嵐 他二篇 (岩波文庫 緑24-1)

  • 岩波書店 (1956年3月26日発売)
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Amazon.co.jp ・本 / ISBN・EAN: 9784003102411

みんなの感想まとめ

家族の情景を抑制的に描写しつつ、深い親の思いを伝える作品です。特に男親の立場からの心情が、控えめながらも力強く表現されています。収録された三篇は、子どもたちの成長や遺産の相続といったテーマを通じて、庶...

感想・レビュー・書評

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  • 「伸び支度」「嵐」「分配」
    50代の著者の作。
    家族の情景を全体的に抑制を効かせて書いている。
    抑制と感じたのは、いわゆる意思や願望みたいなものが、自らの子らを通して表現されるからかもしれない。
    特に男親の立場からの親心というのは、母親のように全てを受容する力強さがない分、ためらいが混じるので、控えめになってしまうのかもしれない。

    「嵐」はいい。
    場面によって色彩を使い分ける巧みさがある。
    淡々と子らを眺める文章の中に新鮮な一撃をくらわすような文章が突然現れる。ふいに、何ものかが込み上げてきた。
    詩人の凄みを知った。

  • 男手ひとつで子供たちを育てる父親の気持ちが綴られた味わい深いお話でした。お金の話とかもあって庶民的なところが共感できた。

  • 3篇収録。作者の末期のもの。嵐、分配は4人の子どもたちとの生活を巡るもの。嵐では子どもたちの成長を、分配では子どもたちへの遺産の相続を描いている。私小説的な扱いでいいのだろうか。伸び支度は娘の大人への成長を描いたもの。読みやすく面白い。

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著者プロフィール

1872年3月25日、筑摩県馬籠村(現岐阜県中津川市馬籠)に生まれる。本名島崎春樹(しまざきはるき)。生家は江戸時代、本陣、庄屋、問屋をかねた旧家。明治学院普通科卒業。卒業後「女学雑誌」に翻訳・エッセイを寄稿しはじめ、明治25年、北村透谷の評論「厭世詩家と女性」に感動し、翌年1月、雑誌「文学界」の創刊に参加。明治女学校、東北学院で教鞭をとるかたわら「文学界」で北村透谷らとともに浪漫派詩人として活躍。明治30年には第一詩集『若菜集』を刊行し、近代日本浪漫主義の代表詩人としてその文学的第一歩を踏み出した。『一葉舟』『夏草』と続刊。第四詩集『落梅集』を刊行。『千曲川旅情のうた』『椰子の実』『惜別のうた』などは一世紀を越えた今も歌い継がれている。詩人として出発した藤村は、徐々に散文に移行。明治38年に上京、翌年『破戒』を自費出版、筆一本の小説家に転身した。日本の自然主義文学を代表する作家となる。

「2023年 『女声合唱とピアノのための 銀の笛 みどりの月影』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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