子規歌集 (岩波文庫)

著者 :
制作 : 土屋 文明 
  • 岩波書店
4.08
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本棚登録 : 87
レビュー : 12
  • Amazon.co.jp ・本 (140ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003101339

作品紹介・あらすじ

くれなゐの二尺伸びたる薔薇の芽の針やはらかに春雨のふる-俳句革新運動における写生論を短歌に適用して、明治短歌革新の急先鋒に立った子規(1867‐1902)の歌風は、多様な題材を自由に歌い、子規文学の頂点の一つをなす。全歌集『竹乃里歌』より短歌840首、旋頭歌6首を厳選した子規歌集の決定版。初句索引を付す。

感想・レビュー・書評

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  • 子規のこと心から敬愛してるんだけど、実のところ写生がよく分からない。私は彼の短歌のうちでも写生らしくない歌、それも「足たたば」と「われは」の連作がすげえ好きなのだ。もはや子規の短歌が好きと言っていいのかどうかも分からないが、これらの歌からは病中の子規の率直で衒いのないところがひしひしと感じられて、読んでるともう、のぼさーーーん!ってなる。

    たとえば『足たたば北インヂアのヒマラヤのエヴェレストなる雪くはましを』という歌、重い病気になったときせめてもう一度だけでも故郷の野山の土を踏みたいとかならよくある話、元気なときにできていたことをまたできたらっていう望みはわかる、でも子規居士エヴェレスト登ったことないだろう、そもそも他の健康な日本人たちだってエヴェレストなんて一生目にしないまま死ぬんだよ、それをまあさらっと世界最高峰に到達してあまつさえそこに積もる雪を食ってみたいなどと嘯く、まったくぶっとんだ人間だ、見上げたもんだ、そんな子規が私はほんとに好きなのです。

    どんなことも歌の上で想像するだけなら誰だってできるだろうと思われるかもしれないが、試みに何年も布団に縛り付けられてみるといい。身体の不自由の中で精神を自由に保つことは非常に困難であると私は知ったので、彼への尊敬の念はいや増すばかりである。

  • 瓶にさす藤の花ぶさみじかければたたみの上にとどかざりけり (明34)

    「竹乃里歌」を底本とし、編年で、題・詞書とともに840首が掲載されています。

    藤の花の歌の詞書を読みたくて、古書店の文庫本の棚から見つけ出してもとめました。

  • 子規は長年病床にあったようですが、目に見える範囲内で歌を作り続けたことがまずすごいと思いました。

    歌材は見つけようと思ったら、どこにでもあるのだと感じました。

    写実の歌が多いですが、素材そのものを詠んでこれほど素敵な歌になるのだとこれもまた驚きでした。

  • 生活の楽しさが伝わってくる。

  • いいものが多い。
    親近感がある。

  • 明治十五年 壬午の夏三並うしの都にゆくを送りて
    隅田川堤の櫻さくころよ花のにしきをきて帰るらん

    に始まる。

    今昔秀歌百撰では68番に選ばれている
     獄中の鼠骨を懐ぶ
    くろがねの人屋(ひとや)の飯(いひ)の黒飯(くろいひ)もわが大君(おおきみ)のめぐみと思へ

    なお、同じ文脈で
    四月十四日(鼠骨の出獄を祝す)
    くろがねの人屋をいでし君のために筍鮓をつけてうたげす

    鼠骨入獄談
    くろがねの人屋の門をいでくれば桃くれなゐに麦緑なり

    がある。

  • 写生的な歌が多いので比較的読みやすいと思う。侘び寂びとはこういうもんなんだろうな、とは思うけれど、まだまだそれを理解するに至っていないことを実感。

  • 彼の感性が沁みるようになるには、もっと年齢を重ねなきゃいけないかなぁとおもった。

    我昔住みにし跡を尋ぬれば桜茂りて人老いにけり(明治31)
    一桶の水うちやめばほろほろと露の玉散る秋草の花(同)
    芋坂の団子売る店にぎはひて団子くふ人団子もむ人(明治32)
    旅にして仏つくりが花売にこひこがれしといふ物語(明治32)
    古里の御寺見めぐる永き日の菜の花

  • 俳句に比べ技巧的な短歌はちょっと苦手。子規の歌は写生的なものが多いのですんなりと読めた。

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