夢十夜 他二篇 (岩波文庫)

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レビュー : 184
  • Amazon.co.jp ・本 (187ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003101193

感想・レビュー・書評

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  • こんな夢を見た・・・というフレーズで始まる不思議な話し。全体的にホラー要素が強かったように思える。夢というのはあいまいで、だからこそ面白く。その無軌道な進行が物語に奥行きを持たせ、さらに不思議な迷宮の中をさ迷うような感覚を再現するのだ。特に、3夜の子供を背負う父親の話しが好みだった。後半、いきなり百年前に盲人を殺した話しになるのが怖い。7夜の行先不明の船旅行の話しは、明治時代の人たちの時代背景をよく表していると思った。

  • 夢十夜:1908年(明治41年)。
    こんな夢を見た、で始まるシュールで幻想的な十の物語。ソウセキなんて難しいと思っていたけど、こういうのは好きかも…と、学生時代に思った。

  • 夏目漱石の短編集。なんというかファンタジーチックな感じです。
    全てではないですが「こんな夢をみた」から始まるところも幻想的な導入っぽい感じです。

    久々に文学に触れたいけど、でもそこまで暗くもなりたくない場合、この夢十夜は最適かもしれません(笑)
    とは言いつつも、やはり昔の文豪ですので、そこまで明るい話ではありませんが。

    私のイメージですと夏目漱石は他の文豪と比べそこまでフワフワしているイメージはないのですが(これは昔の文豪に大変失礼な物言いなのですが、個人的な感想なのでご容赦を)、いい意味でこれは夏目漱石を裏切ってくれる作品だと思います。

    何度読んでもそこまで暗くはなりません(でもある程度は暗くなる。)

    虫食い感想としては・・・
    第一夜は純愛と思うべきか、こえーと思うべきか悩む。
    第七夜は無常というか人間の身勝手さを感じる。
    第十夜はそらみたことか!と思える。(苦笑)

    Wikiに要約がのっています(笑)
    <http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A2%E5%8D%81%E5%A4%9C>

  • 夢十夜はお気に入り。
    初めて読んだ時はなんかもう殴られたような衝撃が…
    夏目漱石の作品の中で一番好き。

  • 「こんな夢を見たんだ」と話を切り出すことがある長男から借りた「小品」と呼ばれる短編集。気軽に読めるが内容は濃く、漱石の人となりを感じる。『夢十夜』はちょっと不気味。特に「第七夜」はホントの夢に出てきそう。一転、『文鳥』は微笑ましく展開するが、最後はちょと複雑。『永日小品』はブログ的なのりで漱石を味わえる。長男の“切り出し”は『夢十夜』の影響なのかな。

  • こんな夢を見た。

    そこから始まる夢のお話を10話。

    夢のお話なので摩訶不思議。ここに何か意味やメッセージがあるのか、よくわからない世界です。

  • なんとも不思議な世界観の見せてくれる作品。短編だが味わい深い。持っていた漱石の印象とは少し異なる。

    後半の2作は、作者の日常を描いている。文鳥に対しては、
    飼ったからには面倒を見てほしいと思った。死なせたのは下女のせいにせずに。この作品によらず、所々少し冷酷な点が垣間見えるが、それがまたリアルなのかもしれない。

  • 正統派ブンガク
    かかった時間は…こまぎれに読んだのでわからない

    「夢十夜」「文鳥」「永日小品」が収録されている。まあ購入したのは「夢十夜」でも読んでみるかな、と思ったからだが、「永日小品」がものすごくよかった。

    思えば私にとっての夏目漱石は「吾輩は猫である」が始まりだった。小学生の自分にとってさえ、作品全体に流れる、なんとなく対象と距離をおく視点や、逆に対象に没頭する視点、そして日常や光景の切り取り方にユーモアのようなものを感じ取ったことを覚えている。

    「永日小品」はまさに、その「吾輩」の面白さと相通ずるものであると思う。それぞれの断片が、どこかもの悲しく、というか皮肉めいて描かれながら、そういうもの悲しさや皮肉めいた現実への愛というか、そこから面白さや美しさを同時に切り取るスタンスというか。

    今更ながら、名作に出会ったと思う。これは折に触れて再読したい。

  • 夢十夜も永日小品もいろんな話があって、解説を細かく調べたくなる話もいくつかあった。
    どんどんのめりこんでしまった。

  • 夢十夜、読んだことないと思っていたが、第一夜に覚えがある。これは、多分、学生時代に教科書で出会った気がする。

    第一夜が一番好き。美しい。亡くなる女性の願いは、真珠貝で墓を掘り、星の欠片で墓標を作ること。そして、さらに控え目に申し出たのが百年待ってほしい。そして、墓の傍で待つ男の下に、ゆりが花を手向けてきた。そして気づく。百年目だということに。
    この日本文学の繊細さ、美しさ。
    百年待ってほしいというのをためらう女性の奥ゆかしさ。
    どこに忘れ去ってしまったのでしょうか。

    解説本は多くあって、例えば、ゆりが何を象徴しているのかなどネットでも議論されているけど、ただ純粋に言葉や情景の美しさを楽しむだけではだめなのかと最近思ってきた。

    後は第七夜が好き。
    行方も、いつ接岸するのかも分からない船にいるより、死ぬことを選ぶ主人公。その瞬間、命がある方がよかったと悟る。深い。。。

    実際の夢を文字に起こしたのか、夢と言う設定の物語を創作したのか分からないが、うまい。これだけの短いページでどれも起承転結で綺麗に完結している。

    そして、どの主人公も結構孤独やら寂寥感がある。解説にあるように、「荒涼たる孤独に生きた漱石」を感じる。

    文鳥については、引用した個所が漱石の繊細さを現していて好ましい。

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著者プロフィール

夏目漱石(なつめ そうせき)
1867年2月9日 - 1916年12月9日
江戸・牛込馬場下(新宿区)生まれの小説家、評論家。本名は「夏目金之助」(なつめ きんのすけ)。1890年、帝国大学文科大学英文科に入学。1895~96年には『坊っちゃん』の舞台となった松山中学校で教鞭を執る。1900年、イギリスに留学。1905年、『吾輩は猫である』を俳句雑誌「ホトトギス」に連載し始め、作家活動を本格的に開始。1907年、朝日新聞社に入社。以降、朝日新聞紙上に『三四郎』『それから』『こころ』などの代表作を連載。日本の文学史に多大な影響を与えており、作品は多くの人に親しまれている。学校教科書でも多数作品が採用されている。

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