子規句集 (岩波文庫)

著者 : 正岡子規
制作 : 高浜 虚子 
  • 岩波書店 (1993年4月1日発売)
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  • レビュー :7
  • Amazon.co.jp ・本 (345ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003101315

子規句集 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  •  正岡子規の俳句。一年か二年かかけてトイレで読んでいた。夏に冬の句を読んでいることがあった。冬に夏の句を読んでいることがあった。声に出したり、出さなかったりした。万葉集を肯定とか、与謝蕪村の発掘とか、写実とか、力強さをもとめたわりに非常に病に苦しんだとか、それくらいしかわからなかった。慶応3年という、漱石、外骨、熊楠と同じ年に生まれた。
     冬に読んでいた句が、そのまま冬に読まれることもあった。夏に読んでいた句が、そのまま夏に読まれることもあった。何年もトイレの本棚にあったので、本のカバーがトイレの水でヨレヨレになっていた。誰かが手をあらって、落ちた水滴のせいか。汚い本になった。中の紙もゴワゴワになった。もし古本屋に売っても、アマゾンではさばけない。どこにもいけない本になった。

    冬 明治25年 26歳の時。

      君が代は大つごもりの月夜哉

      猫老て鼠もとらず置火燵

      君味噌くれ我豆やらん冬ごもり


     この年、陸羯南の新聞「日本」に入社。陸は子規の世話をした恩人。そして陸は誰よりもナショナリストだった。しばらくたって、日本がアメリカの植民地になっているとは、陸は夢にも思わないだろう。切なすぎる。

    明治28年 29歳。
    (子をまうけてすぐに失ひたる人につかはす)

      月ならば二日の月とあきらめよ


     正岡子規、『俳諧大要』を新聞「日本」に連載はじめる。日清戦争従軍中に発病して、松山で滞在しながら書いた、俳句マニュアルだ。俳句を啓蒙した。新しいスタイル。それは、目の前にあることをしっかりとらえて、ゆるがない。その通りである。その通りであるという突抜がある。それこそが真理だと、句から伝わってくる。


    明治35年 36歳。
    陸前石巻より大鯛三枚氷につめて贈りこしければ

      三尺の鯛生きてあり夏氷


     5月に新聞「日本」紙上に、『病牀六尺』の連載を始めた。この年の9月に子規は死去する。若く死んだから、なのか。彼がもし、長生きだったのならば、つまり80年生きたのならば、ちょうど、原爆を落とされて占領されるのを見ながら亡くなることとなる。子規はどんな句をつくっただろう。東日本の地震のころまでは生きられないだろうけれど。子規の句の中では、この夏氷の作が、一番だと思った。

  • ★氷解けて水の流るる音すなり

    ★筆禿びて返り咲くべき花もなし

    土一塊牡丹生けたる其下に

    首あげて折々見るや庭の萩

    ★春の夜や屏風の陰に物の息

    ★春雨のわれまぼろしに近き身ぞ

    梅雨晴れやところどころに蟻の道

    青々と障子にうつるばせおかな

    ★添竹も折れて地にふす瓜の花

    ★白妙のきらきらとする暑さかな

    冬枯に中に家居や村ひとつ

    ★胡蝶飛び風吹き胡蝶又来る

    あたたかな雨が降るなり枯葎

    鶯や山をいづれば誕生寺

    山々は萌黄浅黄やほととぎす

    夕日負ふ六部背高き枯野哉

    木枯やあら緒くひこむ菅の傘

    水鳥のすこしひろがる日なみ哉

    ★落花樹にかへれど人の行へ哉

    きさりんと体のしまりや秋の立つ

    梅雨晴れやところどころに蟻の道

  • 正岡子規は35年という短い生涯の間に多彩な文学 活動をおこなったが、その文学は俳句にはじま り、最後まで片時も俳句から離れることはなかっ た。『ホトトギス』を主宰、蕪村を再発見した近 代俳句の先駆者子規の秀句2306句を選び、その 俳句世界をあますところなくつたえる。改版にあ たり、新たに初句索引を付す。

  • 勉強のための読書。あとでゆっくり味わいます。

  • 写実的でわかりやすい。

  • 子規の俳句は読んだ時分に情景が頭の中に浮かんでくる。美しい。

  • 句作のお手本。

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