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Amazon.co.jp ・本 (624ページ) / ISBN・EAN: 9784003101148
みんなの感想まとめ
日常の中に潜む人間関係の微妙な変化を描いた作品で、主人公の津田と妻のお延を中心に、彼らの日常生活が繊細に表現されています。未完の作品であるものの、登場人物たちの心の葛藤や思惑が巧みに描かれ、特に女性の...
感想・レビュー・書評
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未完だと知ってはいたけど、ここで終わるんだ!と、黄色いレンガの道が途切れてしまってポツンと取り残されるドロシー(そんなシーンあったかどうか覚えてないが)みたいに呆然としてしまった。それはとりもなおさず、ここまでの道のりがとても面白かったからで、主に津田とおのぶという主人公夫婦がひたすらごねごねと心中を吐露するかたちで、二人と彼らを取り巻く人物たちの一日一日の様子が語られていくだけなのだが、こういうの好きである。
細かくいろんなところで思うところはあったが、妹の見舞いの顛末のところで、「このひとめんどくさい!」とそこまででいちばん心が跳ね、そしたらその直後に夫婦関係にも微妙な変化が訪れたのがまたおもしろかった。
まあしかし、男は女よりも、年長者は年少者よりも、金持ちは貧乏よりも、上であるという前提を、疑いようもなく自明と思って振る舞っている人とそうでもない人とがいて、津田はとりあえず前者なのだろう。でも上にいたい人は下にいてくれる人がいないと上になれないわけで、どっちがどうだかわからない。
それから、夫婦こそが理想の愛の形ということではまったくないが、世帯というチームになることで生まれる何かはあるっちゃあるのだなとわかる。それが美しいもの、善いものとはかぎらないが。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
主人公の津田と妻のお延の日常の生活を描いた作品、ただの生活描写ではなく、人間模様に焦点が当てられています。主人公の忘れられない元彼女に思い切って会いに行くのだが・・・。というお話。
学生の頃に途中で読むのをやめた本です。未完で終わっている作品ですが、当時の自分も未完でした。今になって読み返すと、なかなか面白い作品で、どんどん夏目漱石の世界に浸っていってしまいました。年齢を重ね時間を無駄に過ぎた分、微妙な関係の津田夫婦、また微妙な関係の津田と小林、そして最後に気になる清子との距離感が絶妙すぎです。特に女性の心の内、津田の心の内を詳細に描写しているため登場人物の心の変化が非常に面白いです。
また、女性の心の描写から当時の日本の慣習や家族の在り方、家族の中でのそれぞれの立ち位置などが読み取れます。そのため、津田の心だけでなく、女性陣の心の「明暗」がねちっこく感じるところもあり、かわいくみえるところもありで飽きさせないところが作品の面白さの一つと思いました。 -
あまり起伏のない日常を描いた話のように思いきや、読み進めていくと登場人物それぞれ思惑が働きすぎて怖いものだなと思えてきた。その名で小林だけ異質、皆に下に見られつつも、彼だけは妙に物事を俯瞰して見ているというか…
清子との関係もどうなるか気になるけど、そんな思惑がどう落ち着くのか見たかったのに未完の寂しさ。でも、絶妙な切れ間のところで終わっているので、これはこれでいいのかも。結構考える要素の多い本なので、再読しなきゃだなあ。 -
津田の入院中に起こる事件や疑念の数々は読んでいてどきどきした。変に浮世離れしたことでなかっただけに余計どきどきした。
それが温泉宿に行ってお延から離れてしまい、世界がガラッと変ると妙な物足りなさを感じ、それがまた未完で終ったために、清子の人となりも充分に読み取れないまま終了。致し方ないとは言え欲求不満に近いものが残った。
最後の大江健三郎の解説は正直なにが言いたいのかわからなかった。漱石の研究者でもなし、作品が未完である以上『明暗』の終結を知っているわけでもなし、説得力が元々乏しいところに来て、何かよくわからない分析のし方で、読んでいると小説の余韻が打ち壊される気がしてとばした。
また、註釈も余計なのが多かった。それこそ解説で書けよと思うものが沢山。今の時代から推測の難しい時代背景とか文化風習とかそういうものにとどめておけば好いものを、自分の研究ノートみたいなスタンスで書かれた日には、自分の理解で物語読もうと思う読者の邪魔にしかならない。 -
カテゴリ:図書館企画展示
2020年度第3回図書館企画展示
「大学生に読んでほしい本」 第2弾!
本学教員から本学学生の皆さんに「ぜひ学生時代に読んでほしい!」という図書の推薦に係る展示です。
川津誠教授(日本語日本文学科)からのおすすめ図書を展示しています。
展示中の図書は借りることができますので、どうぞお早めにご来館ください。 -
夏目漱石 「明暗」
三角関係を中心に複雑に交錯する人間関係から 自意識を描いた心理小説?
全体の雰囲気は「行きどまりの先にまだ奥がある」という正体不明の不安や陰気さに包まれている。
自意識の強い人物と社会規範的な人物を対称的に描いているが、外から見た自分と 内から見た自分の二重構造を意図しているのでは?
絶筆未完。社会に背立し、物質的不安を抱える津田夫妻、小林、清子がどう変化するのかが読みたかった
津田妻「自分の過失に対しては、自分が苦しみさえすればそれで沢山」
小林「僕には細君がないばかりじゃないんです。何もないんです。親も友達もないんです。つまり世の中がないんです〜人間がないとも言われる」 -
夏目漱石の最後の作品にして、執筆途中で作者病没のため未完で終わった長編作品。
188回、手元にある岩波文庫で「吾輩は猫である」を越える581ページありますが、最期の作品ということで文章もかなり熟れていて読みやすく、読み始めるまでは決心が入りましたが、読み始めると意外に早く読み終わりました。
作中の文章のうち会話文が多くを占めていて、かつ本作中のキャラクターは曲者だらけなので、会話内容は苛烈なものが多く、登場人物による謀り、誤魔化しも多いため読み始めると区切りまで読まないと気が収まらないような内容になっているためかと思いました。
また、一つの会話が終わると続いて次の役者が登場するような構成になっていて、気がついたら時間を忘れてどんどん読み進めてしまうような作品だと思いました。
絶筆ですが、ほとんどクライマックスまで書かれていて、今行っている対話が終わったら、次が最終章ではなかろうかという雰囲気がしているのですが、そんな半ばでぷっつりと作品として終了しているのが非常に残念です。
明暗の続編は粂川光樹や水村美苗といった作家さんが執筆されているそうなので、そのうち、是非読んでみたいと思います。
主人公の「津田由雄」とその妻「お延」の夫婦関係を中心とした物語です。
津田は痔疾を患っていて、治療のために入院が必要となり金策に工面する必要が出るところでストーリーが始まります。
津田には実はかつて「清子」という恋人がいて、今は別れ彼女も人妻なのですがこれをお延に隠していて、それがあって二人の関係はギクシャクしています。
本作は「自己本位」と「則天去私」の境地を描こうとした作品と言われていて、これらは相反する言葉に見えて根幹はつながっており、お延という優秀な妻を持ちながら清子に会いに行ってしまう津田を通してそれを描くつもりだったのかなと思いました。
エゴイズムは夏目漱石の後期三部作を通して描いてきたテーマですが、本作ではそれをさらに昇華させて、己の行動は天に則した結果であり、それに抗うことは自己を否定するということになる、そういった内容を本作で書きたかったのかは確かめるすべはないのですが、そういったことを伝えたかったのかもしれないと思いました。
読みやすい作品なのですが登場人物が多く、名前が岡本とか藤井とか小林とか没個性のため、序盤は誰が誰だかわからずに苦労します。
また、彼らが結構相互に関係していて読んでいてわけが分からなくなりがちなので、相関図をしっかり把握しながら読み進める必要があると思います。
吉川は津田の上司なのですが、津田の父と交友があり、また、お延の育ての親の岡本とも繋がりがあります。
また、吉川の妻は津田に清子を紹介しており、津田と仲がよく、津田の妹のお秀と裏で繋がっている。
清子のことはお延には隠していて、そのため津田はお延に吉川夫人と会話した内容も大部分を隠す必要があり、お秀はそんな2人の夫婦関係を非難している。
その他、いろいろなポジションの人物が登場しますが、彼らの相互関係も気にしながら読み進めないと後で誰が誰だかわからなくなるので注意が必要です。
私的には、結局の所、夫婦の間で終わってしまったことをコソコソし続けている津田が悪いのだと思いますが、いかんせんこれからというところで漱石先生が逝去され、もし最後まで書ききっていればどういう終わりになっていたのでしょうか。
漱石先生の最終作に相応しい秀作ですが、やっぱり最後まで読んでみたかったと思います。 -
著者:夏目漱石(1867-1916、新宿区、小説家)
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最長にして未完の絶筆。これはとてつもなく強烈。登場人物それぞれがそれぞれに感情移入できない不愉快さだし、そんな彼らの展開する会話劇がまたぐいぐいひりひり気分悪い。中途半端なところで終わっているものの、それがどうしたというくらいすごく面白い。それに比べて、いかに「こころ」が生ぬるいことか。最後の最後でこんなのを書いてしまうのだから漱石はすごい。
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なぜこんなに漠然とした感想しか持てないんだ?
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夏目漱石未完の遺作。
津田とその妻お延を中心に展開される物語。登場人物それぞれの心理描写が本当に素晴らしい。夫婦間の心理戦とも言える裏のかき合いや、親戚たちや小林というダーティーな友人との心理戦などは、読んでいてハラハラドキドキして物語にどっぷり引き込まれる。さらに、津田が結婚する前に思いを寄せていた清子が登場し、いよいよ佳境!ってところで物語が終わっている。気になって仕方がない!
個人的にはお延に幸せになってほしい。解説で大江健三郎が書いていたみたいに最後には津田とお延が顔を見合わせて微笑してほしいと願う。 -
死ぬな漱石。続編の「続明暗」は買ったが死んでいる。
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夏目漱石未完の遺作。有名な本を今更読むと言うのが恥ずかしながら一度はやはり読んでおきたく。第一印象から文章や言葉選びが綺麗で、日常の言葉なのにあまりにクリアに伝わってくるのでどきっとしたりする事がしばしば。さすがでした。他の名著でもしばしば、読みながら何をぐだぐだしているんだろうこの本有名だけど面白いかなぁどうかなぁとか思いながら読み進めて行くのだけれど、後から思い返せばとても深遠で壮大で何日も、ずっと思い返してたりする。本の1つだった。未完なので結末ばかり気にされるけれど、良い物は個々の要素がどの全体とも綺麗に呼応する様に出来ているので、どこで切っても関係ないと思うんだよね。と言うのも良く言われる話ですが
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湯河原、松山などを舞台とした作品です。
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漱石の美しい文体で語られるも、内容はメロドラマ的(笑)
前半で張られたたくさんの伏線を引っ張ったまま、終盤に突入したところで未完に終わっているのがまたなんとも想像力を掻き立てられます。 -
漱石先生、どろどろしすぎですぞなもし。途中で終わったのがよかったような。このまま続いていたらたぶん死人がでたでしょう。
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