闇桜・うもれ木 他二篇 (岩波文庫)

  • 岩波書店 (2003年2月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (126ページ) / ISBN・EAN: 9784003102534

みんなの感想まとめ

人々の悲しみややるせなさを描いた短編集で、特に「うもれ木」や「別れ霜」が印象的です。女性の視点から描かれる物語には、当時の社会で表現しにくかった感情が込められており、読者はその深い人間模様に引き込まれ...

感想・レビュー・書評

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  • 「うもれ木」が一番読ませた。
    文語体なので、よく読めなかったところはある。
    「操を破って操をたてんか」お蝶は果たして、何某長官の籠絡に使われたのか。
    おそらくこの辺りは女性ならではというか、当時の女性としてははっきりと書きにくかったと思われる。
    納められた作品は総て初期の頃だというだけあって、作為的に感じるところは多いが、花鳥風月の奥に見える人間模様を描く視点は、一葉独特の雰囲気をあじわえる。

  •  表題2作の他に「別れ霜」・「暁月夜」を収録。

     互いを心から想う2人は結ばれず、片想いは実らず、正直・真面目は報われぬ——。憂き世を生きる人々の悲しみ、やるせなさ、憤りの描写には溜め息が出る。
     一葉の作品は何者にもなれず何物も得られなかった人たちを描いているが、ただ暗いだけで終わらない。どの作品にも人情の温かさやおかしみも交えて書いているので、読後には不思議と嫌なものは残らない。お気に入りは「別れ霜」。

     同じく岩波文庫で先頃読んだ他作品と比べて、文体はかなり古めかしく固め。特に「別れ霜」は地口も多め。4篇はいずれも作者の初期の作品、まだいろいろ慣れていなかったのか?

  • 初期作品にして既に情趣あふれる筋書きとなっており、古典教養の片鱗が散りばめられた短編集。

  • 樋口一葉の初期の佳作を収録するもの。初期からしてすでに後の傑作の片鱗がそちらこちらにうかがえます。

  • 樋口一葉の初期作品集。
    解説によれば一葉の修業時代にあたり、擬古的で平安や江戸文学の影響が強いとのこと。確かに後の作品に比べれば人物像がやや単純だったり、筋の運びが唐突だったりする印象。いっそ小説以外の他の媒体にアレンジされると面白いかもしれない。たとえば解説で世話浄瑠璃調と評される「別れ霜」は、いっそ実際に節をつけて浄瑠璃にすれば、人物像や筋運びを演者の表現力でカバーされて面白いかも、等と空想。
    「うもれ木」第八回の文章に凄味がある。花瓶に描かれる図柄の描写は、それ自体曼荼羅のような緻密華麗さで、職人の三昧境を思わせる。これが結末(第十回)で狂を発する場面と呼応する。「にごりえ」でお力が町をさまよう場面の心理描写は高く評価されているそうだが、それと対照的に一つことを突き詰めた果ての心理。

  • 旧漢字だと明治の雰囲気がよりでておもしろい。

  • 樋口一葉さん。読むたびに息を止めて、言葉の流れを殺さないようにしてしまう。すごくじっくりじっくり少しずつ味わう。
    恐ろしいほど色鮮やかな文章です。
    現代文にしてしまうのはもったいない。
    なるべく原文に近い形で読むことをお勧めします。

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著者プロフィール

1872年、東京に生まれる。本名なつ。92年、20歳で小説『闇桜』を発表。以降、96年に24歳で
亡くなるまで、『大つごもり』『たけくらべ』『にごりえ』『十三夜』などの名作を書いた。

「2016年 『漫画版【文語】たけくらべ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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