父の終焉日記・おらが春 他一篇 (岩波文庫 黄 223-4)

著者 : 小林一茶 矢羽勝幸

• 岩波書店 (1992年1月16日発売)

感想・レビュー・書評

[kuninoriyamazakiさんの感想 · 2018年8月2日]

俳句をメインにして文章が構成されているが、写実的な文に詩歌を添えるという趣きが私の所望するところなので、地の文ばかり拾い読みして俳句のところは読み飛ばしてしまった。ところで、俳句は私が評価できる代物ではないが、地の文では、一茶がよそで聞き覚えた話を再構成して書いた文章はあまり力がない。しかし、一茶が直接体験した話は強烈なインパクトである。父の臨終にせよ、愛娘の病死にせよ、私までがその現実を受け入れることができないほど、当惑してしまった。日常は微々たる変化の連続だが、一茶の体験には日常を壊す力が内包されており、これを言葉にしている点で、文学の怖さの一つである。

[adlibさんの感想 · 2011年3月22日]

　
http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4003022343
──　小林 一茶／矢羽 勝幸・校注《父の終焉日記／おらが春（他1篇）19920116 岩波文庫》
　

[littlewoodさんの感想 · 2010年5月5日]

一茶の有名な歌集「おらが春」と、父親の臨終の様子と葬るまでを記した日記を収める。