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- Amazon.co.jp ・本 (426ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003104217
感想・レビュー・書評
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下巻は1937年から死去前日の59年4月29日まで。
「今日以後余の思ふところは寸毫も憚り恐るる事なくこれを筆にして後世史家の資料に供すべし」(41年6月15日条)との覚悟から、軍部や官吏への批判を容赦なく書きつけると同時に、敗戦後も、「米人の作りし日本新憲法」を「笑ふべし」と一蹴するところに、荷風の一貫した個人主義がよく表れている。「良家の妻女」の竹槍訓練を「何やら猥褻なる小咄をきくやうなり」(43年2月19日)とバカにするのも、何とも荷風らしい。
「心の自由空想の自由のみはいかに暴悪なる政府の権力とてもこれを束縛すること能はず。人の命のあるかぎり自由は滅びざるなり」(41年正月1日)。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
永井 荷風の日記。60歳までが面白い