太平記 1 (岩波文庫 黄143-1)

  • 岩波書店 (2014年4月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (458ページ) / ISBN・EAN: 9784003014318

みんなの感想まとめ

中世日本の歴史を深く知るための貴重な作品であり、文学史では軍記物語に分類される本書は、知識の宝庫とも言える内容です。特に後醍醐天皇と幕府の対立を描くストーリーは、戦術家・楠木正成の活躍を通じて、官軍が...

感想・レビュー・書評

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  • 西源院本に現代文でも分かるよう、訳と注を配置している。
    鎌倉幕府の政権に陰りが。
    即位した後醍醐天皇は討幕を企てる。
    正中の変、元弘の変、楠正成たちの挙兵、
    大塔宮の吉野への逃避行、後醍醐天皇の隠岐への配流。
    正成の反撃と赤松円心の挙兵、新田義貞の変心、
    そして後醍醐天皇の隠岐からの脱出と名和長年の挙兵。
    六波羅勢VS.後醍醐勢の戦いは激しさを増してゆく。
    ・凡例 ・全巻目次
    第一巻 第二巻 第三巻 第四巻
    第五巻 第六巻 第七巻 第八巻
    ・付録 系図(皇室系図・藤原氏系図・北条氏系図)
        旧国名図 洛中図 『太平記』記事年表1
    [解説1]『太平記』の成立
    ・地図 比叡山周辺図 畿内周辺・熊野図 京都周辺図

    南北朝時代が舞台の歴史読み物「太平記」。
    足利政権下での改訂作業が行われたことで歴史書ともいえる。
    が、史実と異なる記載もあるが。何百万騎とか盛ってる感じだし。
    また、中国の故事・先例説話や経書、兵法書、漢詩の引用、
    日本の和歌や朗詠など、仏教関連、神話や神道関連、
    有職故実、各種文学が盛り込まれ、教養書としての一面も。
    戦記の記述や人物描写が面白かったです。正成の智謀スゴイし。
    講談等の「太平記」読みだったら、ハラハラドキドキの連続。
    今生の別れとか仇討ちとか、歌舞伎に影響を与えるのも分かる。
    あ、大塔宮が経典の唐櫃に隠れるの、子どもの頃に読んだ
    記憶がある~!って、なんで読んだのだろうかが謎。

  • 駅前の書店で購入しました。
    (2014年9月3日)

  • 中世神話、中世日本紀を勉強していくなかで『太平記』の記述に多く出会ったので、読むべき時だと言われている気がして意を決して通読を始める。

    文学史では軍記物語に分類されているけど、百科事典のような知の宝庫。
    中世という時代を最もよく教えてくれる作品なのかもしれない。

  • アニメ『逃げ上手の若君』が面白かったので、大原作たる『太平記』を読んでみることにしました。
    本書は6分冊のうちの1冊目で、太平記第8巻までを収録しています。
    『逃げ上手の若君』は北条高時が自害するあたりから始まりますが、それは太平記第10巻のことなので、本書はその前史ということになります。

    そもそも後醍醐天皇を一度は島流しにできるほど強力な幕府が、なぜ最終的に一族郎党自害する羽目に陥るのかという問題意識で読んでいました。
    『太平記』の説明では、基本的に幕府軍は大軍です。
    が、大軍ゆえに崩れると脆い。
    そのため官軍は、山城に拠った防衛戦や、奇策・ゲリラ的な機動戦で大軍を翻弄していきます。
    その官軍の中でも楠木正成は、もはや三国志における諸葛孔明レベルの戦術家です。
    幕府軍にも宇都宮公綱など良きライバルはいるものの、いくつもの戦で撤退が相次ぎます。

    楠木正成絡みではライトノベルを読んでいるような爽快感があり、読み継がれてきただけのことはあると思わされます。
    軍勢の規模はかなり盛っているようですし、史実はまるで違うのかもしれませんが、物語として幕府が滅びる流れが丁寧に積み上げられている感じがしました。
    解説では「教養書としての需要が、中・近世における広汎な『太平記』享受の一因だったろう」とありますが、そういう需要を抜きにして、結構面白いんですよね。

    なお、歴史的仮名遣いとはいえ、室町時代に書かれた和漢混交文なので、9割方は現代日本語の延長線上にあります。
    残りの1割にも丁寧な注があるので、現代語訳のない本ですが、意味がとれなくて困ることはないでしょう。
    平安時代に書かれた枕草子のようなガチガチの古文ではないので、学生時代に古文に苦しんだ人でも、歴史が好きなら親しめると思います。

  • 現代仮名遣いでさらに活字も大きいので意外と読みやすい。古文書を読むという形式でないのでスラスラ読め、さらに校注も多いので読むのに苦労はない。
     そして、巻の初めに概略が書いてあるので、それを読んでから本文をよむことで無理なく筋が頭に入る。

  • 中国古典を典拠とする表現・逸話がこれほど多く含まれてるとは思わなかった。 明治時代の人間ならずとも、楠正成の活躍に心躍り護良親王の冒険に感嘆する。赤松らはさほど活躍できてない印象。

  • めんどくさいのをはじめてしまった。註が同じページについているので結構ちゃんと読める。

  • 藤戸の故事を複数回引いており、中世人らしさが見える。また、朝廷方か幕府方かどちらにつくかが、一戦一戦変化していく様子は、普遍的な人間性に思える。われわれは、幕府が負けたという結論を知っているが、当時の人々は知らないわけで、歴史を論ずるとき、この基本的前提をふまえないとたいへんな失敗をする。

  •  

     
    (20141231)
     

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著者プロフィール

学習院大学文学部教授。研究分野○日本文学・芸能 著書等○『太平記〈よみ〉の可能性』(講談社学術文庫、二〇〇五年)、『琵琶法師』(岩波新書、二〇〇九年)、『平家物語の読み方』(ちくま学芸文庫、二〇一一年)など。

「2014年 『『太平記』をとらえる 第一巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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