曾根崎心中・冥途の飛脚 他五篇 (岩波文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (384ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003021118

感想・レビュー・書評

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  • 『曾根崎心中』は、近松世話浄瑠璃の初作。その後の24篇に及ぶこの分野の原型となっている。主人公の徳兵衛、お初は晩年の最高傑作『心中天網島』の治兵衛、小春の造形にほぼそのまま直結するし、心中へと収斂してゆく劇構成もそうだ。また「天満屋の段」における、お初⇔九兵次(横軸・虚構)、お初⇔徳兵衛(縦軸・真実)は実に見事な立体構造を成している。なお、現在の文楽では二人はあっけなくも美しく死んで行くが、原作では「断末魔の四苦八苦」と凄惨な苦しみの末に死ぬのである。けだし、近松は死を描くことで生の重みを逆照射したのだ。

  • 『曾根崎心中』を読んでみたくて買いました。

    非常に難しかったです。
    解説を読み読み辿っていくようなものです。

    相思い草が煙草のことだったり、簡潔にして技巧的な文章が、シェイクスピアを想起させて浮き浮きしてしまう一方、心中ものとして、死を決意した男女の口の端々に浮かぶ“死”のイメージがもの哀しいです。

    舞台は大阪。
    主人公の徳兵衛は手代、お初は遊女です。

    非常に読みにくいもので、あらすじを把握するのが難しいのですが、飛田などの大阪の刑場が登場したり、闇夜をちらちらと飛ぶ蛍が登場したり、美しいけれども悲壮感漂う物語。

    江戸期には心中事件が多くあったようですが、
    どうしてこうしたものが評判を博したのかなとも思います。

    人形のお初が足を投げ出すシーンが艶めかしく、
    是非とも文楽の舞台をみてみたいものだなぁと思いました

  • 金大生のための読書案内で展示していた図書です。
    テーマ :ドナルド・キーン先生からの贈り物
    選考教員:寒河江雅彦先生(人間社会学域-経済学類)
    展示時期:平成27年2月 2日~平成27年 5月19日 中央図書館で展示
         平成27年6月 3日~平成28年 1月 5日 医学図書館で展示
         平成28年1月13日~平成28年 5月18日 保健学類図書室で展示
         平成28年5月18日~平成28年10月11日 自然科学系図書館で展示

    ▼金沢大学附属図書館の所蔵情報
    http://www1.lib.kanazawa-u.ac.jp/recordID/catalog.bib/BN00235043

  • キャバクラのお姉さん(遊女)と相思相愛になったが結婚するほどお金がないので一緒に自殺するという話。

    ・元ネタの実話が大阪にあって噂話になってた
    ・それをたまたま近松門左衛門プロデューサーが「これアニメ化(浄瑠璃化)したらおもしろくね?」と思って脚本書いてみたら空前のヒットになった
    ・それは社会現象となり、江戸の世にリアル心中ブームを巻き起こし、幕府が禁止することになった

    「我とそなたは夫婦星」

    とか

    「恋の手本になりにけり」

    とか、ここぞというとこの語感がすごくて、この言い回しって→浄瑠璃→歌舞伎→時代劇→特撮やアニメの「見得」にも繋がっているように思えます。

    小説ばっかり読んでいると声に出した時の「語感」みたいの忘れがちなんですが、戯曲脚本は聞いた時の心地よさを前提に書かれているので発見でした。

  • 『ぼくらの頭脳の鍛え方』
    書斎の本棚から百冊(立花隆選)91
    日本文学
    日本語の持つパワーと美しさと日本人の情念世界を知るために。
    ※作品の指定はなし。私の判断でこちらを登録しました。

  • 『曾根崎心中』原作は、ストーリーを理解した上で、言葉のリズムを感じ取るのが正解だと思いました。
    なにより、頭の中で音読してみると、とても洗練された感じがして心地いい。
    最期は本当に心が千切れそうでした。

    死ぬ場所を求めて逃げ出す場面
    「顔を見合はせ『アゝうれし』と死にゝ行く身を喜びし。あはれさつらさあさましさ。跡に火打の石の火の 命の 末こそ 短けれ」

    死ぬ場所、曾根崎の森に着く場面
    「神や仏に掛置きし 現世の 願を 今こゝで。未来へ回向し後の世もなをしも一つ蓮ぞやと。爪操る数珠の百八に 涙の玉の 数添えて 尽きせぬ。哀れ尽きる道」

    最期の場面は、ぜひ、原作で。

  • 現代語訳無しで始めはよく分かりませんでしたが、文章のリズムが良く、一生懸命読んでる内に段々面白くなりました。

  • 近世とは、庶民が文学をたしなみそれを発展させた時代です。わけても「世話物」と言われる分野は当時の現代劇であり、純粋であかぬけない、素朴な感動があります。本来は上映される人形浄瑠璃の脚本であるだけに、リアルな表現がありありと目に浮かんできます。

  • 曽根崎心中だけ読む。原文でも思ってた以上にスラスラ理解できて面白い。
    「道行」の章以降の文章は本当に幻想的で美しいだけに、最後の最後、心中の場面の生々しい描写がショッキングだ。「断末魔の四苦八苦 あはれといふもあまりあり」の一文が実に悲惨に映る。それだけに、ラストの一文「恋の手本となりにけり」が救いになっているように感じた。ああ、浄瑠璃で見たい。

  • 著名な人形浄瑠璃の世話物。大阪の曽根崎にある露天神(お初天神)には記念の像もありましたね。
    短いストーリーですが、ともに生きていく事の儚さ、死んでいく事の切なさが心に静かに沁みこんできます。

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