すみだ川・新橋夜話 他一篇 (岩波文庫)

著者 :
  • 岩波書店
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レビュー : 18
  • Amazon.co.jp ・本 (337ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003104224

作品紹介・あらすじ

母を常磐津の師匠に、伯父を俳諧の宗匠に特つ中学生長吉の、いまは芸妓になった幼馴染お糸への恋心を、詩情豊かに描いた『すみだ川』。また花柳界に遊んだ作者が、この世界の裏面をつぶさに見聞しみずからも味わった痛切な体験を、それぞれ独立した小篇に仕立ててなった『新橋夜話』のほか、『深川の唄』を加えて1冊とした。

感想・レビュー・書評

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  • 新橋夜話 は花柳界との交わりがある人間の心情のキビを率直に新鮮に描いており、とても魅力的だ。夜の侘しさ、寂しさ、不安、心に抱えてもなかなか文章にすることが難しいことをセンス良く描き出しているのがよくわかる。耽美派などとひとくくりにせず、この作者が孤高の存在なのがよくわかった。

  • 新橋夜話は、とにかく深いのに軽快で読みやすい。

  • 「すみだ川」の状況は一葉の「たけくらべ」とよく似ている。比較すると面白いかも。

    「新橋夜話」は1ダースの寓話。

    ①掛取り
    銀座の「服部」の前で都電に乗る・・・なんて、やってみたいなあ。電車やバスで行き先違いに乗る、というのはよくやる口なので、このコの二度とお使いに行きたくない気持ちはよくわかる。 ^^;

    ②色男
    芝居の和事だと、断然、江戸の男より上方の男に軍配が上がりますが・・・銀座唐物屋の若旦那の京さんってのがなかなか素敵に困ったおヒトで。女の指輪が抜けなくなって貰っちゃう、なんて。ねえ。「天賞堂」ってこんなに前からあったのね・・・鉄道模型店だと思っていました。

    ③風邪ごこち
    これが一番好き。
    「2月の余寒の夕まぐれ」に、微熱気味の増吉姐さんと旦那の1日。・・・「早かったでしょう。」と小声にいいながら男の肩の上に身体を載せかけた。なんかホッコリ、いいねえ。

    ④名花
    湯島の天麩羅屋の女中お君が芸者小鍛治に成り上がる話。侠気のある姐さんだい。

    ⑤松葉巴
    若いときの恋を忘れられなずに哥沢節へ託す。
    辛いのは遊女側だけでないようで。

    ⑥五月闇
    旦那の意地悪で職質に遭うわ、評判は下がるわ。
    悲惨な最後。でも多分、これが一番リアル。

    ⑦浅瀬 ⑧牡丹の客
    ⑦は歓迎会幹事の雑談。⑧は牡丹見物。しっこしがない~

    ⑨短夜⑩昼すぎ
    ⑨は男女の、⑩主客の対話。これ、ペアで朗読すると面白そう。

    ⑪見果てぬ夢
    「まとまった金をやってもぐずぐずと飲んでしまうだろう」と主人に思われる、車夫の助造の行く末や、いかに。ある意味、究極の自由人?

    ⑫祝盃
    昔、手を出した女中が遠隔地で幸せになっているのを嬉しく思う。無責任っちゃあこの上なく無責任だけど、この時代の旦那方の倫理観はこんなもんでしょうなあ。

  • すみだ川だけ読んでみた。まだ読めない…。

  • 明治から大正にかけての東京が忍ばれました。

  • 深川の唄
    すみだ川
    新橋夜話

  • 11/10/29、神保町・澤口書店で購入。(古本)

  • 読み終わったけど、すでにいま読み返したい。

    活き活きとした江戸、ではなく、滅んでいく江戸の薫り。

  • 泣けるせつない話。どうしようもない人間の心象風景、気持ち裏腹な台詞が、荷風の真骨頂。

  • 冒頭の一篇である「深川の唄」は最初の4行に惹きつけられた。100年前に書かれたのに、主人公の感覚、視線のなんという「今っぽさ」。都市を徘徊する「おひとりさま」エッセイの嚆矢とも言える一篇。全編に描かれる明治の風俗には興趣が尽きぬが、その視点はあくまで現代的。主人公たちを一歩ひいたところから描いているような、「冷めた好奇心」とでも言いたい視線がそこにある。。ガブのお気に入りは「見果てぬ夢」。

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著者プロフィール

一八七九(明治一二)年東京生まれ。高商付属外国語学校清語科中退。一九〇三年より〇八年まで外遊。帰国して『あめりか物語』『ふらんす物語』(発禁)を発表。一〇年、慶應義塾大学教授となり『三田文学』を創刊。五二年、文化勲章受章。五九(昭和三四)年没。主な作品に『腕くらべ』『つゆのあとさき』のほか、一九一七年から没年までの日記『断腸亭日乗』がある。

「2018年 『麻布襍記 附・自選荷風百句』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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