拾遺和歌集 (岩波文庫 黄28-1)

  • 岩波書店 (2021年12月17日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (738ページ) / ISBN・EAN: 9784003002896

作品紹介・あらすじ

恋すてふ我が名はまだき立(たち)にけり人知れずこそ思(おもひ)そめしか——藤原道長による摂関体制最盛期を目前とした寛弘2,3年(1005,06)頃の成立。花山院の自撰とされ、『古今集』『後撰集』に次ぐ三番目の勅撰集で、「三代集」の達成を示す。歌合歌や屏風歌など、晴の歌が多く、歌語の拡充・洗練が進み、優美平淡な詠風が定着している。

みんなの感想まとめ

多様な歌が詠まれたこの歌集は、晴れの場面での歌合歌や屏風歌が多く収められており、特にその独自の表現が魅力的です。成立経緯が不明ながらも、撰者の工夫が感じられる歌の並び方や、恋の物語が展開される様子は、...

感想・レビュー・書評

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  • 2年くらい?かけて、ちまちま読了。

    この歌集について、解説等より要約。
    ・花山院の自撰。ただし序が無く、成立経緯が不明。
    ・この集では、歌合歌や屏風歌といった晴れの場での歌が多いの。後者は古今和歌集には無かった特徴で、屏風絵に添えるため依頼を受けて詠むもの。歌題の複雑化をもたらした。
    ・似た名前の『拾遺抄』との関係から、撰者については諸説あり。
    ・歌の並べ方は、表現や場面などに連関を感じさせるようになっている。たとえば恋の部なら、思い初めから逢瀬が叶い、関係悪化して終わりを迎えるという並び。

    印象に残った歌。
    ・66 あしひきの山隠れなる桜花散り残れりと風に知らるな(小弐命婦) →擬人化が面白い。

    ・75 年の内はみな春ながら暮れななん花見てだにもうき世過ぐさん(よみ人知らず)

    ・142 彦星の妻待つ宵の秋風に我さへあやな人ぞ恋しき (躬恒) →妻の方が天の川を渡ってくるのは中国風らしい。

    ・488 空の海に雲の浪立ち月の舟星の林にこぎかくる見ゆ(人麿) →漢詩文的表現だそう。直喩の連打。

    ・545 親の親と思はましかば訪ひてまし我が子の子にはあらぬなるべし →源重之の祖母の歌。孫が訪問してくれないので拗ねてる。

    ・709 夢よゆめ恋しき人に逢ひ見すなさめての後にわびしかりけり(よみ人知らず)

    ・787 恋しさは同じ心にあらずとも今夜(こよひ)の月を君見ざらめや(源信明) →この集の恋歌で最高の一首。

    ・848 頼めつゝ来ぬ夜あまたに成ぬれば待たじと思ふぞ待つにまされる(人麿) 
    ・849 朝寝髪我はけづらじうつくしき人の手枕触れてし物を(人麿)
    →恋三の巻末と恋四の巻首。のちの時代に編まれた歌集でも、ふと惹かれる歌が人麿作ということが結構ある。素朴さがいいのか。

    ・921 逢事は夢の中(うち)にも嬉しくて寝覚めの恋ぞわびしかりける(よみ人知らず)

    ・1039 もろともにおりし春のみ恋しくて一人見まうき花盛り哉(よみ人知らず) →雑春の部だが、恋のようでもあり。

    ・1071 郭公(ほととぎす)通ふ垣根の卯花のうきことあれや君が来まさぬ(人麿)

    ・1283 朝顔を何はかなしと思けん人をも花はさこそ見るらめ(藤原道信朝臣)

  • 勅撰集は8つでているけれど、実際何がいつどんな時代にでて、どんな特徴があるのかわからない。拾遺和歌集という8つの中でも授業などでとりあげららることが少ないものを読み、和歌に親しむ

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著者プロフィール

1936年6月22日、長野県駒ケ根市に生まれる。2014年10月31日、逝去。
学歴●
1960年3月、東京大学文学部国文学科卒業、1966年3月、東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。
職歴●
1966年4月、常葉女子短期大学講師、1969年4月、成城大学短期大学部講師、1970年4月、同助教授、1971年4月、東京学芸大学講師、1972年3月、同助教授、1984年4月、同教授、2000年3月、同退職、2000年4月、東京経済大学経済学部教授、2000年5月、東京学芸大学名誉教授、2006年3月、東京経済大学退職。
主要著書●
[単著]『現代語対照 古今和歌集』(旺文社文庫、旺文社、1982)、『源氏物語の歌ことば表現』(東京大学出版会、1984)、『藤原公任 余情美をうたう』(王朝の歌人7、集英社、1985)、『古今和歌集と歌ことば表現』(岩波書店、1994)、『中古の日本文学』(放送大学教育振興会、1997)、『王朝文学の歌ことば表現』(中古文学研究叢書3、若草書房、1997)、『絵とあらすじで読む源氏物語―渓斎英泉『源氏物語絵尽大意抄』』(新典社、2007)、『古今和歌集』(ちくま学芸文庫、筑摩書房、2010)、『あらすじで楽しむ源氏物語』(新典社、2010)。
[共著]『伊勢集全注釈』(角川書店、2016)。
[編著]『古今和歌集』(日本文学研究資料叢書、有精堂、1976)、『榊原本私家集一』(日本古典影印叢刊、日本古典文学会、1978)、『小倉百人一首 くわしい解説・設問付き』(文英堂、1983)、『國文學 古典文学基本知識事典』(学燈社、1988)、『カラー版 古今和歌集』(桜楓社、1988)、『國文學 平安時代を知る事典』(学燈社、1989)、『別冊國文學 古典文学基礎知識必携』(学燈社、1991)、『源氏物語鑑賞と基礎知識 御法・幻』(至文堂、2001)、『別冊國文學[必携]源氏物語を読むための基礎百科』(学燈社、2003)、『源氏物語鑑賞と基礎知識 宿木(後半)』(至文堂、2005)。
[共編著]『古今集』(シンポジウム日本文学、学生社、1976)、『源氏物語』(鑑賞日本の古典、尚学図書、1979)、『標準新国語便覧』(文英堂、1985)、『名所歌枕伝能因法師撰の本文の研究』(笠間書院、1986)、『賀茂真淵全集 第12巻』(続群書類従刊行会、1987)、『拾遺和歌集』(新日本古典文学大系、岩波書店、1990)、『古今和歌集』(新潮古典文学アルバム、新潮社、1991)、『源氏物語図典』(小学館、1997)、『歌ことばの歴史』(笠間書院、1998)、『狭衣物語』(新編日本古典文学全集、小学館、1999)、『平安朝の文学』(放送大学教育振興会、2001)、『古今和歌集研究集成』(全三巻、風間書房、2004)、『東書最新全訳古語辞典』(東京書籍、2006)、『王朝文学文化歴史大事典』(笠間書院、2011)。

「2023年 『源氏狭衣の論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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