小僧の神様―他十篇 (岩波文庫)

著者 : 志賀直哉
  • 岩波書店 (2002年10月16日発売)
3.60
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  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003104620

作品紹介

志賀直哉は、他人の文章を褒める時「目に見えるようだ」と評したという。作者が見た、屋台のすし屋に小僧が入って来て一度持ったすしを価を言われて置いて出て行った、という情景から生まれた表題作のほか、「城の崎にて」「赤西蛎太」など我孫子時代の作品を中心に11篇を収めた、作者自選の短篇集。

小僧の神様―他十篇 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 別のアンソロで読んだ「小僧の神様」が良かったので、他の作品も読んでみようと思って手に取りました。
    「城の崎にて」はやはり名文。

    ・小僧の神様
    既読

    ・正義派
    鉄道事故で少女が死に、それは過失か仕方のない事故だったかをめぐって、現場を見ていた男たちが証言をしに行く話。

    ・赤西蠣太
    「伊達騒動」の史実に基づいた話。
    うだつの上がらない蠣太と見目麗しい鱒次郎という二人の男が出てきますが、実は二人ともスパイ。
    蠣太とか鱒次郎って、今でいうコードネームか何かだったのでしょうか。
    スパイを遂行する中で描かれる蠣太と小江の関係にハラハラしました。
    鱒次郎さんが最後、一番かわいそう。

    ・母の死と新しい母
    母を亡くした主人公の少年の元に新しくやってきた若い母。
    継母と息子の関係が、しつこすぎず離れすぎず適度だなぁと思った。

    ・清兵衛と瓢箪
    芸術を理解しない親と芸術家肌の息子。
    親に邪険にされても息子はめげない。

    ・范の犯罪
    結末に関して「どう解釈したらいいんだろう」と一番悩んだ話でした。
    解説を読んだら、志賀直哉の周りでこの話の元になった出来事が起き、その時志賀が感じた悔しい気持ちが書いてあるとのこと。
    つまり最後に裁判官が「無罪」と書き入れた描写は実際の法律を無視した、単なる気持ちの問題と片づけることにしたらすっきりした。

    ・城の崎にて
    高校の頃国語でやったはずなんですが、当時は「これってエッセイなんじゃ…」と思ったり、どう解釈したらいいのかさっぱりわからなかった話です。
    改めて読み直してみると、志賀直哉の死生観が城崎温泉街の描写とともに見事に描かれていて、こんなにいい話だったっけ…と驚きました。長年名文として読み継がれているのも納得。
    生きるのも死ぬのも偶然の采配。その中でどう進むか、考えさせられます。

    ・好人物の夫婦
    嫉妬深い妻と、昔ちょっとおイタをしてしまったために妻に手を焼く夫。
    使用人の若い女性が妊娠して、夫が「妻は自分が浮気した結果だと疑うかもしれない」とおろおろする様子が書かれています。ちょっと笑える。

    ・流行感冒
    娘に過保護なある夫婦と使用人の石の関係が書かれている。
    我孫子の手賀沼沿いの描写があり、千葉県民としては興味深く読みました。

    ・焚火
    てっきり主人公たちが離れた後、小屋が燃えてしまうのかと思ったらそうではなかった。

    ・真鶴
    弟の手を引く少年と、その少年の恋心が短い中に描かれている。少年がどうしても欲しくて買った水平帽を、最後弟にかぶせてやるシーンは良かった。

  • 評判通り、簡潔で読みやすく、無駄を排したさらりとした読み心地。
    作品によって印象が変わるので、一概に評価しづらいところがあるが、「城の埼にて」はたいへん良かった。
    これほど短く、なんの誇張も装飾もなく淡々としていながら、深さのある名文があったとは。

    ただ他の作品については、好みから少しずれていたせいか、それほど感銘は受けなかった。
    「范の犯罪」の切迫感などは面白かったが……
    〆の文章に物足りなさを感じることもあった。
    個人的にはもうすこし情緒的な文章が好きかな。

  • 2016年6月7日、読了。

    志賀直哉の綴るものには無駄がない。これでもかというほどに、筋も、言葉も、語るべき事にたいして過不足がない。

  • 文章が簡潔で名文。城の崎にては染み入るような話。赤西蠣太が一番気に入った。

  • そこはかとない上から目線がどうしても気になる志賀せんせいだが、最短距離で情景を伝える力と清澄な文体にはやはり唸らざるを得ない。

    「赤西蠣太」の小江の手紙がすてき。

  • 教科書で「城の崎にて」を読んだ当時は、なんて退屈な作品なんだと思った。
    「清兵衛と瓢箪」 もしこの作品から出会っていたら志賀直哉に対するイメージはガラリと変わっていたはずだ。
    まあ何事も第一印象は大事。
    この文庫は本棚にずっとしまっておきたい。

  • 城崎文芸館での立ち(座り)読み、「城の崎にて」のみ拝見させていただくことに。

    結果は上々、まんまと万城目学著「城崎裁判」と湊かなえ著「城崎へかえる」を手にとってその場を後にすることになった。

    こうした形の様々な伝染性をもつ志賀直哉作品、残りの短編も含めた本品に再会できる日を積極的に探ってゆこう。

    それまでは評価欄を空に、読書状況も「読書中」に。

  • 清兵衛と瓢箪は何がいいたかつたのかは分からないが初っぱなから笑いをとってくれた。城崎にては残酷…。ねずみの描写が強烈すぎて、ほかのはかない命はつい、ほったらかし。。。

  • 新書文庫

  • 2002年改版 何十年ぶりかで再読(以前読んだのは違う版本)。短い作品が多い……。11編収録。図書館本。 54

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