茶話 (岩波文庫 緑 31-2)

著者 :
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (284ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003103128

作品紹介・あらすじ

大正5年春、「お茶を飲みながら世間話をするような気持で、また画家がカリカチュウルを描くような気持で」始めた新聞連載「茶話」は、すぐに大人気を博した。古今東西のさまざまな人物の逸話やゴシップを、ぴりりとスパイスをきかせて披露する、コラムの嚆矢。総数800篇余から著者自選の154篇を収録。

感想・レビュー・書評

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  • 政治家、アーティスト、活動家、武士、貴族など有名人や上流階級の人たちの人柄を平易でウィットな文章で書かれていて、当時の新聞コラムとして大人気だったことも頷ける。
    文化背景がわからないので理解できない落ちもあるが、それはそれで味わいはある。
    小さなことにこだわる殿様や道楽にうつつを抜かす僧侶、気難しい哲学者など身分、人種、性別、年齢、出身の違う人たちを槍玉に上げつつ、愛すべき人物として描いているのは作者の筆力か、人柄か。
    作者の詩作も興味が湧いた。

  • チェーホフの短編みたいにピリリと毒のある、でもユーモラスなコラム集。古今東西色々な人物の話が出てきて面白い。

  • 1916年から『大阪毎日新聞』誌上で連載された著者のエッセイのうち、154編を収録しています。古今東西のさまざまな人物のエピソードを紹介している、上品なユーモアが感じられる作品です。

    「滴水と峨山」は、死の床にある滴水と、その弟子である峨山のあいだで交わされた問答を紹介していますが、何気ないやりとりでありながら禅味を感じさせます。著者の文章のおもしろみを示す典型的な例とはいいがたい一編であるものの、個人的には印象にのこっています。

    「梅の下かげ」は、ある百姓の家にある美しい桜の花に感動した岸玄知という僧が、桜の木を買うというエピソードです。こちらも、著者の得意とするユーモアのセンスがぞんぶんに発揮されている文章ではありませんが、『徒然草』などの名人譚を思わせる内容だと感じました。

  • おもしろい

  • 最初は当時ウケ、日本の近代エッセイ代表に挙げられるほど面白いとされるのが分からなかった。
    坪内祐三の解説を読んで、やはり面白いか?と思って当然らしい。ただ、それがやみつきになるらしい。

    少し間をあけて読んだら、少し面白く読めた。
    それは徒然草のような文調から。
    だが内容はやはり大衆向け消耗品。徒然草のような確たるフィルタも言葉の抑制の妙もなく、書かれていることそれ以上でもそれ以下でもない。

  • こういう面白いコラムは探せばもっと転がっていそう。

  • なんとなく艸木虫魚のが好き

  • 坪内祐三解説。1998年刊。明治~大正期の詩人ですが、廃業してコラムニストをしていた時の仕事をまとめたものです。
    中身については、洋の東西を問わず、著名人のちょっと笑える(オチのある)エピソード集、ということなんですが、う~ん、どうなんでしょうか、どれもこれも嘘くさいんですよね。適当に尾ひれつけたりしてるんでしょうね。そんなことないか?でもまあ出典は一切ありませんので。
    しかし、時にあいまいながらもしっかりとオチがある安心感はこの手のショートコラムには必須なのでしょう。解説によれば谷沢永一と丸谷才一が結構褒めているそうです。

  • 薄田泣菫による名物コラム『茶話(ちゃばなし)』。
    大正4年(1915年)から昭和5年(1930年)にわたって「大阪毎日新聞」、「東京日日新聞」、「サンデー毎日」などに書かれた総数811篇から精選された154篇を収録。

    古い時代のコラムだけに、811篇の中には内容として頂けない話も多々あります。しかし、岩波文庫版『茶話』には、古今東西のさまざまな人物の逸話やゴシップを、比較的上品に収められています。

  • 偉人などの有名なエピソードを取り上げているのだけど、色褪せなくて面白いです。とても皮肉っぽくて、そこはかとなくユーモアが漂っています。

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