おかめ笹 (岩波文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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本棚登録 : 48
感想 : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003104194

作品紹介・あらすじ

一切の抒情性を排し色欲と金銭欲にこり固った画家、元知事一家の醜猥さを滑稽小説に仕立てた特異な作品。

感想・レビュー・書評

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  • 永井荷風 「 おかめ笹 」 難しい。守銭奴、放蕩など 俗物な世界を自虐的に描いた本 と捉えた。他の著作と モチーフの取扱が違うので 著者の意図を考えながら読んだ

    著者は なぜ 美しい竹笹でなく、俗的な おかめ笹を モチーフにしたのか?

    花柳や文学の世界は 外見は 美しい笹に見えるが、実際は 俗物的な おかめ笹 であり、そこでしか生きられない自分をも 嘲笑している? と解釈した

    「放蕩も結婚も事実の要点では〜ちがいはない〜一は秘密、罪悪であり、一は公正明大、親孝行」

    はしがき「おかめ笹は〜いつも野の末、路のはたに生い茂り〜つまらなき わが作の心とも見よ」

    あとがき「おかめ笹は〜主人公 鵜崎巨石が 意想外の事件のために 意想外の利益を得て、安心して酒色に耽る物語」

    「名をなす見込がない、といって絵をかくより外に生計の道がない〜自然に守銭奴になってくる」

  • 思い付いたダメ人間(金が好き、女好き、嘘つき、いい加減)を、つらつら絡ませてみたけど、大した出来事もなく了したという凡作。腕くらべの水準を期待したのが失敗

  • 大正のダメ人間カタログ、というか俗物図鑑(笑)。いいねぇ、生きてるって感じ。向田邦子が「人間の滑った転んだを書いているだけ」と言っていたが、これがまさにそう。
    しかもその時代の空気が伝わるような表現力なので、登場人物も活き活きとしている。
    ドラマ『天皇の料理番』(堺正章版)、『天切り松闇がたり』、アニメ『はいからさんが通る』が好きなのだが、大正ラブだったのか自分は……。
    それらの作品を脳内でブレンドすることで、大正時代が立体的に浮かんできて楽しいぞ、おい。

  • 読了。神保町の古本屋で購入。主人公を振り回す若旦那には感情移入するところあり。身分の上下を問わず低俗卑小なる登場人物の右往左往する様は愉快。

  • 素敵な人は、ひとりもでてきません。
    いじわる荷風。
    誰もが平等に滑稽。

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著者プロフィール

永井荷風

一八七九(明治一二)年東京生まれ。一九〇三年より〇八年まで外遊。帰国後『あめりか物語』『ふらんす物語』(発禁)を発表。五九(昭和三四)年没。主な作品に『ぼく東綺譚』『断腸亭日乗』がある。

「2020年 『吉原の面影』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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