本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
Amazon.co.jp ・本 (286ページ) / ISBN・EAN: 9784003104262
作品紹介・あらすじ
明治41年、自然主義文学の隆盛に新鮮な一撃をくわえた短篇集。文明の落差をみつめる洋行者や異郷にある日本人の胸底の思いがシアトルやセントルイス、首都、NYの描写に明滅する。「林間」「酔美人」「夜半の酒場」「支那街の記」-近代人の感性に胚胎した都市の散文はやがて『ふらんす物語』に花開く。(解説=川本皓嗣)
みんなの感想まとめ
テーマは、アメリカにおける差別や階級の問題を深く掘り下げた作品であり、読者にとっては理解が難しい部分もあるようです。特に、明治時代の視点から描かれるアメリカの現実は、当時と現代の違いを考えさせられる貴...
感想・レビュー・書評
-
読みにくくてあまり理解できませんでした。
ほかのブクログユーザーさんのレビューを読まないとアメリカにおける差別や階級について言及していることすら気づかなかったかも 男女のことについて書いてあるかな〜程度の理解だったかもしれません。
私にはちょっと読むのが早かったみたい。『フランス物語』もあわせていつかまた読みたいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
★4.0 「夏の海」
★3.5 「船室夜話」「酔美人」
明治時代に荷風が見たあめりかと現代のアメリカは根本的にはあまり変わっていないと思うのだけれど。荷風がもしあの時代に南部を訪れていたら、何をどう語ったのだろうか。 -
あめりか物語というタイトルから、アメリカの文化などを日本人から論ずる話なのかと思ったけど、
俗っぽい話がメインで想像してたのと違って残念。
時代だから仕方ないけど、男尊女卑的考え方も目立って途中で読むのが嫌になった。 -
ニューヨークは、ある意味、東京よりも古い都市であり、本著に描かれている情景を追えることが嬉しい。
当時は、日系移民に対する差別や奴隷的な扱いもあったわけで、欧米に対する憧れや崇拝は抑制的になっているところが現実感があって好感が持てる。
(立身出世物語では決してないところ)
一方、駐在員の振る舞い等から、日本の封建的な考え方を批判する箇所も多く(父権社会、男尊女卑等)、荷風の作品のベースになっているところを垣間見ることができる。
なお、これら批判を読み、今でも変わっていない閉塞的な日本社会にうんざりする気持ちを抱く。 -
濹東綺譚を読んでから興味を持ち、先にふらんす物語を読んだがよくわからず、今回あめりか物語を読んでなんとなく流れがわかった。
文学的には確かに凄い人なんだろうなと漠然と感じるが人間としてはどうだったんだろうか、今でいう精神病の類とも思われるような感じか、でなくば相当の堕落者だったのではないかと思う。
武士の家系で金持ちで、若い頃から廓に入り浸って、父親が心配してアメリカの横浜正金銀行に入れ、アメリカと仕事が嫌だと我儘いって親のコネで渡仏し、そこでこのあめりか物語とふらんす物語を上梓して一躍注目を浴びた、という略歴らしいが、家が金持ちでなかったらただの自堕落。慶應大学に友達の薦めで赴任し、その間も夜の街で女遊びしていたとか。ある意味で一貫性があって良いと思うが、結局金持ちだからできたこと。
作品は好きだが、つくづく人間は屑だなと感じる。
なお、今作は当時だから持て囃された訳であって、今の感覚で読むとダカラナニ?と言いたくなるくだりが多く、明治の文学事情をある程度理解していないと読んでいて辛いと思う。しかも解説によると一部あるいは殆どあるいは全部が創作で、事実を書き留めたものではないらしい。確かに読んでいてようもここまで上手い話が集まるなと半信半疑だった。解説自体も少し無理して書いている感があった。 -
時代で仕方がないのだろうけど、女性蔑視がひどくて耐えられない
-
荷風がアメリカ・フランス滞在を経て世に問うた外国見聞録といったところでしょうか。明治の終盤の日本人は、そのわずか50年前頃の江戸時代末期における日本人とどう違っていたのでしょうか。
非常に興味深く読めましたが、どこか、荷風の視線に違和感を禁じられませんでした。 -
これは小説ということでいいのかな。正しい、正しくないは別として、荷風から見たアメリカ観、恋愛観や倫理観など日本文化との対比。黒人や中国人などの民族の描かれ方などに興味を惹かれた。
-
「日本人といえば非難と干渉の国民」という息苦しさに辟易として渡米した荷風の目には、成功するも落ちぶれるも自らの意志・責任という単純さが眩しくてたまらないようでした。
-
寝取り・寝取られ話が多い。昔の高等遊民とは確かに自堕落だ。
-
-
【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/701398 -
荷風さんがあめりかで感じた新鮮な刺激がとても素直に表現されていて、心地いい。また荷風さんらしい、洒落てスパイス纏ったユーモア知性が読み手をほんのりくすぐってくれる。
-
横浜正金銀行ニューヨーク支店に在籍していた、フランス語も英語もペラペラの超お坊ちゃま永井荷風が、現実と噂話をないまぜにして、シカゴ・シアトル・セントルイス・ニューヨーク・ミシガン・ワシントンなどアメリカにいた頃のエピソードを短文で書いたもの。黒人やアジア女性に対する差別意識は時代として仕方ない。永井荷風にとって、アメリカの自由と男女平等が、いかに過ごしやすい空気だったのかはわかる。明治40年にニューヨークで普通に地下鉄が使われてるのは、さすがに日本との国力の差をうかがわせる。よほど永井荷風が好きでないとつまらない気はする。
-
1900年頃のアメリカを、西海岸から東海岸へ旅した短編集。
若い頃の作品で、描写もそんな感じですが、ぶらぶら旅していく様が楽しい。 -
若き日の荷風が米国への航路、そして米国で過ごした4年間。日露戦争前後の米国大陸の雰囲気を感じ取れる。出会った多くの日本人たちとの交流の中で語られる彼らの人生は、西洋文化の中に生きる日本人たちの姿が若々しく、甘酸っぱく、清々しい。荷風の40年後東京の下町で放蕩生活を繰り返した「墨東奇譚」のイメージが強いが。女性に関する記載が多く、それは萌芽が見えるということだろうか。荷風がNYでの生活を楽しみ、将来美しい女性と結婚して近郊に住むことを夢見る一文も。(P216)「自分の一生涯、この時ほど幸福な事はなかった」と書いていることが、20歳代であると考えると、面白い!
-
過度な人物描写が目立つ。今まで読んだ物は、日本舞台だったから面白かったのかもしれない。変な文化の違いが分かりにくい。
-
いくつか気に入った話もあったけど、堕落していく留学生や娼婦の話などは苦手やね。私はふらんす物語のほうが好きや。
-
明治時代の若き青年作家がアメリカに渡り、現地での体験、交流を記した手記形式の小説。(自らの渡航経験を基にしている)
明治も後期になると政府高官のみならず、一般庶民でも成功を夢見て海を渡るものが多かったようだ。しかし、成功するのはごく一部で、多くその日暮らしで生き抜いてゆく。そのような日本人労働者、学生の姿を描きつつ、大国アメリカへの憧れを隠さない。アメリカの自由な空気に触れ、白人女性と恋をし、ヨーロッパ文学さながらの世界に彼は溺れているようだ。彼はアメリカの貧民街や黒人差別など、アメリカの負の部分についても鋭く観察している。それでもやはり、アメリカというのは明治青年にとって、心の底から沸きあがる好奇心を満たす未知の世界だったように思える。
この本が好きな人におすすめの本
著者プロフィール
永井荷風の作品
本棚登録 :
感想 :
