、だからといって、それを諦めてよいはずも、ない。
果たして、5年後、10年後、50年後、100年後、1000年後の「今」のガザでは何が起こるのか。 -
岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
http://carin.shotoku.ac.jp/CARIN/CARINOPACLINK.HTM?ID=BB00658418
東京二三区の六割の面積に二二〇万人が暮らすパレスチナ・ガザ地区。イスラエル軍の攻撃により、民間人を中心とする死者は三万人を超え、人びとは家を失い、飢餓状態に追い込まれている。長年パレスチナ問題の取材を続けてきた著者が、旧知の現地ジャーナリストの「報告」を通し、死と隣り合わせの日々を生きる人びとの声を伝える。
(出版社HPより) -
312-D
閲覧 -
桃山学院大学附属図書館蔵書検索OPACへ↓
https://indus.andrew.ac.jp/opac/volume/1336553 -
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2023年10月7日のハマスによる越境攻撃以降のガザの現状を、現地で生活するMから聞いた話。
どこまでがホントのことかは不明だが「ジャーナリスト、研究者としての長年の経験を踏まえ、多くの情報源を元にした情報」と著者は語るP.5
『今回の戦争で住民は多くのものを失いました。しかし最も深刻で破壊的な喪失は、私たちの倫理とモラルです。〜略〜私はこれが将来、パレスチナ人社会に大きな障害、問題を引き起こすのではないかと危惧しています。』P.43
問題の根源はイスラエルの植民地主義支配・占領にあることは大前提とした上で、著者は2023年10月7日のハマスの越境攻撃はそのやり方と結果から『「イスラエルの植民地支配・占領への武装闘争、抵抗暴力」だという主張は違う』と言う。P.63
それは①地べたで生きるガザの住民はイスラエルやハマス、「2023年10月7日の越境攻撃」はどう見えるのか。②民衆はなにに苦しんでいるのか。と言う視点から判断すべきだと言う主張由。
その視点からそう主張するを否定しない。しかし、第三者の視点から見たときに、ハマスの2023年10月7日の越境攻撃はイスラエルの植民地支配・占領への抵抗運動と見做すことを否定することはできるのだろうか。浅学なわたしでは判断つきかねる問題だ。
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書名のとおり、ガザの友人の記者からの情報をまとめたもの。
ハマスとガザの人々との複雑な関係が描かれているところが、自分にとっては新しい視点であった。
確かにハマスは悪んだけど、それを生み出しているのはイスラエルだしね。。。 -
今、パレスチナで起こっている事を、数字や、他国のメディアでの情報ではなく、現地にいる人の声を聞きたいと思っていた。
だから、「死と隣り合わせの日々を生きる人びとの声を伝える」という表紙の文言に、迷う事なく手に取った。
発言について検証できていないとあったけれど、Mさんは、根拠のない情報ではなく、ジャーナリスト、研究者として、多くの情報源を元にした情報を我々に伝えてくれた。中に出てくるインタビューされている人たちも、代表者ではなく、そこで生きていかざるを得ない人、一人一人の想いであり事実である。
イスラエル、ハマス、欧米諸国に思うことは多々ある。
明日を楽しみに待つことはなくとも、明日に恐怖や不安を感じない日々をパレスチナに。 -
戦争が終わるだけじゃなくて、生活基盤、経済基盤が再建されないとダメなんだよね。
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背ラベル:319-ド
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女子栄養大学図書館OPAC▼https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000071694
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配架場所・貸出状況はこちらからご確認ください。
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