寺田寅彦随筆集 3 (岩波文庫 緑 37-3)

著者 :
制作 : 小宮 豊隆 
  • 岩波書店
3.67
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本棚登録 : 223
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (332ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003103739

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  •  随筆集の第3弾。昭和6年~昭和7年に書かれたものからの選集です。科学雑誌から文芸雑誌,新聞に至るまで,さまざまな媒体で随筆を発表していたことがうかがえます。守備範囲が広いというか…。
     本巻では,「量的と質的と統計的について」や,映画や人形浄瑠璃についての何編かのエッセイ,そして,恩師の死の際に書いた「夏目漱石先生の追憶」「田丸先生の記憶」がわたしの頭に残っています。

    「からすうりの花と蛾」より
    人間の知恵はこんな些細な植物にも及ばないのである。植物が見ても人間ほど愚鈍なものはないと思われるであろう。(本書,246ぺ)
    (花というものは)われわれ人間の浅はかな知恵などでは到底いつまでたってもきわめ尽くせないほど不思議な真言密教の小宇宙なのである。(本書,247ぺ)

  • 「しかし自分の中にいる極端なエゴイストに言わせれば、自分にとっては先生が俳句がうまかろうが、まずかろうが、英文学に通じていようがいまいが、そんな事はどうでもよかった。いわんや先生が大文豪になろうがなるまいが、そんなことは問題にも何もならなかった。むしろ先生がいつまでも名もないただの学校の先生であってくれたほうがよかったではないかというような気がするくらいである。先生が大家にならなかったら少なくももっと長生きをされたであろうという気がするのである。」

    寺田寅彦随筆集第3巻(岩波文庫)より

    『吾輩は猫である』に出てくる水島寒月君が寺田寅彦である。

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784003103739

  • 映画を俳諧からみる。

  • 「俳諧の本質的概略」はかなり重要な一節。

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003103734
    ── 寺田 寅彦/小宮 豊隆・編《随筆集 第三巻 19480515 第1刷 岩波文庫》
     
    http://www.aozora.gr.jp/cards/000042/files/2466_11123.html
    ── 寺田 寅彦《「手首」の問題 193203‥ 中央公論》
     
    …… バイオリンやセロをひいてよい音を出すのはなかなかむつかしい
    ものである。同じ楽器を同じ弓でひくのに、下手(へた)と上手(じょ
    うず)ではまるで別の楽器のような音が出る。下手な者は無理に弓の毛
    を弦に押しつけこすりつけてそうしてしいていやな音をしぼり出してい
    るように見えるが、上手な玄人(くろうと)となると実にふわりと軽く
    あてがった弓を通じてあたかも楽器の中からやすやすと美しい音の流れ
    をぬき出しているかのように見える。
     
    …… 寺田寅彦の随筆に「ヴァイオリンの演奏は、右手の弓がもっとも
    重要である」とあるのは本当か、と質問されたのである。
    → 落第生は二度眠る ~ 寒月の右手 ~ 20021018-1020 改稿
    http://www.enpitu.ne.jp/usr8/bin/search?idst=87518&key=%B4%A8%B7%EE%A4%CE%B1%A6%BC%EA
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/20030115
     幻の《弦楽技法》 ~ 未投函書簡より ~
     

  • 請求記号:テラダ
    資料番号:010692770

  • カメラをさげて、読書の今昔、俳諧の本質的概論、追憶。映画と俳諧中心。モンタージュ。立体映画の項で今の3D関連を思う。あとTのすしの食い方w

  • 1986.5.14

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著者プロフィール

1878–1935
東京に生まれ、高知県にて育つ。
東京帝国大学物理学科卒業。同大学教授を務め、理化学研究所の研究員としても活躍する。
「どんぐり」に登場する夏子と1897年に結婚。
物理学の研究者でありながら、随筆や俳句に秀でた文学者でもあり、「枯れ菊の影」「ラジオ雑感」など多くの名筆を残している。

「2021年 『どんぐり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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