こころ (岩波文庫)

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レビュー : 161
  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003101117

感想・レビュー・書評

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  • 著者:夏目漱石(1867-1916、新宿区、小説家)

  • 外からの刺激は重要だよなぁ

  • タイミング悪く何かを言い逃しちゃって、その会話が続いてる間気まずい思いをすることってありますよね。
    それが自分の大切な人との間で一生続くという絶望。

  • 後期三部作の3作目。国語の教科書や入試試験で扱うことも多いこともあり知名度が高い作品です。
    内容は3部構成となっていて、最初が「私」が「先生」と出会い交流を深める“先生と私”、実家に帰省したが腎臓病の父が危篤となりなかなか東京に帰れなくなった中、先生から長い手紙が届く“両親と私”、そして本作のメインの話となる先生から届いた手紙の内容である“先生と遺書”で物語は締めくくられています。
    主人公は「私」ですが、後期三部作の前2作と同様、主役である「私」は狂言回しであり、実質は自責の念を綴った手紙を通して「先生」の過去を語った物語となっています。
    “先生と私”で、先生は何か過去に秘密を抱えているかのような言動をしており、その理由についてヒントのようなものが見え隠れします。
    そして、“先生と遺書”でその謎が説明されるような流れとなっています。
    “先生と私”で張られた伏線が“先生と遺書”で解消されるような形になっていて、謎解き小説を読んでいるような面白さを感じました。
    読了後、再読するとまた別の感想を持つと思います。

    有名作ですが、後期三部作に名を連ねている通り、テーマは人間のエゴイズムとなっています。
    エゴイズムとは何かと言うと、他者の不利益を構わずに自己の利益を優先させることで、本作はまさにエゴイズムの果て、感情の暴走から生まれた悲劇を謳ったものとなっており、暗く悲しい内容となっています。
    登場人物は少なく非常に読みやすい作品で、有名作ということで高校生でも手に取りやすい作品ですが、胸を打つほど辛い先生の独白は大人になって再読することでようやく理解できる部分があると思います。
    もし、学生時分に本作を読んだならば、年月が経ってからもう一度繙くことをおすすめします。

    内容は結構エグいです。
    嫉妬と焦燥の応酬でぐちゃぐちゃになった先生の感情、そんな先生の感情を知らず、想いの伴った交友を続けてしまう親友とお嬢さんへの愛憎が克明に描かれています。
    その果に利己的な行動をしてしまった先生の言いしれぬ後悔の様が悲しく、恋愛をテーマにしたストーリーは現代もいくらでもありますが、恋愛としては成就しているというのに、ここまで悲しいストーリーはないと思います。
    物語のスタート時点でそれらは経過後であることも加えて胸を打つものがありました。
    また、個人的には、影が見え隠れしいる先生に惹かれる「私」の形容しがたい感覚もまた本作の見所と感じます。
    本作は先生の遺書の内容で終わっていますが、先生の元へ戻り付いて、誰にも打ち明けられない先生の吐露を胸にしまった私が先生と対峙したとき、どういう感情が呼び起こされるのか、その後の物語が読んでみたい気がします。

  • 型にはまった悪人はいない。普段は善人だがいざという時に悪人に変わる。

    嫉妬や焦りといった身近にある感情からとっさに起こした行動が、とんでもなく人を傷付けることになる。人間のどうしようもない部分を見せつけられた。
    どの行動もどれも人間らしくて目が離せない。

    ただ、「K」がどんな感情で自殺したのか分からない。
    先生の裏切りに対する憎しみや絶望といった感情ではない気がする。
    もう一度、しっかり読んでみたい。

  • (読んだ人が帯に書いたコメントより)
    ●あっ!
    ●この本は教科書を読む前に読んでおきましょう。
    ●やはり奥が深い。Kというやつは。
    ●KはなんでK?

  • 15年ぶり3度目くらい。
    漱石の中ではさして面白くないと改めて思う。代表作とされてるのは、単に、後期漱石としては圧倒的にシンプルで、読みやすい、教材として使いやすい、というだけなんじゃないだろうか。
    第3部の先生の遺書なんて、だらだら長くて辛気臭くてけっこうつらいもの。(漱石にしては面白くない、というだけで、十分に面白いのは間違いないのだけど)
    名作だ古典だとこれから入ってしまい、漱石嫌いになる人も多そう。もしそうなら読み手も漱石も作品もかわいそうだと思う。漱石はもっと面白いんだよ。

  • 時間さえあるのなら、また読みふけりたい。明治時代だからこその人間関係、構成される人格、時代背景は現代人からすると不可解で単純ではない。
    私から始まり先生と御嬢さん友人Kそれぞれの目線に立ったとき、きっと物語の最後と同じ顛末になるのではないか?それが明治が作った皮肉で純白で無知で恐れいる内容だと思う。
    夏目漱石は生に執着があり時代背景を変えたかった、もしくは変わる時代を眼にのこしたかったのではないか?明治に抗っているようにもみえた作品だった。

  • ふと教科書にのっていたところを思い出し
    なぜKの自殺部分を載せたのかを疑問に思って
    読み直しました。

    改めて読むと先生もKも小難しい
    明治時代の男性はこんな感じだったのか
    それともやはり当時でも小難しい登場人物だったのか

    名作は名作
    高校時代とは違った目線で楽しめました。

  • あまりにも有名な、漱石の名作です。
    「私」「先生」『友人K」と、登場人物名が匿名化されているためか、ある人物の心の動きに自分と通じるものを発見することがありました。
    また、「先生」の過去は明らかになるものの、物語のその後には様々な想像の余地が残されています。これも、作品をより奥深く魅力的なものにしていると思いました。

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著者プロフィール

夏目漱石(なつめ そうせき)
1867年2月9日 - 1916年12月9日
江戸・牛込馬場下(新宿区)生まれの小説家、評論家。本名は「夏目金之助」(なつめ きんのすけ)。1890年、帝国大学文科大学英文科に入学。1895~96年には『坊っちゃん』の舞台となった松山中学校で教鞭を執る。1900年、イギリスに留学。1905年、『吾輩は猫である』を俳句雑誌「ホトトギス」に連載し始め、作家活動を本格的に開始。1907年、朝日新聞社に入社。以降、朝日新聞紙上に『三四郎』『それから』『こころ』などの代表作を連載。日本の文学史に多大な影響を与えており、作品は多くの人に親しまれている。学校教科書でも多数作品が採用されている。

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