- 本 ・本 (400ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003100325
感想・レビュー・書評
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https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/701202詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
映画にもなった円朝の名作。酒乱の旗本深見新左衛門と、深見に殺された盲目の高利貸皆川宗悦の因果が次の世代まで連なっていく。宗悦の娘、園と豊志賀、深見の息子新五郎と新吉。立派に育った子供たちだが互いを親の仇敵とも知らずに出会うや否や金と色に溺れて狂い人を殺し殺され崩壊していく。怪談話に括られるが実際は因果因縁の話であり、幽霊が明確に出てくるシーンはない。それよりも円朝が真景とは神経病、現代は幽霊なんているはずなくてそれを見るのは神経がちとおかしいからと説明するように、人が変わったような狂い方、暗闇から急に虫が湧きだすような神経病的恐怖描写と鎌や匕首で喉を掻き切るときの血飛沫の描写は日本のホラー映画、小説、漫画表現の源流と思わせる。
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コワい。とっても。ものすごい、とはこのことだ。
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速記をもとにした長い長い戯曲。高座にかければ20時間ほどの長尺だろう。数世代にわたる因縁による連続殺人事件。ホラーやスリラーというよりサスペンスかピカレスクロマンに近いかな。登場人物は多いが何らかの縁によって結びついているため人間関係はそれほどややこしくない。やっぱこれは読むものではなく聴くものだろう。六代目三遊亭圓生の演じたものは音源があるから聴くことができる。蛇足だが、雲田はるこさんの昭和元禄落語心中の八雲は六代目圓生がモデルと思えてならない。
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連綿と続く因縁話の、なさそうでありそうな感じがすごい。最後の仇討ちは退屈という理由から、現代の落語家はほとんど取り上げないらしい。退屈とする考えもわかるが「これがなければ噺が完結しない」という原作者の考えにも共感できるのでカットされるのはちょっと惜しい気がする。
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<閲覧スタッフより>
「落語」とは?
江戸中期に始まった庶民的な話芸。人情ものや怪談ものなど、様々なカテゴリがあり、噺の最後に「落ち」と呼ばれる結末がつくため、「落語」と言われます。また、同じ噺でも噺家によって違ったりと、色々な楽しみ方があります。
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所在記号:文庫||779.1||サエ
資料番号:10180045
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人の世の因果、業
人情噺というより因果噺
三遊派の真骨頂
著者プロフィール
三遊亭円朝の作品





