寺田寅彦随筆集 第1巻 (岩波文庫 緑 37-1)

著者 :
制作 : 小宮 豊隆 
  • 岩波書店
3.71
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本棚登録 : 627
感想 : 41
  • Amazon.co.jp ・本 (305ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003103715

感想・レビュー・書評

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  • ほんっとに、ほんっとに、いろんな人におすすめしたい作品です!!!!!111
    特に、理系で文学好きの諸君のために。理系のメガネで文学世界をのぞいてみましょう★

    作者・寺田寅彦は、戦前の日本の物理学者、随筆家、俳人であり、かの夏目漱石先生の門下生でもあります。つまり、寺田寅彦は、趣味:文系 / 仕事:理系、文理両道の作家です。

    そういった背景を持つ寺田虎彦の、この随筆集の他作品と一線を画する要素とは…“理系人の視点からなる『世界』を理学的に、また文学的に分析している”ところです。これに尽きると思う。

    まぁ、しのごの言わずに読んでみてください。理系人ならとても共感できるところが多くあると思います。
    寅彦先生は、科学と文学(芸術)を“対をなすもの”としてではなく、“似て非なるもの”あるいは“同じ要素を持つもの”としてとらえ、2世界を融合しようとした作家なのです。それは本書中の『科学者と芸術家』や『物理学と感覚』などからも読み取れます。

  • いろいろなことを考えるヒントになった。
    物理学者であり俳人であることの源が自然の観察への誠実さにある。感性で注目したものを淡々と語る文体は心地よい。ところどころ、「なぜならば」がないのが気になるけれど、それも余韻になって想像や考察を駆り立てる。

  • 小宮豊隆編。小宮豊隆って夏目漱石を崇拝してた研究者だよね?まぁそれはいいとして、寺田寅彦の随筆は自然についてのものが多い。でも田舎の壮大な大自然じゃなくて都内で触れられる手の届く範囲の自然。入院している時に見舞いにもらった花について、庭の芝、蓑虫。小さいころよく想像してた虫の視点を思い出す。自分が飛蝗だったらこの雑草もものすごく大きな建造物に見えるんじゃないかとか、生理は地球に寄り添っていてもきっと光源の概念がわからないからすごく狭く唐突な世界であたふたしてるうちに死んじゃうんだろうなとか。最近串田孫一の『山のパンセ』を読んだけど、あちらは雪山などの厳しい大自然を愛した人、寺田寅彦は身近な自然を愛した人。私はもともと自然に対しては恐怖心のほうが強いから寺田寅彦の文章のほうが読んでいて情景を想像しやすい。

  • 寺田寅彦のエッセイは珠玉という言葉がぴったりだ。特に、何気ない日常の風景を扱ったものには目を見張る。淡々とした描写のなかに、科学者の透徹した目と、情感豊かな感性の美しい溶け合いがある。この人の静かな視線は、少しクリシュナムルティに似ているような気さえする。けれど、クリシュナムルティの日記には俗人の視点からはかけ離れてしまった人の淋しさがある(あくまで凡俗人の僕が読んだ時に、である。氏自身への理解としてはあまりの矮小化に怒られてしまう)のに対し、寺田氏の描写にはあくまで俗世の温かさを基調としたごくごく普通の安らぎがあり、できるならこの人の心身のあり方を真似たいものだと、つくづく思わされたのである。

    この中のいくつかは、折に触れて読み返そうと思う。

  • 請求記号 914.6-TER(上野文庫)
    https://opac.iuhw.ac.jp/Otawara/opac/Holding_list/detail?rgtn=096095
    「どんぐり」
    「天災は忘れたころにやって来る」の言葉でも知られる明治の随筆家。専門は物理学で東京帝国大学教授を務めました。小石川植物園でのささやかなエピソードをもとにした本作品には、夭折した妻への切ない想いがこめられています。

  • 本を読むということは、はるか昔の人と対話するということだ、とデカルトが云ったとかなんとか。
    いい随筆を読むということはまさにそういうことなのではないだろうか。
    淡々とした文章の中に程よい滑稽や情緒、感傷などが小皿に乗って出てくる。押し付けがましい倫理や規範などを語ることもなく、論理的に色々と述べたあと、読者に些かの思惟を起こさせる。
    目の前に居る寅彦本人と、散歩でもしながら語り合っているような気がした。

  • 第3巻なし!

  • 後書きでの小宮豊隆の言葉を借りると、寅彦の随筆は芸術感覚と科学感覚の調和が絶妙なバランスで成立してて面白いです。身近なモノに対する気付きの視線、その描写、分析(ここで科学者らしいところが出てくるのでその考察が面白い…)がたいへん分かりやすい。
    一つ一つはそれほど長くないのでちょこちょこ読めるところも良いです。

  • 寺田寅彦さんの作品の中で1番好きなエッセイは「どんぐり」です。不治の病を患っている奥さんとの最後の思い出を淡々と書いている、情緒的で切ない感じの話です。押しつけがましくないのに伝わってくるところがあります。

  • 科学者のあたま、がとても面白かったので続いて呼んでみたけれど、ちょっと古いかな。時代背景とかを理解しないとなかなか味わいつくせないところがあると思う。もちろんエッセイとしては秀逸。

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著者プロフィール

1878–1935
東京に生まれ、高知県にて育つ。
東京帝国大学物理学科卒業。同大学教授を務め、理化学研究所の研究員としても活躍する。
「どんぐり」に登場する夏子と1897年に結婚。
物理学の研究者でありながら、随筆や俳句に秀でた文学者でもあり、「枯れ菊の影」「ラジオ雑感」など多くの名筆を残している。

「2021年 『どんぐり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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