- Amazon.co.jp ・本 (392ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003001615
作品紹介・あらすじ
冷静で細やかな観察、才気煥発な筆致によって、わが国随筆文学を代表する一書として、本書はあまりにも有名である。一段一段の文章から、平安時代の生活と感覚の具体相を、万華鏡を見るようにうかがい知ることができ、また筆者と中宮定子との美しい魂の触れあいが、この草子の文学的香気をいっそう高めている。
感想・レビュー・書評
-
『枕草子』の伝本は大きく分けて4種類の系統があり、本書「岩波文庫版『枕草子』」は、三巻本系統・柳原紀光自筆本を底本にした『日本古典文学大系19 枕草子』をベースにしている。
中味は原文に脚注を加えただけのシンプルなもので、章段ごとの解釈や説明用の挿絵、それに現代語訳は付いてない。また、他の系統本と異なっている箇所を本文の後に「校異」としてまとめてはいるのだが、省略されている部分もあるので完璧ではない。
本文のみで現代語訳を付けないのは、岩波文庫から出版されている他の日本古典と同様に、シンプルさをコンセプトとしているのだろう。これに、いきなりチャレンジするのは困難な感じもするが、三巻本の現代語訳はネット上にも公開されているので、それを参考にしながら読み進めるのも可。より古典に馴染もうとするならば、古語辞典を頼りに読み進めるという方法も選べるし、岩波文庫をチョイスする意味はココにある。
この本は、読み返すたびに味わいが増してくる。その理由は、三巻本の原文の文字に極力手を加えていないところにある。漢字に置き換えたほうがよいと判断されたものびはルビがつけられているので、仮名文字で記された文章の美しさやリズムが伝わってくるのだ。ビギナーにはちと難しいが、通読経験者が読み返して、原文の雰囲気に触れるのには最もフィットする一冊だろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
趣深いものの倍くらいすさまじきものが書いてあっておもろい
-
図書館で借りた。岩波文庫の黄色(日本文学)1冊目。
枕草子と言えば清少納言。…は出てきても、それ以上は出て来ない人が殆どではないだろうか。出ても「『春はあけぼの…』でしょ?」くらいではないか。
私自身、「結局どんな話・文章だっけ?」と思ったので借りてみた。読んでみて分かったのは、いわゆるエッセイ(正確には「随筆」)で、「やっぱ春は夜明けぐらいが気持ちいいよね~」といった文章が続く本。
冒頭の部分は国語の教科書にあったと記憶していたが、全文がこんなに長いとは知らなかった。文庫全体で400頁弱。有名な作品だが、全文を読んで一番感じたのが「こんなに長かったのか…」で、それ以上の何かを感じ取れるほどの読解力は身についていないかな。
とりあえず、枕草子全体の雰囲気を感じることができました。満足。 -
昔のいいところの娘さんが選んだ「実用に耐えるエモーショナルな物事を集めてみた」という作品
昔の流行りを懐古するにはうってつけです -
大学受験用に買ったんだけど、殆ど読まなかったなぁ。
結局、橋本治の桃尻語訳を丸暗記して受験に挑みましたとさ。 -
風流です。風流。。
思ってることはさほど、現代と変わらない。
お話聞いてるとき、イケメンがいい!!
やっぱり有名な四季のお話?が好きです。
秋は夕暮れ、、、が1番好き
清少納言も、紫式部も選べない -
枕草子好き過ぎてコレクション的な感じで買ってしまった。