草迷宮 (岩波文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 685
レビュー : 67
  • Amazon.co.jp ・本 (195ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003102749

作品紹介・あらすじ

幼な子の昔、亡き母が唄ってくれた手毬唄。耳底に残るあの懐かしい唄がもう一度聞きたい。母への憧憬を胸に唄を捜し求めて彷徨する青年がたどりついたのは、妖怪に護られた美女の棲む荒屋敷だった。毬つき唄を主軸に、語りの時間・空間が重層して、鏡花ならではの物語の迷宮世界が顕現する。

感想・レビュー・書評

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  • 泉鏡花が1908年に発表した作品。寺山修司によって実写映画化もされている。明治期の作品なので文語体で書かれており、最初のとっかかりがつかみにくいが、一度波に乗ってしまうと、この不可思議な世界から抜け出せなくなってしまいます。各章によって、人物の視点や時系列がめまぐるしく入れ替わっており、注意して読まないと、自分がどの時点の誰の話を読んでいるのか飛びそうになることもあります。この作品の後半で舞台となる、幽霊屋敷の中での話は本当に美しくて怖い話です。きれいな日本語で語られる異世界を覗いてはいかがでしょうか。

  • 語り手が次々に入れ替わり、また文体も普段読む小説とは大きく異なっているので時々目が滑った。景観や場の雰囲気、女性が書かれるときの比喩と表現は独特で胸がざわめくほど美しい。特に僧侶小次郎が夜半に妖しのものとまみえる辺りからは渦を巻く言葉と文章の絢爛さに目が眩む。後半から結末までは緊迫感を含んだ展開に引き込まれた。表紙の紹介文で触れられている「重層」的な構造もこの部分の対話を通して味わうことになる。幻影、追憶、怪異に翻弄され、気がついたら迷宮の奥深くまで足を踏み入れていたような感覚。そっと蝋燭を吹き消すような、唐突かつ静かな終わり方も印象的だった。

  • 夏に読みたい、泉鏡花の妖怪譚。母子の情に重点がおかれているので読みやすい。独特の文体は読み進むほどに心地よく、真夏の夜の夢のお供に最適です。

  • 幼な子の昔、亡き母が唄ってくれた手毬唄。耳底に残るあの懐かしい唄がもう一度聞きたい。母への憧憬を胸に唄を捜し求めて彷徨する青年がたどりついたのは、妖怪に護られた美女の棲む荒屋敷だった。毬つき唄を主軸に、語りの時間・空間が重層して、鏡花ならではの物語の迷宮世界が顕現する。

  • 亡くなった母親が口ずさんでいた手毬唄を探して旅に出た青年が、
    鬱蒼とした草木に覆われた屋敷へ辿り着き、
    妖怪変化に取り巻かれながら、その唄に巡り会うという幻想譚。
    鏡花が療養のために滞在していた逗子の風景が織り込まれた作品で、
    冒頭、神奈川県民には馴染みのある地名が多々登場するのも愉快。
    「稲生物怪録」を妖美にしたような物の怪騒動記だが、
    狂言回しの遊行僧・小次郎法師のキャラが親しみやすくて
    イイ味を出している。
    この本は引っ越しのときにうっかり処分してしまったので、
    大分後になって、
    これが収録されている、ちくま文庫『泉鏡花集成』第五巻を購入。

  • 妖しい魅力たっぷり。
    母の面影を求める少年と、置いてきた我が子を天から強く想う母、それを語る幼馴染がどこかロマンチックでもある。
    語り手が次々変化していくのも面白い。

    話の筋を拾うだけでいっぱいいっぱい。
    いつかまたチャレンジしたい。

  • なんだかおどろおどろしい雰囲気もありながら、思っていたよりも切ない話で胸が苦しくなりました。話のテンポや言葉の選び方に作者の個性を感じました。
    単純に自分の読解力のなさで大意しか読めなかったのでまた改めて読んでみたい作品。

  • とにかく一度読んだ。

    筋を追うのに精一杯。
    早く2度目読みたい。

    2度目ちゃんとわたしの読解力がついていけたら
    ☆5つだと思う。

    ☆5つまで3回くらいかかるかなぁ。。

  • きっかけは大学の授業。近代日本文学論だっただろうか。すっかり気に入ってしまって何度も読んでいる。美しい日本語で紡がれる迷宮。そこへ迷い込む悦楽。本の感想ではないけど、田辺誠一が主演した舞台も良かった。

  • 美しい日本語。うっとりしてしまう

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プロフィール

1873-1939年。小説家。代表作に「高野聖」「草迷宮」「歌行燈」ほか。

「2017年 『英語版 絵本化鳥』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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