金色夜叉(下) (岩波文庫 緑 14-2)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (265ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003101421

作品紹介・あらすじ

『金色夜叉』は、毎朝の新聞の配達を待ちかねる読者の絶大な支持を受けて、明治三〇年一月から明治三五年五月まで、五年以上にわたって『読売新聞』に断続的に連載された。下巻には、「続篇金色夜叉」「続続金色夜叉」「新続金色夜叉」を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 犬にもあらず猫にもあらず汝に似たる者のお話し

    【棺桶に入れてもらう五作品】にノミネートする面白さでした

  • 「新続 弐の三」でお静と貫一の会話がおもしろい。「見惚・気惚・底惚」の三段階を語っていた。未熟なお宮は「見惚」に過ぎなかったのか。

  • なんでこんなに貫一はうざい女たちに苦しめられなきゃいけないんだよって同情したし女たちの修羅場がイカれてて面白かったし宮が死ぬ寸前に貫一が「赦す」って心の底から出たことになんかいいなって思った(私は赦せんけど)けど、結局夢オチかーいってちょっとがっかりだった
    でも読んでる時は本当に楽しかった
    どこまでも富山の因縁が付いてまわるの本当に貫一可哀想すぎる
    荒尾はいいやつだと思う

    このあと、橋本治の『黄金夜界』読むのが楽しみ

  • 主人公が昔の自分達と似た境遇にいる男女を救い出した後、心から笑う場面が印象深い。
    人に喜んでもらえると自分も嬉しいという、任侠の心はいつの時代でも逆転しない普遍的な価値観だと思う。
    愛と金というテーマが貫かれている重厚な物語の魅力は、登場から一世紀経っても衰えない。

  • ↓貸出状況確認はこちら↓
    https://opac2.lib.nara-wu.ac.jp/webopac/BB00077046

  • 貫一がただひとり友として影ながら別れを惜しんだ荒尾の、改めての登場。悔悟する宮と充たされぬ貫一、それぞれに向けられることばに、まるで二人になったように目頭が熱くなる。荒尾の現在のわけも相俟って、貫一が拠って立つ「絶望すべき人間」の像にも徐々に罅が入る。その罅は貫一を苛みながら、夢に立った宮との出来事、手紙、そうして一組の男女との出会いを経て大きく裂け、遂に彼をひとつの納得に至らしめ救ったように思える。
    彼の、貫一の、夢にうつつに苦しむさまは、さすが鏡花らの師匠と膝を打ちたくなる克明さで語られ、読後もどこか晴れやかに感ぜられる。
    ただひとつ、なんらかの引っ掛かりが、胸に残る、けれども。

  • 難しいだろうなと思っていたけど、上巻下巻ともわりと普通のペースで読めた。
    ダイヤモンドに目がくらんだ女が許嫁ともいえる間貫一を捨てて金持ちと結婚する話。それにより間が人間をやめ世に復讐を誓う。作品内の会話が面白く、大げさな感じがある。作品が出た当時は普通だったんだろうか…

    あと作品の内容と浜田省吾の「MONEY」の歌詞が似てて頭から離れない。

  • 続・金色夜叉、続々・金色夜叉、新・金色夜叉と新聞連載で無理につづけたのだな・・・と感じました。
    文体自体は読み慣れているので問題ありませんでしたが、まさかの夢オチが来るとは・・・。

    弟子筋にあたる泉鏡花作品のほうが、自分には合っていると思いました。

  • 風呂敷をたたみに来たなあと思ったらまさかの夢オチ、で続編が終了  
    続続では雰囲気が変わり、新続ではほとんどが宮の手紙に(しかも読みずらい)  

    結局貫一の夢だったけれど、満江と宮の長台詞はこれでもかと言うほど感情がだだ漏れで緊迫感が凄かった  
    そして振り向いたら百合の花を背負っていたというのが美しい  

    解説を少しだけ読んだ  
    後編までが第一部だとしたら続編が第二部、続続からが第三部と言う印象を受けた  
    ひょっとしたら、貫一にとっても宮にとってもハッピーエンドがありえたのかもしれない  

  • 恋愛をとるか金をとるか。菊池寛の『真珠夫人』のなかで、金色夜叉は通俗小説と貶されているが、私は必ずしもそうとは思わない。常に恋愛と金のはざま(間)で苦悶する近代人の新しい問題である。

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