大つごもり・十三夜 他五篇 (岩波文庫 緑25-2)

  • 岩波書店 (1979年2月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (184ページ) / ISBN・EAN: 9784003102527

みんなの感想まとめ

人間関係や家庭の複雑さを描いた短編集は、特に女性たちの苦悩や葛藤をリアルに表現しています。収録作の中では「十三夜」や「ゆく雲」、「わかれ道」が際立っており、男女共に“家”という枠組みから逃れられない様...

感想・レビュー・書評

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  •  表題2作の他に「ゆく雲」・「うつせみ」・「われから」・「この子」・「わかれ道」を収録。

     憂き世に生き、“家”に雁字搦めな女性たちの姿がなんともいえない。悩み、苦しみ、恨み、時として過ちを犯す彼女たちの生き地獄がとても写実的。
     言葉遣いの古めかしさゆえに意味が解らぬ箇所が幾つかあったが、読み進めるうちに慣れ、結果的になんら支障は無かった。

     以前読んだ「にごりえ」や「たけくらべ」と比べて、“家”/家庭における男性の詳細な描写が多め。樋口一葉といえば女性、という印象が強かっただけに新鮮だった。「十三夜」後半・「ゆく雲」・「わかれ道」が特に色濃く感じた。
     “家”が絶対的な時代において男性は支配者であり加害者——そのようなイメージは揺らがぬと思っていた。ところが本書収録作を読んでいると、ふとしたときに彼らもまた女性たちと同様の被支配者であり被害者でもある一面が見えてくる。

     諦めたり、寄すがを見つけたり、あくまでも抗ってみせたり……。男女共に“家”から逃げられない世で、各々が“家”を認識し対峙する前後のドラマの多様さに圧倒された!

  • わずか25歳で夭逝したにもかかわらず、時の紙幣に肖像が残るほどのことはある。

    どの作品も味わいがあり、スリリングで情緒がある。当時の文化や言葉遣いがわからないところどころあったにも関わらず、物語そのものがクリアに見えてえも言われぬ読後感に茫然とするしまつ。

    好きになりました。
    一葉もっと読みたいと思います。

  • 昔の文体は私には難解に感じた。声に出して読んでみると意味はわかるのだが…。現代語訳でも読みたいが、でもそうすると樋口一葉の作品の味が無くなっちゃうかな。樋口一葉の書くものって、誰かに起こった出来事を、話しの上手な知り合いが話してくれているような感じ。

    この本に含まれている作品の中で私が一番好きなのは十三夜。十三夜は以前にも読んだ。読んだあとしばらくして夜、浅草の人力車に乗りに行きました。

  • 切なくてドラマチックで目が離せなくなるような感覚がとても好きです。

  • 樋口一葉の代表作のほとんどを収める一冊。十三夜、この子。われからと、わかれ道。心に深く、触れるものがありました。

  • 読みかけ本を、有明コロシアムへ持っていきました。
    1番コートで、長い待ち時間があり、読みました。

    著者の文体は難しく、スラスラとはいかないのですが、庶民の暮らしぶりが表現されていて、私も一庶民として興味深いものでした。
    特に、「大つごもり」・・最後のところ・・いいお話でした!
    一葉女史の若さで、短期間に書かれた短編・・著者の心が、うかがわれる作品たちと言えると思います。

  • いまさらながらですが、樋口一葉のファンになりました。
    読み終わって、心に残り、いつまでも感慨にふけることができる小説にはしばし出会っていない。
    ああ、あまりに若くして亡くなって惜しいことです。

  • 「十三夜」はいくつのときに読んでも良いと思える数少ない作品。
    とってもドラマチックなんです。

  • 「この子」が一番好きでした。書き方が一つだけ違うというのもあるかもしれませんが、読んでいると何だかこちらに本当に話しかけられているような気がします。

  • 短編7篇。集中して噛み砕いていけばたのしめそうだが、やはり文語体が苦手で表題とわかれ道くらいしかちゃんと読めなかった。解説でははあとなる。

  • 十三夜だけ

    前半部分では、当然だけどモラハラは昔からあったんだなと。前提となる夫婦感がそもそも夫と妻で違うというのは、今でもあること。主人公の女性がモラハラ受けてる側で。

    後半は主人公が昔から結婚すると思っていた人と再会、没落していた。主人公が別の人と結婚してから落ちるとこまで落ちて。

    きっと主人公の夫も傷つけようと思ってないだろうし、主人公も昔の好きな人を傷つけるために他の人と結婚したわけじゃない。



  • 病身の叔父のためやむにやまれず抽斗の中の札束から2円を盗み、舌をかんで死ぬことまで考えた主人公のお峰だったが、放蕩息子の石之介がが札束をわしづかみにして持ち去ったのでバレずに済んだ。めでたしめでたし…しかし待てよ、盗んだあと従弟の「三之助に渡して歸したる始終を、見し人なしと思へるは愚かや」というのがどうも気にかかる。
    「孝の餘徳は我れ知らず石之助の罪に成りしか、いや〳〵知りて序に冠りし罪かも知れず、さらば石之助はお峰が守り本尊なるべし」なんて尻切れトンボのいい話で終わろうとして最後に「後の事しりたや。」などと落としている。どうなるんだ、お峰。

  • ゼミの研究用に購入。
    「十三夜」のなんともいえない切なさは一読の価値あり。

  • 樋口一葉さんのお話の中で、この中に入っているお話が一番好きです。

  •  
    ── 後の事しりたや。
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4003102525
    ── 樋口 一葉《大つごもり・十三夜 他五篇 19790216-19910705 岩波文庫》P24
     
    ── 樋口 一葉《十三夜 199512‥ 文芸倶楽部臨時増刊閨秀小説号》陰暦 0913
     
     

  • 十三夜

    お関は夫の虐待に耐えかね、結婚後7年たったある晩子供(太郎)を置いて、実家に帰る。
    恋女房として17のときにどうしてもと原田にもらわれたお関に対する扱いに母は同情し、激怒するが、父親はお関を諭して戻そうとする。
    今離縁すれば、夫の辛さからは逃げられても、太郎には一生会うことができなくなるだろう、
    今度はその辛さを一生抱えていきていかねばならない。
    7年我慢できたのなら、一生も我慢できるものだろう、と。
    厳しい。今はもうこんな時代ではなくなっているとは思うけれど、やはり「忍耐」というのが
    昔の妻にはほんとうに切っても切れないような言葉として覆いかぶさっている。
    そして自分がわがままだったと、お関は「わっ」と泣き出し、もう二度と愚痴も不満も言わないと誓い原田のもとへ帰る。
    その帰途の車やが昔なじみのろくのすけだった。子供心にいつかはこの人のお嫁に、と心ときめかせ、煙草屋の女房になることまで
    考えていた相手であったが・・・。
    お互い恋しい間柄であったのに、原田なる金持ちがやんややんやでかっさらい、3人ともが不幸になる。
    それでももうあの頃に戻ることはできない。切ない話です。

  • 女は嘘の未来を生きている。男は過去に言い訳をしている。所収「大つごもり」「ゆく雲」「十三夜」「うつせみ」「われから」「この子」「わかれ道」

  • 十三夜を読みました<BR>
    うーん、今よりもっと抑圧された社会で生きている女性が「お関」に現されていると思う。<BR>
    お関も、録之助も、本当は社会一般から見たら「幸せである」はずなのに、本当は今の生活に満ち足りていない。それを「十三夜」という(満ち欠ける月)として心情をあらわすのはさすがに日本を代表する女性作家というところ。

  • ハクビのドクターコースで「十三夜」の朗読を聞いて、続きが読みたかったので・・・樋口一葉、もうちょっと読んでみようかな。。。

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著者プロフィール

1872年、東京に生まれる。本名なつ。92年、20歳で小説『闇桜』を発表。以降、96年に24歳で
亡くなるまで、『大つごもり』『たけくらべ』『にごりえ』『十三夜』などの名作を書いた。

「2016年 『漫画版【文語】たけくらべ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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