寺田寅彦随筆集 5 (岩波文庫 緑 37-5)

著者 :
制作 : 小宮 豊隆 
  • 岩波書店
3.83
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本棚登録 : 202
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (310ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003103753

感想・レビュー・書評

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  •  第5巻,やっと読み終えました。こういうタイプの本(短編が集まった文庫本)は,他の本と並行して読んでいるので,なかなか進みませんでした。内容が面白いのは面白いのですが,「文庫本は,お出かけした時の時間つぶし」みたいな時にしか読まないので,なかなか進まないんです。
     さて,本巻の一押しは「日本人の自然観」と,それをもとにした「俳句の精神」でしょうかね。最近,自分のなかで俳句が押しになってきているので,余計にそこに引っかかったのだと思います。ただ,日本人の精神なんていうと,ついつい明治の天皇制から話が始まったり,武士・腹切りなんて物騒な話になったりするのですが,ここでは,もっともっと太古から培われてきた精神についてのことです。
     科学が日本で生まれ損なった歴史と俳句が日本で生まれた歴史とが「日本人の自然観」で繋がるという論理が面白いです。

    日本人は西洋人のように自然と人間とを別々に切り離して対立させるという言わば物質科学的の態度をとる代わりに,人間と自然とをいっしょにしてそれを一つの全機的な有機体と見ようとする傾向を多分にもっているように見える。(本書,275ぺ,「俳句の精神」より)

  • 貸し出し状況等、詳細情報の確認は下記URLへ
    http://libsrv02.iamas.ac.jp/jhkweb_JPN/service/open_search_ex.asp?ISBN=9784003103753

  • 天災の備えを説く。

  • もう完全に言論が戦時モードに入っていて、一巻や二巻のような感覚では読めなくなっている。

  • 時期が時期なのでそういう香がそこかしこ。
    風習風俗の記録とても楽しいですありがとうございます。
    件の黒焼屋、調べたらまだあった。

  • 請求記号:テラダ
    資料番号:010756864

  • 「天災は忘れた頃にやってくる」は寅彦の言葉といわれるのは、1934年の『経済往来』に掲載された「天災と国防」という、この随筆集の中の作品によるものらしい。

    文明が進むほど天災による損害の程度も累進する傾向があるという事実を充分に自覚して、そして平生からそれに対する防御策を講じなければならないはず・・・

    同感である。

  • 1986.5.14

  • ついに読破。長かった。

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著者プロフィール

1878–1935
東京に生まれ、高知県にて育つ。
東京帝国大学物理学科卒業。同大学教授を務め、理化学研究所の研究員としても活躍する。
「どんぐり」に登場する夏子と1897年に結婚。
物理学の研究者でありながら、随筆や俳句に秀でた文学者でもあり、「枯れ菊の影」「ラジオ雑感」など多くの名筆を残している。

「2021年 『どんぐり』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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