東海道中膝栗毛 下 (岩波文庫 黄 227-2)

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  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003022726

感想・レビュー・書評

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  • 下巻の収録は、五編上(桑名から追分まで)五編下(追分から山田まで)五編追加(伊勢参宮)六編上(伊勢から伏見を経て京に入る)六編下(京見物)七編上下(京見物)八編上中(大阪見物)八編下(大阪出立)

    五編で早くもお伊勢さんに到着、しかし相変わらずお詣りする前から古市で女郎買いなど遊びほうけて、肝心のお伊勢参りの描写はほぼなし。その後は、京都、大阪見物が、そこまでの旅よりもじっくり描写される。全体で日数としては江戸を出発してから15日間の旅になるらしい。

    どこへ行っても、見栄っ張りから嘘をつき、それがバレて恥をかいたり、欲をかいてズルいことをしようとしたらしっぺ返しで結局損をしたり、喧嘩を売ってもだいたい負けるし、といった、弥次喜多よいとこなしのエピソードばかりなのだけれど、慌てん坊でせっかちな二人の憎めないキャラクターのおかげで、最後はいつも笑いに変えてしまうところがきっと庶民に受けたのでしょう。総じて、とても面白かったです。

    伊勢に到着以降、京都大阪のエピソードがやたらと続くのは、少年ジャンプの人気漫画の連載引き伸ばし的なノリだったのだろうか(笑)弥次喜多珍道中は、東海道のあとも、金比羅詣り編、木曽街道編など次々続編が書かれており、もはや江戸時代のドラゴンボール的な(笑)同じ頃の人気作・馬琴の八犬伝はシリアスな伝奇ファンタジー、弥次喜多はバディものドタバタコメディ、江戸時代の人気作ジャンルも現代と変わらずバラエティに富んでいたんですね。

  • 図書館で借りた。
    下巻は三重県桑名から大坂までの道のり。
    ひらがな・カタカナでもスラスラ読めないのが日本語の難しいところだ。でも、読んでいけば結構慣れてきた気がする。

    ひとまず目に通したという事実で、自分に及第点をあげたい。。。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/701865

  • 著者:十返舎一九(1765-1831、静岡市葵区、戯作者)
    校注:麻生磯次(1896-1979、山武市、日本文学)

  • 脚注が親切なおかげで楽しくよめた。電車中ニヤニヤして思わず笑ってしまうほど面白い。
    尿と野菜を交換する話や土瓶におしっこを入れてしまう話やらなんとも下ネタばかりであるが、最も面白かったのはハシゴの話。ハシゴを売りつけられハシゴを持ったまま宿屋に止まりなんとか話をこしらえていくくだりは笑いが止まらなかった。
    狂歌も楽しく読めた。
    見えを張って失敗ばかりするが笑ってすませる二人をみるとなんだか明るい気持ちになれた。
    江戸時代の空気や言葉遣いが分かるいい本です。読んでよかった。
    解説によるとこのあと続膝栗毛・続々膝栗毛と続くらしいがこれは岩波文庫にはない。

  • 笑いました。徹頭徹尾、滑稽もの。これが江戸時代のベストセラーねえ。
    ちょいちょいぶさかわいいって攻めの弥次さん、頭悪いきたさんに萌えます。頓着しなさすぎですごい笑

  • しりあがり寿の「ヤジ・キタ」シリーズを読み、2004.5.4に上巻のみ読了。今回、ジイド「コリドン」「一粒の麦もし死なずば」・ワイルド「獄中記」を読み、思い立ち、上下巻を通読した。
    2016.4.6-4.9(上)、2016.4.9-4.11(下)読了。
    脚注と首っ引きながら、本当に楽しく読んだ。
    「プルーストとイカ」を3月末に読んだ後だからか、「脳内のシナプスが今までにないつながり方をしているぞ」という快感を感じながら読む。
    とくに、ごま汁が言うように話の落ちにおかれた狂歌はどれも古典のもじりや、地口・洒落にあふれ秀逸。狂歌は矢次さん、北さんが詠んだようにはなっているが、当然詠み手は作者の一九というメタ。
    「もう何時だへ……きんのふの今時分じや」や「かげぼしともに六人」などという洒落。―日本語で読める幸せ。

  • 無事に東海道を歩けましたか?続いて、こちらも是非「踏破」なさってくださいね。日本橋で小粋な姐さんがあなたのお着きを待っている、と思ってくださいませ。

  • さあ、下巻ですが、無事にお伊勢参りを済ませたふたりは「せっかくだから」と京・大阪へと足を伸ばします。が、弥次喜多のゆくところ何も起きないわけがない。作者はお伊勢参りが済んだところでお終いにするつもりだった様ですが、このヒット作をすぐに終わらせる手はない、という版元の要求でここまで長旅になってしまったのだそうです。人気者は大変だ。

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