金色夜叉(上) (岩波文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 202
レビュー : 26
  • Amazon.co.jp ・本 (344ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003101414

作品紹介・あらすじ

金の誘惑にひかれた婚約者鴫沢宮に裏切られた一高生間貫一は、学業を止め、金力の鬼、金色夜叉となって社会に報復しようとする。しかし、心は充たされない…。最晩年の尾崎紅葉(一八六八‐一九〇三)が心血を注いだ、渾身の大作。

感想・レビュー・書評

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  • 鏡花愛読中級(は自負したい)者の初紅葉。
    描写の明かさは似ながら、鏡花よりはるかに豪胆に感ぜられる文章だった。
    さて。主人公貫一は、養い親に裏切られたか。恋人・宮に裏切られたか。一感想だが、私は違うと思う。
    孤児になりながら、亡父に恩があるからと養い親に育ててもらった。一人娘を嫁させて家督を継がせる約束をもらった。その一人娘こそ心身共に清く美しい宮――
    貫一は恐らく、この世にまだ救いがあると感じさせてくれた、いわば理想の輝きに裏切られたのだろう。それで、その理想の対極ともいうべき高利貸に身を落とした。しかし心は染まり切れず、かつて理想の輝きの、その最後の砦であった宮に恨みを凝縮することで死ねない自分の精神を保った。
    身を落とした最後の原因も宮なら、精神を保つ恨みの砦も宮。この皮肉な逆転を含む人間らしさを強く感じさせる、筆も巧みな作品に思う。

  • 古文のようで読むのが大変。
    読み進めるうちにだんだん面白くなってきた。

    • magnolieさん
      この本で売女という言葉を覚えました。
      読了おつかれさまです。
      この本で売女という言葉を覚えました。
      読了おつかれさまです。
      2014/11/14
  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00077046

  • 彼女が金持ちに嫁いで怒りのあまり高利貸しになる話しです。有名な所なのでそう感じなかったのかもしれませんが、よくよく読むと女々しさがありますね。

  • 山田美妙 読了後、硯友社繋がりで金色夜叉を読みました。
    同窓の山田美妙や紅露時代と並び称される幸田露伴、弟子の泉鏡花などに比べるととても読みやすく、文章がだいぶ現代に近づいた印象です。
    また、話のテンポも良く、読み物として面白かったです。
    文豪としての尾崎紅葉としては「多情多恨」のほうが一般的に印象が強いのですが、それであってなお本書が発表時からのベストセラーで、高い知名度があるのも頷ける内容でした。

    両親のいない主人公の間貫一は、故あって鴫沢家でお世話になっており、容姿端麗、勉学も良くでき、将来有望な男であった。
    また、鴫沢の娘・お宮と将来を誓いあった仲であったが、突然、お宮は富豪の富山唯継の元へ嫁ぐ。
    それをお宮不在時に義理の父から聞いた貫一は、激怒し、熱海の海岸でお宮を問い詰めたが、思いを明かさないお宮を蹴り飛ばし、貫一は全てを捨てて高利貸しとなる。

    岩波文庫版では上・下巻として販売されていますが、上巻が所謂、金色夜叉で、下巻は金色夜叉の続編である、続金色夜叉、続続金色夜叉、そして新続金色夜叉が収録されています。
    ストーリーは上巻の金色夜叉で完結しておらず、貫一とお宮はすれ違ったまま、次に繋ぐ終わり方をしています。
    続金色夜叉、続続金色夜叉も同様に、一段落はついているのですがメインストーリーは解決せず、そして、新続金色夜叉の執筆半ばで尾崎紅葉は亡くなり、本作は未完の傑作となっています。
    貫一お宮の熱海海岸のシーンはあまりにも有名ですが、物語全体で言うと序盤で、かつあのシーンが面白さのピークな気がします。
    以降はサイドストーリーが続き、しかも投げっぱなしになっており、読みやすいは読みやすいのですが、小説としてはやはり未完成だと感じました。
    貫一を捨て、富山の子を孕みまでしたのに、貫一を追いかけるお宮の身勝手な思想には腹が立ちますが、随分苦しむだけ苦しんだのだから、最後は皆幸せになってほしいなと。

  • 冒頭難しくて挫折するかもしれないと焦った。読み進めてるうちにわかりやすく、面白くなってきていっきに読む。意外。下巻へ。

  • 「グレート・ギャツビー」を再読していて、何か似た話がなかったか、そうだ金色夜叉だと思った。
    その時点では今作は未読で、大雑把な知識しかなく、恋の執念と金、というイメージでそう思ったのだけど、読み終えてなお、並べて考えるのもそう的外れではないように思う。
    ギャツビーと貫一は真逆の方向にいくわけだけれども。
    文語体なので読みにくいかと思いきや、案外するする読めた。
    有名な熱海の足蹴がクライマックスだと思い込んでいたのだけど、結構序盤だったので驚き。
    貫一もお宮も好きではないが、登場人物としては面白い。
    他のキャラクターも癖が強くて興味をそそる。
    ただ、上巻だけでも割とお腹いっぱいではある…。
    一応区切りはついているし、下巻は未完だし…まあ、いつかまた。

  • 泉鏡花作品が好きなので、流れで読了。上巻はまだ雰囲気があってよいかと。

  • 始めは文体に慣れずにページが進まなかったけれど、慣れるとともにお話が面白くなってきてどんどん読んでしまった  

    貫一がお宮に抱く想いには、時代も感じられ、そのまま素直な共感としては頷けない  
    貫一の、「売られた」という悔しさや、お宮への憎しみは、当時の人々にとっては容易に共感できるものだったのだろうか  
    それでもやはり貫一に感情移入して読んでしまうし、お宮のことも腹立たしいとともに哀れにも思ってしまう  

    新聞小説として世に出て流行したということが凄くうなずける程に、ページをめくる手が止まらなかった  
    時代も文体も慣れないものなのに、それがほとんど気にならないくらいほど  

    教科書なのに、お話として楽しく読んでしまった

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