摘録 断腸亭日乗 下 (岩波文庫 緑 42-1)

著者 :
制作 : 磯田光一 
  • 岩波書店
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  • Amazon.co.jp ・本 (426ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003104217

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  • 下巻は1937年から死去前日の59年4月29日まで。
    「今日以後余の思ふところは寸毫も憚り恐るる事なくこれを筆にして後世史家の資料に供すべし」(41年6月15日条)との覚悟から、軍部や官吏への批判を容赦なく書きつけると同時に、敗戦後も、「米人の作りし日本新憲法」を「笑ふべし」と一蹴するところに、荷風の一貫した個人主義がよく表れている。「良家の妻女」の竹槍訓練を「何やら猥褻なる小咄をきくやうなり」(43年2月19日)とバカにするのも、何とも荷風らしい。

    「心の自由空想の自由のみはいかに暴悪なる政府の権力とてもこれを束縛すること能はず。人の命のあるかぎり自由は滅びざるなり」(41年正月1日)。

  • 永井 荷風の日記。60歳までが面白い

著者プロフィール

東京生れ。高商付属外国語学校清語科中退。広津柳浪・福地源一郎に弟子入りし、ゾラに心酔して『地獄の花』などを著す。1903年より08年まで外遊。帰国して『あめりか物語』『ふらんす物語』(発禁)を発表し、文名を高める。1910年、慶應義塾文学科教授となり「三田文学」を創刊。その一方、花柳界に通いつめ、『腕くらべ』『つゆのあとさき』『濹東綺譚』などを著す。1952年、文化勲章受章。1917年から没年までの日記『断腸亭日乗』がある。

「2020年 『美しい日本語 荷風 Ⅲ 心の自由をまもる言葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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