志賀直哉随筆集 (岩波文庫)

著者 : 志賀直哉
  • 岩波書店 (1995年10月16日発売)
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  • レビュー :10
  • Amazon.co.jp ・本 (374ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003104668

志賀直哉随筆集 (岩波文庫)の感想・レビュー・書評

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  • 客観・主観ともに正確なところを突いてくる文章が気持ちよい。白黒つけないと収まらない、扱いが難しいおじいさんだけれど、やりすぎたと思えばうなだれる素直なところもあって、嫌な人ではない。こういう人と直接交流するのは大変疲れそうだけれど、文章で接することができてよかった。

  •  動物についての随筆が印象的。小説を読んだ時の何とも言えない間隔を思い出すような、作者の価値観が反映されている文章に時々ひやりとする。虚無的、ではないかもしれないが、暗く真面目な乾いた視線というのか。
     「素人玄人」という随筆の中で、クマという犬について触れたものがある。可愛がっていた犬だが、最後は病気で死んでしまった。その犬について書いた最後の文が、「間もなく、食糧難が来た。人間さえ食えず、犬など到底買うことはできなくなった。どこの飼い犬も注射で殺された。私はいい時にクマは死んでくれたと思った」。最後にぞくりとした。気持ちとしては、なるほどと納得できるが、それをそういう言い方で書くのか、と思ったのだ。
     最後の随筆、「ナイルの水の一滴」は好きだ。私はたった一人しかいない特別であり、どこにでもいる平凡なありふれている人間で、それでいいのだと許された気持ちで。

  • 読了71冊め。図書館本。

  • とてもとても面白かった。
    志賀直哉の文章はとても正直で飾り気が無く、何度となく共感する部分もあり、すごく身近な人に感じた。
    それとこの随筆集を読んでこれほど文章が書ける人が羨ましいと思った事は無い。
    自分の周りの人や事についてこんなに瑞々しく書けてそれを後世に残せるってすごく素晴らしい事でしょう?

  • 日常にあるごく平凡な事柄も、この作家にかかると、色鮮やかに
    眼前に世界が広がる。端的に、的確に眼前の物事を捉え、それを
    表現することができることが、志賀直哉のすごいところ。それゆえに
    この作家の作品を筆写することが、文筆家へのひとつのプラクティス
    となった。細部ではなく、全体を感じたまま頭に残す。それを的確な
    言葉で表現する。これほど、難しいことはない。写実の名手、正岡子規
    と共通する鋭さが、あるようにも思える。何度でも読み返したい良書。

    今読むと、多少「上から目線」っぽい表現もあり、巨匠っぽいところも
    ある。

  • 閑人妄語

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