牛肉と馬鈴薯 他3編 (岩波文庫 緑 19-2)

著者 : 国木田独歩

• 岩波書店 (1965年1月1日発売)

感想・レビュー・書評

[たんさんの感想 · 2021年5月19日]

「富岡先生」のラスト一行や、「女難」の卓越した描写がすごい好みです。

[おぼろさんの感想 · 2015年12月12日]

武蔵野より断然面白い。
個人的には「女難」が良かったです。

[りんごさんの感想 · 2014年7月6日]

あんまりわからんかった。とりあえず牛肉と馬鈴薯は一応読んだけど残りは諦めた。

[カルロさんの感想 · 2012年9月25日]

富岡先生にほっこりした。好きな雰囲気のものは本当に好きだなぁ。

[yasugoto0806さんの感想 · 2011年11月29日]

このタイトルからして独歩の切れ味が出ていると思う。牛肉は贅沢だがどこか不満足な現実の比喩で、馬鈴薯は土着的で質朴だが力強い自然的な理想の比喩。このお話はどこかのサロンでの男達の会話の一場面を描いたもの。物語の眼目は、現実と理想という対立構造を超越し、それを無化するような一歩進んだ「理想」の追求という作者の哲学にある。しかし、ドナルド・キーンは《完成した文学作品と呼ぶにははるかに不足するものがある》と否定的な評価を下している（『日本文学史』近代・現代篇ニ、中公文庫）。キーンはプロットがないことをその理由としている。だが彼は、novelとしてこの作品を捉えているために、そういう評価になるだけであり、独歩の思想には、むしろ賛意を示している。《岡本の理想主義にはそれなりの魅力があり、倶楽部につどう青年たちのひたむきな態度には人をひきつける何物かがある》（同前）。つまりキーンは形式と内容で言えば、形式を否定しているに過ぎないのだ。けれども大事なのは中身であって形式ではない。アクチュアルな問題に対して影響力を持つのは圧倒的に質実な思想なのだ。従って私は、純粋に独歩の思想を評価し、最大級の称賛を送りたい。この牛肉と馬鈴薯というタイトルから誰が、宇宙的深淵を予想できただろう。これは人間の想像力に対する賛辞でもある。

[ＥＺＭさんの感想 · 2010年6月21日]

6/21

[あわよくばさんの感想 · 2008年3月1日]

　新潮の方に入っていなかった「正直者」と「女難」が入っていたので読んでみました。なんか……どっちもイラっとする。（笑）懺悔の言葉のようでありながら被害者ぶってるような感じがして。<br>
　「富岡先生」は結構面白いよ。

[凡人。さんの感想 · 2006年6月13日]

この人の作品を、好きなんだなあ、と思います。なんか、鬱屈としているのだけれど、しっかりとそれに抗するための強さも備わっている。さすが「人間の教師」。『富岡先生』が好きです。