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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784003102381
感想・レビュー・書評
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島崎藤村は、妻を亡くした後に姪のこま子と恋人関係→肉体関係を持ってしまう。そしてこま子は妊娠してしまった…。その後、渡仏して約5年後に帰国。小説を書いて、社会に対して自らを暴き、この関係を強引に清算してしまった。
この小説は、そんな経緯で書かれたものである。
自伝的小説とされているだけあって、妻を亡くすところからフランスでの生活が書かれている。
前編ゆえに語り尽くせないところも多いが、彼がこま子との件を悔やんでいることは伝わってくるものの、どこかで現実逃避をしているように感じてしまう。肉体関係に至るまでのプロセスを書かない辺りは、懺悔のつもりであろうか。そういう島崎藤村は、ちょっと好きである。
ただし、近親相姦を正当化するつもりは全く無い。寂しさは人を狂わせる。偽りの愛だったとしたら、余計に許せない。だが… もしも彼と姪との間に本当の愛があったのなら、何も言えない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
20年以上前、実家の本棚にあったのを当時留学していたアメリカへ持っていって読んだ本。
当時の私は、読み終わった時ものすごく満たされて、胸がいっぱいになった。
いままでで読んだ恋愛小説で唯一感動した作品。
なんとなくだけど、今、読むとあの頃から今日までの経験が邪魔をして、あの時と同じ気持ちにはなれない気がする。 -
作家・岸本捨吉の妻は
12年の結婚生活で7人を出産(…)して死んだ
苦労のかけどおしではあったものの、妻を愛していた岸本は
後妻をとることもなく
このまま老いていくばかりだ、と寂しい気持ちになっていた
そんな折
子供の世話をしにきている姪の節子が、どんどん女らしくなってきたので
なんか気がついたら妊娠させていた
やってしまった
兄貴に叱られるじゃん
そう思った彼は、文学のためと称し
おそらくは新聞社の資金援助を受け
自分だけフランスに逃亡してしまった
自由を勝ち取るために戦った民衆の国、フランス!
しかしそこで、第一次世界大戦の開幕に遭遇
戦況が激化の一途をたどる中、節子の恨み節を手紙で受けた岸本は
ますます陰鬱になっていく -
姪との不義に苦悩し一度は巴里へ出て行ったものの、次第に心境が変化する話。前半は身勝手な苦悩としか思えず読んでいて苦痛だった。しかし後半、節子の自我に目覚める様子、岸本の姪を見つめる目線の変化に感銘を受ける。・・・けどそれは小説の中だけ限定。実際の藤村はだめだと思います。ちょっと私には許容できません。
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懺悔の文学、ということなんでしょうか。なんというか、ここまで自意識がぐるぐると回転する人も珍しいなあ、とか思う。近代文学は、こうでなけりゃダメなんだろうかなあ。
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