修禅寺物語・正雪の二代目―他四篇 (岩波文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (250ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003102619

感想・レビュー・書評

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  • 修善寺物語:1919年(大正7年)。
    わが子の死すら肥やしにする、芸術家の業の凄まじさ。その血を確実に受け継いだ娘の、奔放な生き様と散り様。翁の名が示すとおり、これこそ夜叉と呼ぶのだろう。

  • 表題作の修禅寺は、源頼家が入浴中に殺害されたと言われる舞台だが、本作は面作師がその才能と技により、実は未来を予見していたことが描かれている。しかし予知の能力よりも、面作師としての貪欲な精神のほうにぞっとする。「箕輪の心中」はよくありそうな身分違いの恋だが、味わい深い。「佐々木高綱」は高綱の自己を曲げない行動が妙におかしく思えて、知らず苦笑が漏れてしまう。「能因法師」は己が歌を広めるために画策するのだが、最後のシーンも含めてぷっと噴き出してしまう展開で、「俳諧師」はその逆を行くパターン。「正雪の二代目」は攘夷論をたてに遊行三昧だったのが、自分の首をしめる結果に……。いずれも歌舞伎の脚本で、一見読みにくそうだがすらすら読めて、しかもはまる。

  • 見返し
    「新歌舞伎」をはじめ演劇界に輝かしい足跡を残した綺堂の傑作戯曲集。「修禅寺物語」は彼の声価を決定づけた出世作である。
    目次
    修禅寺物語
    箕輪の心中
    佐々木高綱
    能因法師
    俳諧師
    正雪の二代目
    解説(戸板康二)

  • 皇なつきのマンガ版「修善寺物語」もよい

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著者プロフィール

一八七二年(明治五)東京生まれ。本名は敬二。元御家人で英国公使館書記の息子として育ち、「東京日日新聞」の見習記者となる。その後さまざまな新聞の劇評を書き、戯曲を執筆。大正時代に入り劇作と著作に専念するようになり、名実ともに新歌舞伎の作者として認められるようになる。一九一七年(大正六)より「文藝倶楽部」に連載を開始した「半七捕物帳」が、江戸情緒あふれる探偵物として大衆の人気を博した。代表作に戯曲『修禅寺物語』『鳥辺山心中』『番町皿屋敷』、小説『三浦老人昔話』『青蛙堂鬼談』『半七捕物帳』など多数。一九三九年(昭和十四)逝去。

「2018年 『異妖新篇 岡本綺堂読物集六』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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