高村光太郎詩集 (岩波文庫)

著者 :
  • 岩波書店
3.81
  • (40)
  • (21)
  • (59)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 399
レビュー : 39
  • Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003104712

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
  • よかったのは『道程』以前。特に冬に関連した一連の作品が気に入った。きっぱり澄み渡るような力強さ、潔さがあって読んでいて気持ちが良い。これからの季節にぴったりだ。

    今回改めて思ったのは、高村光太郎は良くも悪くも「正しすぎる」ということ。私の好きな中原中也や萩原朔太郎などと比べると鬱屈したところが見当たらない。同じ孤独を歌うのでも、光太郎にかかるとなんだか明るい、悪く言えば陰影が感じられない気がした(『孤独がなんで珍しい』など)。そこにあるのは人間性への信頼を捨てていない詩人の姿だろう。
    解説ではヒューマニスティック、求道的と評されていたが、それが私にはかえって綺麗事のように響いてしまう面もあった。年を経て再び読みなおしてみたい。

  • 松浦弥太郎「最低で最高の本屋」つながりで、手にとる。「根付の国」で語られる、戯画的な日本人像。「声」で、人間は人間の為したことを尊重しろ/自然よりも人工に意味ある事を知れ、と語る一方、「カフェにて」では、人間の心の影のあらゆる隅隅を尊重しよう、卑屈も、獰悪も、惨憺も、勇気も、温良も、湧躍も、それが自然であるかぎり、と語られ/けもののをんなよ、と呼びかけで始まる「けもの」。とりとめもなく言葉が連ねられる「狂者の詩」。/「孤坐」で語られる凄まじい厳しさ、寂しさ。/「つゆの夜ふけに」で語られるミケランジェロ。「冬」で語られる、年の切り替わりの硬質な描写。あなたによって私の生は複雑になり豊富になります、と語られる「智恵子抄」。"トパアズいろの香気が立つ、その数滴の天の者なるレモンの汁はぱつとあなたの意識を正常にした"という描写の鮮烈。「梅酒」で語られる、妻を見送った後の詩人の描写の深い余韻。/

  •  戦争詩から『智恵子抄』へ。文体の変化には驚くばかり。
    冬の詩が多いような気がする。戦争詩のあたりは、そりゃあもう圧のある感じだけど、本来の先生のお人柄はとても優しく、穏やかだったんじゃないかなあと思う。

  • 道しるべのような詩人。

    【いちぶん】
    もう止さう。
    ちひさな利欲とちひさな不平と、
    ちひさなぐちとちひさな怒りと、
    さういううるさいけちなものは、
    ああ、きれいにもう止さう。
    わたくし事のいざこざに
    みにくい皺を縦によせて
    この世を地獄に住むのは止さう。
    この世の抜駆けはもう止さう。
    さういふ事はともかく忘れて
    みんなと一緒に大きく生きよう。
    見えもかけ値もない裸のこころで
    らくらくと、のびのびと、
    あの空を仰いでわれらは生きよう。
    泣くも笑ふもみんなと一緒に
    最低にして最高の道をゆかう。

  • ・「道程」より
    ・「道程」以降
    ・「智恵子抄」より

  • 「智恵子抄」に関してはもう読めば読むほどに心に沁み入る。

    高村光太郎という一人のクリエイターが徹底的な孤独と向かい合って、ある時は打ち克ち、ある時は心折れそうになる瞬間瞬間を、この詩集が追ってくれているからこそだと思います。強さも儚さもある人間存在を自然のまま描き出しているというか。

  • 求道者の詩集。

  • 「道程」冬に読んだらきっと体感温度が下がると思います・・・。けれど、新しい道を歩みだす春へ向けて、第一歩をおしてくれそうです。

  •  
    http://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/4003104714
    ── 高村 光太郎詩集《道程:牛 19550325 岩波文庫》198103‥
    http://booklog.jp/entry?page=1&service_id=1&keyword=%E9%AB%98%E6%9D%91+%E5%85%89%E5%A4%AA%E9%83%8E%E3%80%8C%E9%81%93%E7%A8%8B&index=All
     
    http://d.hatena.ne.jp/adlib/19550425
     高村 光太郎「道程」より「牛」
    Let'19550425 from Mr. Kanatani, Akira
     

  • 冬が好きなんだなあー。こういうこと言いたい、っていう気持ちがすごく伝わってくる。静かに満ちる冬の光。

全39件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

詩:詩人・彫刻家。高村光雲の長男。東京美術学校卒業後、欧米に留学してロダンに傾倒。帰国後、「スバル」同人。耽美的な詩風から理想主義的・人道主義的な詩風へと転じる。代表作:「道程」「智恵子抄」「典型」「ロダンの言葉」等。


「2013年 『女声合唱とピアノのための 組曲 智恵子抄』 で使われていた紹介文から引用しています。」

高村光太郎詩集 (岩波文庫)のその他の作品

高村光太郎詩集 (世界の詩 3) 単行本 高村光太郎詩集 (世界の詩 3) 高村光太郎
高村光太郎詩集 文庫 高村光太郎詩集 高村光太郎

高村光太郎の作品

高村光太郎詩集 (岩波文庫)を本棚に登録しているひと

ツイートする