- Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003103722
感想・レビュー・書評
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本書を読んでいる期間中にコロナに感染。どこからもらったのかまったく不明。退職してから,たくさんの人に会うこともないし,せいぜいが喫茶店とホームセンターといつもの商店に行ったくらい。まったくかかるときには罹るんですね。
そんなわけで,なんとなく記念する本となった寺田寅彦の随筆集の第2巻である。
この随筆集は,発表年順にまとめられているのだが,本書は,大正11年4月の発表した「蓄音機」から,昭和6年の「時事雑感」が収められている。
特に興味の持ったのは「蓄音機」,そしてなんといっても「ルクレチウスと科学」だ。他にも寅彦ならではの視点がいっぱいで,読んでいて、大変刺激的だ。
たとえば「相対性原理側面観」の次の文章は,寅彦しか書けまい。
私はどんなにむつかしい理論でもそれが「物理学」に関したものである限り,素人にどうしてもなんらかの説明をもする事もできないほどにむつかしいものがあるとは信じられない。もしあったらそれは少なくも物理でないといったような心持ちがする。/少なくもわれわれ素人がベートーヴェンの曲を味わうと類した程度に,相対性原理を味わうことはだれにも不可能ではなく,またそういう程度に味わう事がそれほど悪い事でもないと思う。(74ぺ)詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
1巻と比べて科学的なものが中心になっている。
科学者として見た世界。様々な疑問に理路整然と議論を投げかける。
当時の知識人に見られたありきたりな社会批判も幾つか散見される。 -
「電車の混雑について」で書かれていることは今でも適用できそう。
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第二巻。
『電車の混雑について』大好き。
こういうところに寅彦の理系スキルが活かされているなと思う。
『猫』もかわいい。
他にも新聞や災害についてなど、彼の警世家としての一面も垣間見える一冊。