夜明け前 第二部(上) (岩波文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 98
レビュー : 10
  • Amazon.co.jp ・本 (369ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003102442

感想・レビュー・書評

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  • 2010年 読了

    *青空文庫

  • 「なんか半蔵さんってズレてるんだよな~。」と思いながら読んでいたら、その認識はあながち間違っていなかったようで、この巻では彼の思い描く理想の新時代と民衆のリアルな反応とのギャップが書かれていた。まぁ、そうでしょうね。
    ということは、藤村はある程度半蔵を突き放して見ている?国学万歳人間の山宿の坊ちゃんを主人公にする意味がまだよくつかめない。藤村はこの作品で何を言いたいんだろう。

  • 王政復古と文明開化。時代背景を事細かに説明してくれて面白いが、小説の主人公はあまり登場しない。第二部の下巻に期待されるかな。

  • 維新期の地方の実情がよくわかる

  • 舞台はいよいよ御一新に。
    主人公の半蔵は、王政復古の趣旨を理解できない百姓達の行動へもどかしさを感じる一方、自らも急激な社会改革に戸惑う気持ちを隠せない。
    当時の人々は、「復古」と「文明開化」、この相反する概念をどのように捉えていったのか。旧習に囚われないことを「復古」で実現する、と定めたことが、日本独自の改革を実現できたひとつの理由ではないかと思った。

    物語の背景となる歴史上の出来事や、その考察についても紙面を多く割いており、新たな発見もある。

  • 湯河原などを舞台とした作品です。

  • 焦らしますね。
    その時代の様子が細かく書かれているので資料として読む分にはそれなりに楽しいけど小説として面白いかといわれると…いやところどころは面白いんですが…なんだか藤村の力入れてる抜いてるの波状グラフを見ているようだ。特にこの第二部上は時代背景の説明ばかりに追われているような。
    結局主人公が維新に関わる当時者じゃないから緊迫感とかもイマイチね。本人が自分も関わりたいって思っているだけで結局蚊帳の外だしなぁ。

    ここまで焦らしておいて最後までコイツ動かなかったらどうしてくれようかというところです。

  • 結局これは半蔵の一生とその時代ってことか? ところで昭和44年版を読んでいるのだが最後の頁の岩波文庫紹介欄の各書に謎の★がつけられている。評価かな? 二部下は四つでそれ以外は三つだったのと吉左衛門が死んで馬籠の枷もなくなったので下巻にやっぱり期待して読んでみる。

  • 緑24-4 これだけもっててもな…。

  • 第1部(上)(下)、第2部(上)(下)と、文庫本で4冊。久しぶりに長編を読み切った。幕末から明治維新にかけて、まだ夜が明ける前の暗い山深い木曽谷から見たこの国の変遷と憂慮を、馬籠宿本陣の青山半蔵と共にした。平田篤胤らの国学にのめり込み、古の世の再来を夢見るものの、街道の没落と明治新政府への失望から発狂。菩提寺に放火して座敷牢に閉じこめられ死に至る。そんな半蔵の生涯に立ち会った文庫本4冊分の数週間。後半は、正直つらかった。私には「父」と「片思い」の物語として読めた。「父」と「片思い」という、ふつうなら結びつきそうもない言葉が、違和感なくそこにある。「父」とは言うまでもなく、島崎藤村の父である主人公青山半蔵のことだが、それだけでなく、代々馬籠宿を守り続けた父祖たちのことでもあり、彼らの暮らしを治める領主や藩主であり、国父である天皇や将軍のことでもある。半蔵にとっては、国学の始祖・本居宣長、平田篤胤も父だったに違いない。家父長制度の下の父たちは、絶対的権威だ。イコール思想だ。そして、この時代は多くの若者が何ものかに恋焦がれた。何か大きなもの、強いもの、明るいものに。それが「父」と重なることがあっても不思議ではなかった。しかもその恋は報われない。一方的な「片思い」なのだ。この時代、そんなふうな大きなものに恋焦がれて狂っていった者は少なからずいたことだろうと思う。「発狂」という言葉は現代では使われないが、この時の半蔵の状態は、今で言えばどう表現される状態なのだろう。読了後、島崎藤村やその父島崎正樹について少し調べてみた。『夜明け前』で描かれている馬籠本陣の人の話はかなり事実に近いらしい。そして『夜明け前』の続編ともいえる『家』という小説があるらしいことも知った。『夜明け前』も旧家が没落していく暗い話だが、『家』は正樹の死後の、藤村も含めた息子娘たちの旧家の重圧に押し潰されるさらに悲惨な物語らしい。とても読む気にならない。旧家の旧弊に、見えない縄で身を縛られて、もがいている人が、今も身近にいる。島崎藤村については、自分のやった近親相姦事件を題材に小説を書いている人であるということがわかった。当時の自然主義文学では、小説の内容は事実そのままが理想であるという認識があり、作家の身の回りや体験を赤裸々に描く傾向があったということだ。また、近親相姦なども容認される時代背景もあったかもしれない。しかしこれを現代の視点で、特にフェミニズムの視点で読み直したら、藤村文学の評価はどのようにとらえられるものなのだろうか。ありのままに描く自然主義文学の性格上、後世の私たちにしてみれば記録文学の意味合いも持つ。それはそれでとても興味深いものがある。江戸や京都、土佐や長州といった歴史の表舞台となった土地ではなく、山の中の無名の人びとの歴史だ。馬籠、妻籠の街道宿は、以前訪れたことはあるが、本書を読んだ後なら、また見えるものが違ってくるだろう。

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