南総里見八犬伝 1 (岩波文庫 黄 224-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003022412

作品紹介・あらすじ

馬琴(1767‐1848)が28年の歳月を費やし、心血を注いで創りあげた伝奇小説の巨篇。雄大・複雑な筋立て、リズム感あふれる文章、さらに有名な絵師の手に成る挿絵が興趣を添え、あやしい魅力をたたえて読者に迫る。第1、2輯を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 超久々にまんまの読本なんて手え出したわ…やっぱ読めねえな…(阿呆)
    しかし柳川重信の浮世絵の迫力はすげえ…生首ゴロゴロ…おお…

    それにしても伏姫をお嫁さんにしたいから、頑張って敵の大将の首食いちぎって持って帰ってくる八房(犬)はかわいい
    わざわざそのシーンをフォーカスして血みどろの生首くわえて帰ってきた八房の見開き挿絵描いたんだから、やっぱり柳川重信もド変態だったんだろうな…

  • 南総里見八犬伝を読むのは、小学生の時に子供むけに優しく書き直したダイジェスト版を読んで以来だと思います。だからほぼ50年ぶりか。古典としては比較的読みやすい部類に入るのではないでしょうか。江戸時代の文学だからかもしれませんが。意味がよくわからないところはどんどん飛ばして読んでも、話の流れは大体つかめます。当初、現代語訳版を読もうとしたが、やはり原文の持つ、この独特のリズム感は捨て難いものがあり、こちらを選びました。さっそく第2巻にチャレンジし、なんとしても完読するぞ!

  • 時に音読したりしながらコツコツと読んでいたのが、これ。
    小学生のころ、子ども向けとは言いながらも結構長くて難しいこの物語が大好きで大好きで。
    この年になってようやく大人向きのものに挑戦した次第。

    本を開くとまず解説。
    それから凡例、第一巻の分の話の筋、第一巻の分の主要人物一覧、序文、10回分の目録となっています。
    10回分で一輯。
    この本は二輯分を収録しています。

    いきなり物語ではないので、読んでいるうちに少しずつ思い出すこともありますが、大抵のことは忘れたまま。
    特に室町時代が舞台になっていますが、この時代背景がさっぱりわからない。

    結城合戦って何?
    室町時代なのに鎌倉方と戦うとはこれいかに?

    まあざっくり書くと、今の茨城県の結城辺りを治めていた武将が、室町幕府の鎌倉公方ともめて、結城氏と共に戦っていた里見氏の息子義実(よしさね)が命からがら海を渡って千葉に逃れてきます。
    安房の国では神余光弘というろくでもない城主が、これまたろくでもない山下定包(さだかね)という部下に殺され城を乗っ取られ、調子に乗った定包の悪政に人々は苦しめられていたところでしたが、里見義実がさくっと退治して、そのまま城主となりました。

    というところから物語が始まるのでありますが、きれいに忘れておりました。
    いや、最初から理解していなかったのかもしれません。

    大人になって読んでみると、義実、ものすごい理想主義者です。
    前例主義の理想主義者なものだから、「今がチャンスだ!」って時でも「いや、待て」と。「歴史はそれを良しとはしていない」と。
    こ、これは、三国志で言うところの劉備玄徳のようなお方。
    智将も武将も従えながら(義実は落ちのびてきた小僧だから2人しか従えてないけど)、敵にしてやられてばかりの劉備玄徳。
    「なぜだ!?」…坊やだからさ。

    かくて劉備義実は、死ななくてもいい部下を死に至らしめ、娘を犬にくれてやるはめになるのであります。

    当然妻はショックのあまり病に伏せり、いまや命は風前の灯というところでようやく義実、「そうだ、娘を連れ戻そう」と思うわけですな。
    しかしいろいろとタイミングを間違える男金碗(かなまり)孝徳、やっぱりタイミングを間違えて義実の娘伏姫を助けに来たはずが撃ち殺してしまいます。
    一度息を吹き返した伏姫は、「私は犬の子を孕んでなぞおりませぬ!」とばかりに腹を掻っ捌いてはかなくおなりになりました。ああ、男らしい。

    ここまでが第一輯。

    次はてっきり八犬伝と言えばこの方、犬塚信乃の出番かと思いきや、時代はいきなり遡って信乃のじいちゃんの時代にまで戻ってしまうのである。
    信乃爺こと大塚匠作、信乃父こと大塚番作親子は敵に囲まれもはやこれまで。と、覚悟を決めたところ、大塚匠作息子に言います。
    「殿より預かりしこの刀、逃げのびて生きながらえ、いつか必ずや殿の元へ届けよ」
    「いや、父さん、なら父さんも生きて下され」

    結局二手に分かれて生き延びた親子は、けれど亡き殿の御曹司二人がさらわれてしまったので、あとを追うわけです。
    まだ少年の御曹司二人は、従容と運命に従い首をはねられますが、そこで飛び出す大塚匠作。
    (なぜ生きているうちに飛びださなかったのかは不明)
    敵をバッタバッタとなぎ倒すも多勢に無勢。最後はやられて、首を落とされてしまいます。
    そこで飛び出す大塚番作。(またもや、なぜ生きているうちに飛びださなかったのか。全くさぁ)

    そしていろいろ時は過ぎ、大塚は犬塚と名を改め、番作亡きあと信乃は同じく八犬士の犬川荘助と出会うところで第二輯は終わり。

    “ともに番作が霊牌を拝しつつ、この日の事を告る折から、跫然(けうぜん)と足音して、外面(とのかた)より来るものありけり。この人は誰ぞ。看官(みるひと)三輯(さんしふ)嗣次(しじ)の日を等(まて)。さらに次の巻の端(はじめ)に解(とか)なん。”

    この引っぱりようったら、少年ジャンプですか!

    さて、明治の頃までは、読書というのは音読だったそうなのです。
    つまりこの本も、音読にたえる文章、文体であると、文庫最後の「『八犬伝』を読むために」に書いてありました。
    な~んだ、音読して気持ちいいのは当たり前だったのか。

    時間はかかったけれども、面白かった。楽しかった。
    ちょっとおちゃらけた紹介文になってしまったけれど、存分に楽しんだ証と思ってやってください。
    次回からは気をつけます。

    そうそう。
    ちはやふるを「千剣振」と書いてありました。
    古い言葉だけに、表記もいろいろなのかしら。

  • 八犬伝は現代語版や、漫画、ドラマなど、いろいろな形で愛される、ファンタジック・スペクタクル時代劇といった雰囲気の作品。

    私は8年ほど前に、たまたま正月ドラマで見て興味を持ち、どうせなら原文に近いものを読みたいと、これを手に取りました。もともと、古い文体が嫌いでないので、読みづらい部分は飛ばしつつ、どんどん読み進みました。五巻くらいまで一気に読んだところで集中力が切れ、続きを読まないままに現在に至ります。

    個人的には、前半(1~5巻)の仲間を探す旅道中が、各キャラクターが丁寧に描かれて、面白いです。ドラマとは違う部分が結構あったので、読んでよかったとも思いました。

    船虫という、命名もひどいですが、かなりの悪女が前半通して登場し、主人公たちを邪魔して、苦しめるのですが、「三銃士」のミレディという悪女に引けをとらない悪女っぷり、不死身っぷりで、いい味出してます。

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003022416
    ── 曲亭 馬琴《南総里見八犬伝( 1)1814-1842 19900716 岩波文庫》全106冊
    http://www.iwanami.co.jp/.BOOKS/20/5/2002700.html
     
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003022424
    ── 曲亭 馬琴《南総里見八犬伝( 2)1814-1842 19900716 岩波文庫》
     
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    ── 曲亭 馬琴《南総里見八犬伝( 3)1814-1842 19900716 岩波文庫》
     
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    ── 曲亭 馬琴《南総里見八犬伝( 4)1814-1842 19900716 岩波文庫》
     
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    ── 曲亭 馬琴《南総里見八犬伝( 5)1814-1842 19900716 岩波文庫》
     
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    ── 曲亭 馬琴《南総里見八犬伝( 6)1814-1842 19900716 岩波文庫》
     
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    ── 曲亭 馬琴《南総里見八犬伝( 7)1814-1842 19900716 岩波文庫》
     
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    ── 曲亭 馬琴《南総里見八犬伝( 8)1814-1842 19900716 岩波文庫》
     
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    ── 曲亭 馬琴《南総里見八犬伝( 9)1814-1842 19900716 岩波文庫》
     
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    ── 曲亭 馬琴《南総里見八犬伝(10)1814-1842 19900716 岩波文庫》
     
     曲亭 馬琴 作家 17670704 江戸 18481201 81 /明和 4.0609~嘉永 1.1106/籍=滝沢 興邦
     山東 京伝 作家 17610913 江戸 18161027 55 /宝暦11.0815~文化13.0907/籍=岩瀬 醒
     
    …… 天保の改革で、当時大人気だった為永春水の人情本が世を惑わせ、
    好色のものすらあるとして、遠山景元は版木の取り上げを命じ、燃やし
    た。これに危険を感じた曲亭馬琴は、世界で最も長いと言われている
    長編小説南総里見八犬伝を突如切り上げることにし、話を完結させた[1]。
    (Wikipedia)
     
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4121005953
    ── 高田 衛《八犬伝の世界 ~ 伝奇ロマンの復権 198001‥ 中公新書》
     
    (20140815)
     

  • 思ったより読みやすかったのはひとえにルビのおかげかと。
    古文やってて良かったなぁと思いました。

    お話も人情溢れるようでいて、ばっさばっさと生首が出てくる時代物。
    信乃さんが男性だったことに驚きました。

  • おもしろい。ですが、すごく読むのが難しいですね。原本を、より読みやすくしてあるんだけど、それでもすごく読みづらいです。初心者にはお勧めできませんね。いくつか読んだことがある方にはおすすめ。
    でも、それでもぜったいに読んだほうがいいという素晴らしい内容。

  • 関東、館山、関東地方、千葉などを舞台とした作品です。

  • 物語好きな僕としてはイチオシの本ですね。
    全10冊ですがまとめて読みましょう。

  • 小学校高学年の時に読んだシリーズ。
    当時好きだった某少女漫画の原作者が「この本を参考にした」と書いていたので、図書館で探したら・・・・

    何コレ、ふっるー。

    たぶん、社会の授業で習う前に読んだと思う。
    源氏物語もこんなシリーズで読んだから、そんなに抵抗はなかった。
    けど。
    かーなーり!斜め読みしました。が、この単行本シリーズで読破。
    とても同級生には薦められなかったけど(設定から超SF)、挿絵もあって楽しめました。
    近年漫画になっているものを立ち読みした時には、「もっと早くだしといてくれよ!」と思ったり・・・(苦笑)
    でもこれでよかったのかも。
    活字のみで想像する力、私はこの本で教えてもらいました。

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著者プロフィール

1767年生まれ。江戸時代後期の作家。1814年から28年をかけて全98巻、106冊の「南総里見八犬伝」を完結させた。1848年没。

「2016年 『南総里見八犬伝(三) 決戦のとき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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