平家物語 (1) (岩波文庫 黄 113-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (398ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003011317

作品紹介・あらすじ

合戦記に人物譚、和漢の故事を織りまぜ、鎌倉時代から現代にいたるまで多くの人々に親しまれてきた、平家の全盛から滅亡までの物語。第一冊には巻一から巻三までを収録。平家全盛の時代である。新日本古典文学大系本の文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 『平家物語』では木曽義仲が鼓判官に無礼を働く。これは義仲の乱暴さを描くエピソードである。『鎌倉殿の13人』では鼓判官が先に義仲を馬鹿にした。木曽義仲が無礼というよりも、朝廷は何で実力がないのに、そこまで威張れるのかという疑問が生じる。

  • 巻第一から巻第三までを収録。まだ戦乱は起こっておらず、鹿ケ谷の陰謀、鬼界ヶ島、重盛死去が主要エピソード。見開きの右側が本文、左側が脚注で、和歌にもすべて註が付いているのはありがたい。

  • 平家物語くらいだったら、下手な現代語訳より原文読むほうが絶対面白いと思う。
    この岩波文庫版は、注釈も丁寧なので読みやすいし、オススメです。

  • 朗読も聴きながら、素晴らしい!

  • エピソードはいくつか知っているのだけど、きちんとオリジナルを読むのは初めて。難しいのではと敬遠していたが、めちゃくちゃ読みやすい。注を見ながら読めば本当にほぼ全て意味がわかるので感動。もっと早く読めば良かった、中身もめちゃんこ面白いじゃん....

    一巻目は、巻一〜巻三までで重盛が既に亡くなってしまい悲しみに暮れている...。だんだんときな臭くなる平家の行く末....

  • 巻1では、清盛の父、忠盛の良さと清盛の悪辣さが描かれる。
    まず、読む前のイメージと大きく違ったのは、清盛が若い頃からの話かと思っていたら、
    父親忠盛の話から始まるといえば言えるのだけど、清盛が壮年の頃はすっ飛ばされて、清盛がもう大分当時の年配になってから始まる。

    忠盛は、若い頃、階級が上でないというだけで惨めな目にたくさんあい、それを風流に賢くかわして、出世を勝ち取った。
    息子の清盛は、その父の苦労を味わってないから、非情な息子になってしまった。
    女性に対しても対照的。忠盛は一人の女性に真摯に向き合ってきたので、相手も忠盛の恋人であることを誇りに思った態度で接してくれるような素敵な女性だった。
    一方の清盛のひどさは、祇王で一目瞭然。女性には腹立たしい章だ。

    その息子、重盛は、人格も優れた嫡男だが、まずはその息子の重衡が、これまた清盛と同じ暴君タイプ。
    よき人が、よき子供を育てられるわけではないということか。。。

    巻2では、初めて平家に対する謀反が表面化。主犯たちが殺されたり、流されたりする。後は、喜界島にながされた俊寛達の話や、清盛の横暴ぶりを諫めた平家の良心重盛の美談。

    俊寛の話で感じたのは、平家物語が言いたいのは、この間読んだ文楽の話であった、幸せの描き方と同じで、少し仏教がもっと生きていたからの教訓的な意味合いも込めた因果応報を感じた。
    文楽で出てきた、喜界島の現地妻みたいなのが全くの創作だったのには驚いたが、能や文楽などいかに多くの物語の題材が平家物語に由来しているかに驚いた。
    始まりの文言は重要だと思った。祇園精舎の鐘の声~で始まる数行は美しいが、ここまではあまり風流を感じるパートはなかった。

    巻3では、引き続き俊寛など喜界島メンバーの話、私的に、ここにはあまり惹かれないので、なぜ?という感じが否めない。
    本筋には関係ないではないかと。清盛の横暴ぶりの強調のためだろうか。でも、俊寛にしたって、形だけ坊主で、中身は世俗的でそれほど同情もできないので、これほどのウェイトを置く意味はなんだろう。
    同罪だった、少将にはかわいらしいところがある。勧められるがままに、信心し、口だけではなく、都へ帰る途中に父親が処刑された跡地に行って偲んだり、口先だけではないものを感じるので、俊寛への慰めも彼が生き延びていたなら、別に口先だけではなかたのではないかと思った。
    少将都帰に出てきた、父親の墓でのシーンは美しくて、好きだった。

    そして、とうとう、重盛がなくなり、清盛のストッパーがいなくなって、横暴化。
    重盛は、ある意味、清盛より欲の強い人だと思う。独身の私は、このまま死んだら思い出してくれる人もいなくてとか思ったりする。
    それを息子も何人もいる重盛が、このままの横暴では、家門が廃れ、死後の冥福を祈ってくれるものがなくなるのではないかと不安になり、お金を積んで、外国の人にまで祈ってもらおうとするのだから。
    逆に、清盛は生きている間だけでの欲望ばかりなので、むしろスケールが小さいのではないかと思ったりした。
    実際の清盛は、結構経済観念もすごく尊敬できるところがある人なのに、こんなに語り継がれた平家物語では極悪非道に描かれていて、方や重盛は聖人君主の様に書かれている。
    どちらの野心の方がでかいのか。

  • 「祇園精舎の鐘の音,諸行無常の響あり,沙羅双樹の花の色,盛者必衰の理をあらはす」。いわずと知れた平家物語冒頭の名文である。これを読み返したくてこの本を買ってみました。が、私の言語能力ではこの4巻を完読、理解することは難しく、あえなくギブアップ。古文読解能力に自信がある方にのみお勧めしますが、そういう人はきっと既読ですよね。

  • 挫折

  • カテゴリ:図書館企画展示
    2013年度第3回図書館企画展示
    「大学生に読んでほしい本」 第3弾!

    本学教員から本学学生の皆さんに「ぜひ学生時代に読んでほしい!」という図書の推薦に係る展示です。

    大塚美保教授(日本語日本文学科)からのおすすめ図書を展示しました。
            
    開催期間:2013年10月1日(火) ~2013年11月15日(金)【終了しました】
    開催場所:図書館第1ゲート入口すぐ、雑誌閲覧室前の展示スペース

    大学2年生の時、生まれて初めて古典に読みふける経験をし、通学電車で駅を乗り過ごしました。それほどエキサイティングだったのが『平家物語』。
    おかげで、古典文学は読みづらいという苦手意識が払拭されました。
    いちばん好きなのは、戦いに敗れ、命運つきた木曽(きそ)義(よし)仲(なか)が、一人だけ残った従者にもらす言葉。
    「日来(ひごろ)は何とも覚えぬ鎧(よろい)が、今日は重うなつたるぞや」
    涙なしには読めません。

  • 五七五のリズム、歯切れの良い語感、時に痛快、時に哀切。
    日本文学の最高峰。
    日本人のあるべき姿を教えてくれる。

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