病牀六尺 (岩波文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 352
レビュー : 39
  • Amazon.co.jp ・本 (193ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003101322

作品紹介・あらすじ

『墨汁一滴』に続き、新聞『日本』に連載(明35.5.5‐9.17)し、死の2日前まで書き続けた随筆集。不治の病にたおれた「病牀六尺」の世界で、果物や草花の写生を楽しむ一方、シッポク談議、子どもの教育論と話題は多岐にわたる。旺盛な好奇心が尽きることのない子規(1867‐1902)の姿には目をみはらされるばかりだ。

感想・レビュー・書評

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  • ここで子規は、自分の好きな絵は「略画中」の「略画」と言ってるハズなのに、子規の画は漱石曰く「文章は巧みな彼なのに、画と言うと何時間もかけて書いた塗沫主義な拙い画である」というのが、なんかすごく好きです。

  • 死を目前にして、生命の輝くのが読み取れます。

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    病床六尺、これが我世界である。しかもこの六尺の病床が余には広過ぎるのである。僅わずかに手を延ばして畳に触れる事はあるが、蒲団ふとんの外へまで足を延ばして体をくつろぐ事も出来ない。甚はなはだしい時は極端の苦痛に苦しめられて五分も一寸も体の動けない事がある。
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    という、あまりにも小さな空間と苦痛に満ちた肉体に閉じ込められ、それでも好奇心は世界中へ広がり、思いははるかに漂い、庭の草花をも愛で時に筆をとる。
    なんというせつない魂かと胸をしめつけられる一方で、その魂の自由な羽ばたきに希望のようなものをも感じる。
    といったら馬鹿にするなとお怒りの向きもあるかもしれません。

    でも私自身の身にも覚えのあることだから、他人事に勝手な空想をしているのではないのです。

    結核という、当時社会全体から忌まれた伝染病に冒されながら、母親や妹、漱石や虚子など友人たちの献身がとても印象的です。

    ところでなんということのない四方山話のひとつ。
    甲州の小村で、結婚したい相手の家族が了承しない場合に仲間同士でかどわかしてしまう、というエピソードにキルギスの誘拐婚を思い出しました。
    どこでも、文化や人権意識の未熟な社会では起こる(起こっていた)ことなのだな…。

  • 2015年4月7日読了。
    書くことへの執着よ!!
    冒頭はまさしく名文。

  • そんなにも苦痛なのに休まず精力的に文章を書き続けている。
    六尺の空間から世界とつながり続けていたのだと思う。

  • 子規の好奇心に驚く。

  • 『墨汁一滴』に続き、子規の死の2日前まで新聞連載された随筆全126回。

    それぞれの内容は、自身の病状、それに伴う煩悶、その日食べた物や贈られた物について、病人を看護する者への提言、美術論、俳句論、政治経済教育等々多岐に渡っており、読み物として非常に面白い。

    通読して最も印象的だったのは、第1回から絶筆に至るまでの臨場感の凄まじさ。
    子規が病床で感じた事・考えた事が掲載される→それに対して読者が子規に手紙を出す→それを読んだ子規が紙上で返答する、という、云わばコールアンドレスポンスが何度か行われており、その度に届いた手紙を読み聞かせられた子規が顔をほころばせたり癇癪を起こしたりする様子が脳裏に浮かぶようであった。
    そうして「声が届く場所に居る人」の思いに耳を傾けている所に、病状の悪化が報告される。絶叫号泣するほどの苦痛が打ち明けられる。堪らない。
    長文が掲載されている時は比較的調子が良いのだろうと思っていたが、日によって数行の時もある。短文の日が続く。口を利くのも辛いのだろうか、次はどんな記事が来るのか。
    100年以上前の連載だという事を忘れて、まるでリアルタイムの読者のように、筆者の一言一句を待ち望んでしまった。

    第100回で明かされた、「300枚の状袋」のエピソードも胸が詰まる。

  • 三越前タロー書房、¥525.

  • やや淡々としているが、そこに正岡子規の心を見出していくのが面白い

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