松蘿玉液 (岩波文庫)

著者 : 正岡子規
  • 岩波書店 (1984年2月16日発売)
4.43
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  • レビュー :5
  • Amazon.co.jp ・本 (115ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003101384

作品紹介

子規が日夜愛用した中国産の墨の銘をとって名づけられた本書は『墨汁一滴』『病牀六尺』『仰臥漫録』とならぶ子規晩年の四大随筆の一つ。病床にあって強く濃く生きた人の記録であり、野球が大好きだった子規が書きとめたベースボール紹介の貴重な一文を含む。

松蘿玉液 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • ベースボールの紹介で有名。

  • 表紙によると『墨汁一滴』『病牀六尺』『仰臥漫録』とならぶ子規晩年の四大随筆の一つとされているらしいが、他三作と比べると知名度は低いかもしれない。

    ベースボールに関する膨大な記述からは、子規の野球に対する情熱が窺える。当時の日本では野球はほとんど知られていなかったようだが、何とかしてその面白さを読者に伝えようと図解まで交えつつ筆を揮う子規。熱っぽい興奮が行間に満ちている。

    これで四大随筆はすべて読了したことになる。
    子規の文章はいつ読んでも痛快だ。もっともっと読みたかった。

  • 薄い書物でありますが、これがまことに面白い。正岡子規後期の随筆作品であります。
    文庫カヴァーの説明によると、表題は子規が愛用してゐた中国産の墨の銘ださうです。
    話題は多岐にわたり、政治家や文学者を論じ、ベースボールを愛し、俳句の剽窃とは何かを論ずる。その断定調に笑つてしまふこともあります。

    伊藤博文は「利口なやうで愚」、大隈重信は「行届いたやうで行届かぬ」と評し、「人身攻撃」の妥当性を説く。
    西鶴・近松・蕪村の3人を元禄の三文学者と称しながら、それぞれの欠点をあげつらふ。俳句で酷似する作品が多いことを取り上げて、「暗合か剽窃か」を一つひとつ検証し、優劣を論ずる(読み応へあり)。
    世評や権威とは無縁の子規だから、読んでゐて痛快であります。

    しかし本書で目をひくのは、やはりベースボールを紹介する文章でせう。この薄い本の中で10ページ近くも費やしてゐます。しかも図解入り。
    「ベースボールに要するもの」として、「凡そ千坪ばかりの平坦なる地面(芝生ならばなほ善し)皮にて包みたる小球(直径二寸ばかりにして中は護謨、糸の類にて充実したるもの)投手が投げたる球を打つべき木の棒(長さ四尺ばかりにして先の方やや太く手にて持つ処やや細きもの)...」と丁寧に解説してゐます。が、当時の人は多分イメエヂが掴めなかつたことでせう...

    しかし、岩波文庫も高くなつたものですな。この薄さで420円とは...

    http://ameblo.jp/genjigawa/entry-11156602480.html

  • 子規が日夜愛用した中国産の墨の銘をとって名づけられた本書は『墨汁一滴』『病牀六尺』『仰臥漫録』とならぶ子規晩年の四大随筆の一つ。病床にあって強く濃く生きた人の記録であり、野球が大好きだった子規が書きとめたベースボール紹介の貴重な一文を含む。

  • 特に、病が特に亢進した後に書かれた、12月以降の記事が心に迫る。
    12月23日の京都を訪れた記事や、12月28日の果物の記事など、まるでその場で子規の話を聞いているかのような思いにさせられる。

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