闇桜,うもれ木 他2篇 (岩波文庫 青 25-3)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (126ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003102534

作品紹介・あらすじ

幼なじみの淡い恋心を描く「闇桜」、名工の芸術的精進の苦闘と可憐な恋をからませたデビュー作「うもれ木」など初期の代表作を収める。

感想・レビュー・書評

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  • 初期作品にして既に情趣あふれる筋書きとなっており、古典教養の片鱗が散りばめられた短編集。

  • 樋口一葉の初期の佳作を収録するもの。初期からしてすでに後の傑作の片鱗がそちらこちらにうかがえます。

  • 樋口一葉の初期作品集。
    解説によれば一葉の修業時代にあたり、擬古的で平安や江戸文学の影響が強いとのこと。確かに後の作品に比べれば人物像がやや単純だったり、筋の運びが唐突だったりする印象。いっそ小説以外の他の媒体にアレンジされると面白いかもしれない。たとえば解説で世話浄瑠璃調と評される「別れ霜」は、いっそ実際に節をつけて浄瑠璃にすれば、人物像や筋運びを演者の表現力でカバーされて面白いかも、等と空想。
    「うもれ木」第八回の文章に凄味がある。花瓶に描かれる図柄の描写は、それ自体曼荼羅のような緻密華麗さで、職人の三昧境を思わせる。これが結末(第十回)で狂を発する場面と呼応する。「にごりえ」でお力が町をさまよう場面の心理描写は高く評価されているそうだが、それと対照的に一つことを突き詰めた果ての心理。

  • 旧漢字だと明治の雰囲気がよりでておもしろい。

  • 樋口一葉さん。読むたびに息を止めて、言葉の流れを殺さないようにしてしまう。すごくじっくりじっくり少しずつ味わう。
    恐ろしいほど色鮮やかな文章です。
    現代文にしてしまうのはもったいない。
    なるべく原文に近い形で読むことをお勧めします。

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著者プロフィール

1872年、東京に生まれる。本名なつ。92年、20歳で小説『闇桜』を発表。以降、96年に24歳で
亡くなるまで、『大つごもり』『たけくらべ』『にごりえ』『十三夜』などの名作を書いた。

「2016年 『漫画版【文語】たけくらべ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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