みれん (岩波文庫 緑 6-3)

制作 : 森 鴎外 
  • 岩波書店 (1985年5月1日発売)
3.43
  • (1)
  • (1)
  • (5)
  • (0)
  • (0)
  • 本棚登録 :27
  • レビュー :4
  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003100639

みれん (岩波文庫 緑 6-3)の感想・レビュー・書評

並び替え:

表示形式:

表示件数:

  • 肺を患い余命一年を宣告された男と、彼の傍に付き添う女。近づく死への恐怖から、不安定な情緒の波の中でどんどん陰鬱に陥り、殆ど幼児的と云えるくらいに女に弱々しくなっていく――いじけたり猜疑心を抱いたり依存したりしていく男。当初は男と共に死のうとまで思い詰めていながら、死へと傾いていく男を前にして、次第に心境が変わっていく女。

    二人の心情が、すれ違いながら、移り変わっていく。初めは「あなたと一緒に死ぬ」と云った女に、「俺にそんなことさせる権利は無い」と云う男が、死に際になって「俺と一緒に死んでくれるって云ったよな」と心中を求めるも、女はそれに後ずさりしてしまう。

    文学的な「気取り」など無い、死に直面した人間のつまらない弱さ。トルストイ『イワン・イリイチの死』の如き、死を見つめることを通して人間存在の深奥を抉り出してくるような趣は、本作には無い。些か物足りない読後感と云えなくもないが、医師でもあったシュニッツラーだからこその人間診察といえるかもしれない。

    同じく医師でもあった鴎外による訳、翻訳物に特有のぎこちなさが殆ど感じられず、見事。

  • 「こゝへなら人の喜んでどなる聲なんぞは聞こえない。ここなら寂しくしてゐられるのだ。己達はこんな所にゐなくてはならないのだ」まあ、死を目前に恋人の女の存在にすがる男のなんと傲慢であわれなこと。ダメな男を自分に重ねてしまい、最後は奥さんにやさしくしよう、と思う。小島清二郎さんの解説のとおり、シュニッツラーをもっともっと読みたくなった。学校の図書室の鴎外全集に、小島さんが紹介している鴎外訳の殆どはあった。「アンドレアス・タアマイエルが遺書」の鴎外訳は青空文庫から、とりあえずKindle にダウンロード。

  • シュニッツラーの小説。医者から余命一年の宣告を受けたフェリックスと、彼の恋人マリイの心の動きを追う。心理小説。

    医者が出てくるが、医療に関する知識は必要なさそうである。鴎外の訳文は簡潔だった。

  • 森鴎外の翻訳だったので買ってしまいました。まだ三分の一くらいしか読んでいないですが…男女の古典的恋物語って感じです!

全4件中 1 - 4件を表示

みれん (岩波文庫 緑 6-3)のその他の作品

みれんの詳細を見る 文庫 みれん シュニッツラー

シュニッツラーの作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
マルクスアウレー...
J.L. ボルヘ...
M.バルガス=リ...
ヴァージニア ウ...
J.L. ボルヘ...
三島 由紀夫
有効な右矢印 無効な右矢印

みれん (岩波文庫 緑 6-3)はこんな本です

ツイートする