摘録 断腸亭日乗〈下〉 (岩波文庫)

著者 :
制作 : 磯田光一 
  • 岩波書店
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感想 : 9
  • Amazon.co.jp ・本 (426ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003104217

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  • 昭和12年10月4日「また或人のはなしに、戦地において出征の兵卒中には精神錯乱し戦争とは何ぞやなど譫語を発するものも尠からず。それらの者は秘密に銃殺し表向は急病にかかり死亡せしものとなすなり。」自衛隊員がこうならないことを願う。昭和12年11月19日「戦争もお祭りさわぎの賑さにて、さして悲惨の感を催さしめず。」集団的自衛権行使にならないことを願う。昭和22年5月3日「米人の作りし日本新憲法今日より実施の由。笑ふべし。」憲法改悪とならないことを願う。昭和25年6月26日「朝鮮南北両国開戦の報あり」非戦を願う

  • 悲惨な戦禍を淡々と力強く描写している自由主義者荷風の面目躍如。それにしても、最近TPPの議論で優れた日本の医療に外国人が入って質が下がるみたいな発現を聞く。日本人に優れた人がいることはそうだけど、日本人の全てが優れているわけではないし、外国人医療者の素晴らしさもたくさん観察している。とくにこの昭和初期、戦争前後の日本人には極めて極めて愚かな思想言動が多いと、断腸亭日乗を読んでいると強く感じられないだろうか。。。。まあ、TPPは利益相反がらみの賛否両論両極端、、、冷静な議論がほとんど不可能になってきているけど。

  • 日記文学は 共通テーマがないので、読みにくい。歴史的事実と組み合わせて 読むと 想像力が広がる。昭和を乱世と考えるようになった荷風の思考プロセスを理解したい


    荷風が何を読み、何を書き、何が嫌いか よくわかる。読むたびに 新しい発見がありそう。天気を伝える言葉のバリエーションが多い

    江藤淳「荷風散策」より
    荷風自身に 「日乗」を作品にしようとする意図があった。人生を作品にしようとするほどの 美学的、哲学的な覚悟に支えられていた

  • 下巻は1937年から死去前日の59年4月29日まで。
    「今日以後余の思ふところは寸毫も憚り恐るる事なくこれを筆にして後世史家の資料に供すべし」(41年6月15日条)との覚悟から、軍部や官吏への批判を容赦なく書きつけると同時に、敗戦後も、「米人の作りし日本新憲法」を「笑ふべし」と一蹴するところに、荷風の一貫した個人主義がよく表れている。「良家の妻女」の竹槍訓練を「何やら猥褻なる小咄をきくやうなり」(43年2月19日)とバカにするのも、何とも荷風らしい。

    「心の自由空想の自由のみはいかに暴悪なる政府の権力とてもこれを束縛すること能はず。人の命のあるかぎり自由は滅びざるなり」(41年正月1日)。

  •  この本自体には全然、まったく、さっぱり関係ないが昭和を扱ったグラフ本の一頁に永井荷風の死が割かれていて、そこには血を吐いてゴロリと倒れてる家風の死体と立ったまま上からそれを見つめる警官の写真が載っていて、今盛んにマスゴミとか言われてるマスコミも昔からエグいことしてたんだなー、と感慨深かった。

  • 大正時代から1950年代までの日記。著者独特の筆致で当時の東京の姿を描き出している。

    OPACへ⇒https://www.opac.lib.tmu.ac.jp/webopac/catdbl.do?pkey=BB02058904&initFlg=_RESULT_SET_NOTBIB

  • 12/11/04、ブックオフで購入。

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/4003104218
    ── 永井 荷風/磯田 光一・編《摘録・断腸亭日乗(下)19870817 岩波文庫》
     

  • 永井 荷風の日記。60歳までが面白い

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著者プロフィール

永井荷風

一八七九(明治一二)年東京生まれ。一九〇三年より〇八年まで外遊。帰国後『あめりか物語』『ふらんす物語』(発禁)を発表。五九(昭和三四)年没。主な作品に『ぼく東綺譚』『断腸亭日乗』がある。

「2020年 『吉原の面影』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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