つゆのあとさき (岩波文庫 緑 41-4)

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  • Amazon.co.jp ・本 (157ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003104149

感想・レビュー・書評

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  • 銀座や神楽坂の描写がとても美しい。きっとあの辺りから見ている風景かな…とわかる箇所もあるのに、あたしが思い浮かべる景色はビルばかり。同じ場所なのに荷風と見ているのとは違うのだと思うととても淋しかった。解説にもあるが、荷風は娼婦を愛してそして見下していたらしい。あたしが恋や性に奔放な女性に惹かれるのは憧れて、でもそうなりたくてもなれなくて。じゃあだからと云って身近に居たら彼女らを嫌悪しそうな気がする。人間て、女って面白い。

  • 銀座のカフェーの女給君江は,容貌は十人並だが物言う時,「瓢の種のような歯の間から,舌の先を動かすのが一際愛くるしい」女性である.この,淫蕩だが逞しい生活力のある主人公に,パトロンの通俗作家清岡をはじめ彼女を取巻く男性の浅薄な生き方を対比させて,荷風独得の文明批評をのぞかせている

  • 心地よい言葉と共に、読者を昭和初期へ連れて行ってくれる永井荷風。銀座のカフェー、神楽坂の待合、当時の東京の風俗を巡る。黒ビールを呑みながら。こじんまりとした出来上がりが、かえって心地よい。

  • 泉鏡花もそうだが、この時代の作家は、どうしてこんなにも人間を生々しく描く事が出来るんだろうか。永井荷風の巧みな文章が、つゆの湿度を伴って、明治の銀座にタイムスリップさせてくれる。こういった作家は現代にはもういない。

  • タイトル名に魅かれて読み始めた。

    昔、高校生ぐらいの時に読んだような・・・?
    永井荷風なんて、読んだことあったっけ?
    ・・・たぶんない。
    途中でやめたんだろうか?


    邦画「月曜日のユカ」を思い出した。
    随分昔に観た映画だから、よく覚えてないけど、
    なんか似ている。

    ヌーヴェル・ヴァーグみたいなところ?
    「月曜日のユカ」を観よう

  • さだまさしに同名曲があります。
    あの歌詞はどういう状況なのだろう? と数十年来疑問を感じていましたが、この小説に登場する浮気な主人公、君江の姿を見て合点がいきました。

  • 新書文庫

  • 読んだのは、偶然梅雨の始めから梅雨の終わりにかけてだった。カフェの女給君江の遭う酷い仕打ちも夜の驟雨の中だった。そこから最終頁にかけての展開が面白い。また、導入部の女給たちの風俗は、荷風の面目躍如であって、こんな文を書ける人はもう日本にはいない。文章力のある人は、もしかしたら少しはいるかもしれない。しかし、対象がいない。

    爪先で電話室の硝子戸を突きあけ、「清子さん。電話」と呼びながら君江は反身(そりみ)に振返ってあたりを見廻した(20p)

    身の崩しと上品さと、色気が一体になったこんな女性は既に絶滅した。足と書かずに爪先と書いた荷風の目の鋭さ。反身に振り返る江戸の名残り。

    この本を選んだのは、ワンコインで手軽に読める薄い本を探したからである。しかし、結果的に読了するのに一ヶ月以上必要とした。それほど読み応えがあったからである。

    震災の影響がまだ残っている昭和6年の東京「屋根も壁もトタンの海鼠板一枚で囲ってあるばかり」のカッフェー。騙し騙され、愛憎と物欲愛欲蠢く夜の街。荷風も、登場人物たちにほとんど共感していないし、私もしない。それなのに、何がこんなにも魅力的なのか。

    これこそが、ゾラ等の本格フランス自然主義作家に学んだ荷風の真骨頂なのだろう。解説の中村真一郎の文章は、たった9頁の中に荷風の人生と文学を余すことなく伝える。けだし、名解説と言うべきだろう。

    2016年7月19日読了

  • 昭和初期の、今ならキャバ嬢、少し前ならクラブのホステスの話。主人公は職業として風俗嬢をやっているわけだから、悩みも罪悪感も全く無しというドライな女性。残念ながら、もう少し話が続きそうなところでプッツリと終了した印象が強い。

  • 東京、怖い。

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