古事記 (岩波文庫 黄 1-1)

著者 :
  • 岩波書店
3.59
  • (42)
  • (41)
  • (115)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 1021
感想 : 61
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (342ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003000113

作品紹介・あらすじ

8世紀初めに成立した現存するわが国最古の歴史書・文学書。数多い口伝えを、天武天皇が稗田阿礼に命じて覚えさせ、元明天皇が太安万侶に書きとめさせたもの。天地開闢に始まり、伊邪那岐命、伊邪那美命の国生み神話、須佐之男命の大蛇退治等、神代より推古天皇に至る皇室の系譜を中心に、わが国古代の神話・伝説・歌謡を広範囲に収録。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 註釈が少ないのが難点だが、こうの史代『ぼおるぺん古事記』や池澤夏樹訳『古事記』の助けも借りつつ、読了。推古天皇でのあっけない幕切れが、かえって余韻を残す。

    岩波文庫版での後半には原文が付いているが、到底読める気がせず…。いまこうして日本神話を手にできるのは、本居宣長に代表される膨大な研究蓄積のおかげだということを実感した。

  • 2月11日に家族全員が休みであり、じゃあ伊勢にでも出かけようとなり、出かけるにあたってそういえば学生のころに授業で使うのに買ったなあと思いだして引っ張り出してきた本。国生み国譲りや大和尊のあたりは面白いものの、歴代天皇が誰と結婚してその子が・・・というあたりは電車で読んでると実に効果覿面でした(眠気の意味で)。荻原さんの勾玉三部作を読み返したくなります。

  • 登録番号:0142428、請求記号:913.2/Ko39

  • 読書会の課題本。言うまでもなく、日本最古の歴史書の一つ。約5回目の再読になる。純粋に物語として面白い部分はあるし、なんだかんだで本書に登場する神々に由来する神社は多いので、寺社仏閣巡りに興味ある人は一読しておいて損はないと断言できる。ちなみに本書には『現代語訳』は付いていないが、あれこれ言うほど難しい印象はない。

  • 図書館で借りた。
    岩波文庫の黄(日本古典文学)、日本のバイブルと言うべき書。とは言え歴史的経緯もあり、読んだことがある人は少ない。私もその一人だった。
    岩波文庫は読み下し文・原文が掲載されている。完全な漢文である原文はさすがに全く読めない。使われている漢字自体が難しい。
    読み下し文はいわゆる古文だ。脚注を交え、なんとか雰囲気はつかめるかな~くらいで、まぁ難しい。古事記は古事記でも、現代語訳の方が売れるのは分かる。次は現代語訳を読んで理解を深めたい。

    個人的な発見としては、古事記に会津の地名があったのは驚き。蝦夷と呼ばれた東北地方でも、このときから存在自体は認識されていたのだと確認した。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/701664

  • 前半の神様の名前がたくさん出てくるところは読み進めるのが辛かったですが、総じて楽しんで読めます。

  • さっ読むぞってな、先ずはぺらペらとめくりましてっと、もぅすでに感激で胸がどぎどき、どぐうするぅ~~、

    • 東京珍太郎さん
      まだ読んでいませんが
      、古典の理解をと思いまして。
      まだ読んでいませんが
      、古典の理解をと思いまして。
      2022/03/29
  • 神々が現れる。国之常立神(くにのとこたちのかみ)・豊雲野神(とよくもののかみ)から七代目にイザナギ・イザナミが現れる。▼イザナミ「自分の身体は1か所欠けている」。イザナギ「自分の身体には余っているところがあるので、私のそれであなたの足りない部分をふさぎ、国を生もう」。柱の下でイザナミから声をかけると「良くない」島(第一子、蛭子ひるこ)が生まれた(蛭子は水子を守護する神として祀られている)。イザナギから声をかけると日本列島の島が生まれた。▼イザナミが火之迦具土神(ひのかぐちのかみ)を生んだとき、陰部に大やけどを負い、死んでしまう。イザナギは怒り、火之迦具土神を斬り殺す。※神が死ぬという発想。▼死んだイザナミは黄泉の国へ。イザナギはイザナミを取り戻すため黄泉の国へ行き、イザナミと再会。イザナミ「わたしの顔を絶対に見ないでください」。しかしイザナギは全身ウジが湧いて腐乱死体となったイザナミを見てしまう。イザナミは激怒し、逃げるイザナギを追いかける。イザナギは逃げ切り、黄泉の国の入り口を岩で塞ぐ。怒りが収まらないイザナミ「これからわたしは人間を1日1000人殺します」。イザナギ「ならば私は1日に1500の産小屋を建て、新たな命を生み出そう」。▼暗くて穢れた黄泉の国からこの世に逃げ帰ったイザナギ。川の水で死の穢れを清める(*禊みそぎ・手水舎ちょうずやの由来・阿波岐原あわきはら宮崎)。左の目を洗うとアマテラス、右の目を洗うとツキヨミ、鼻を洗うとスサノオが生まれた。▼イザナギはスサノオに海を統治せよと命じるが、スサノオは「死んだ母(イザナミ)に会いたいと」泣いてばかり。イザナギはスサノオを天から追放する。▼弟スサノオの悪行に困り果てた姉アマテラスは岩屋に閉じこもる。すると世界は闇に包まれ、邪神が天変地異を起す。女神アメノウズメが胸を露わにして踊り狂うと、他の神々は大笑い。外の騒ぎを聞いて出てきたアマテラスを、力自慢のアメノタヂカラオが引きずり出す。岩屋の入り口はしめ縄をかけて封印した。▼一方、天から追放され地上にやってきたスサノオ。食の女神・大宜都比売神(おおげつひめのかみ)に食べ物を求めると、大宜都比売神は鼻・口・肛門から御馳走を出す。スサノオは肛門から出たものなど食べれないと怒り、大宜都比売神を斬り殺す。すると、大宜都比売神の亡骸から五種の穀物が生まれた。▼出雲にやって来たスサノオは老夫婦に会う。老夫婦は娘クシナダヒメが八岐大蛇(ヤマタノオロチ)に食われてしまうと嘆く。八岐大蛇は八つの頭と八つの尾、胴体に苔、体からヒノキや杉が生え、腹は血膿のようにただれている。スサノオは八岐大蛇をおびき出し、酒を飲ませ、八岐大蛇の首を斬り落とす。尾から出てきた草薙剣はアマテラスに献上した。▼スサノオは出雲に宮殿を作り、多くの子を生む。その子孫がオオクニヌシ(オオナムジ)。▼オオクニヌシは、ワニに皮を剥がされて痛がる白兎を助け、美人ヤガミヒメに求婚されるが、嫉妬した兄弟に焼き殺される。母親に蘇らせてもらったオオクニヌシは、スサノオの国へ旅立つ。▼スサノオの国へ来たオクニヌシは、スサノオの娘スセリビメと恋に落ちる。スサノオの試練を乗り越え、二人は結ばれる。▼オオクニヌシは、天にいるアマテラスから国を譲るようせまられる。オオクニヌシの息子は、天から派遣された武の神に敗れる。アマテラスの子ニニギは三種の神器を持って、日向ひゅうが(宮崎県)の高千穂峰の山頂に降り立つ。▼ニニギは地上の娘コノハナサクヤヒメと結ばれ、海幸彦(兄)と山幸彦(弟)が生まれる。『古事記 上巻』712

    ニニギの孫イワレビコ(神武天皇)は東へ。日向(宮崎)を出発し、海路で筑紫の宇佐(大分)、筑紫の遠賀(福岡)、安芸(広島)、吉備(岡山)へ移動。吉備(岡山)で8年過ごす。そこから海路で、難波(大阪)へ。ナガスネヒコ軍との戦いで兄イツセが負傷。イツセ「我々は日の神の御子。東を向き、日に向かって戦うのはよくない」。そこで南へまわり、熊野の丹敷浦にしきうら(和歌山)から上陸。熊野から大和までは八咫烏が道案内。各地を平定し、橿原(奈良)に宮殿を建て、天皇として即位。『古事記 中巻』712

    奈良、ヤマト国家連合(ニギハヤヒを祀る物部氏)と合流。合流を拒絶する勢力(ナガスネヒコ)は滅ぼされる。

    貧しい兄と金持ちの弟とがいた。神(スサノオ・牛頭天王)が宿を求めたとき、弟(巨旦こたん将来)は断った。兄の蘇民将来は宿を貸して粟飯をふるまった。その報いとして、弟の子孫は滅び、兄の子孫は栄えた。『備後国風土記』

    もし恋に死があるのなら、私は千度でも死を繰り返しましょう(笠郎女)。▼朝の寝乱れた髪にくしを入れることはしません。いとしいあの人の手(腕枕)が触れたものだから(作者不明)。▼紫草の野原で、あなたがわたしに袖を振る。見張りに見られてしまいますよ(額田王・白鳳)。▼うららかに照っている春の日に、ヒバリが空に上がっていく。独りものを思うと心悲しい(大伴家持)。▼生は貪るべく、死は畏るべし。▼大君は神にしませば天雲のいかづちの上にいおりせるかも。柿本人麻呂(白鳳)。大君は神にしませば赤駒のはらばう田居たいを都となしつ。大伴御行みゆき(白鳳)。『万葉集』759

    ※奈良時代後期。

  • 『古事記』(712) は、古代日本に伝えられた様々の興味深い物語の集大成である。その内の一つが、天の石屋戸の話である。天岩戸 (あまのいわと)に隠れた天照大神を導き出すために天宇受売命 (あめのうずめのみこと) が神懸かりしてストリップを演じ、居並ぶ神々がやんやの喝さいをする。文学的香気を感じさせる一節である。

     「天宇受蕒(あめのうずめの)命(みこと)、神懸(かむがか)りして、胸乳(むなち)をかき出(い)で裳(も)緒(ひも)を陰(ほと)に押し垂れき。ここに高天の原動(とよ)みて、八百萬の神共(とも)に咲(わら)ひき」

全61件中 1 - 10件を表示

倉野憲司の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
フランツ・カフカ
三島由紀夫
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×