- Amazon.co.jp ・本 (238ページ)
- / ISBN・EAN: 9784003104712
感想・レビュー・書評
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冬の詩は必読。四節に神が宿るところあり。
何かに諦観してるから何か希望を持っているような作者の世界観があるように感じた。
音をつけて読もうとすると「これが詩なのかぁ」と淡々と思ふところあり。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
よかったのは『道程』以前。特に冬に関連した一連の作品が気に入った。きっぱり澄み渡るような力強さ、潔さがあって読んでいて気持ちが良い。これからの季節にぴったりだ。
今回改めて思ったのは、高村光太郎は良くも悪くも「正しすぎる」ということ。私の好きな中原中也や萩原朔太郎などと比べると鬱屈したところが見当たらない。同じ孤独を歌うのでも、光太郎にかかるとなんだか明るい、悪く言えば陰影が感じられない気がした(『孤独がなんで珍しい』など)。そこにあるのは人間性への信頼を捨てていない詩人の姿だろう。
解説ではヒューマニスティック、求道的と評されていたが、それが私にはかえって綺麗事のように響いてしまう面もあった。年を経て再び読みなおしてみたい。 -
路傍の瓦礫の中から黄金をひろい出すというよりも、むしろ瓦礫そのものが黄金の仮装であった事を見破る者は詩人である。『生きた言葉』
※詩人。彫刻家(作品・手)。
きたないといわれるものの中にも、美を備えたものがたくさんある。 -
2冊目の読書ノート 1993/9/5~2005/4/30に記載
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未体験ゾーン、突入。
教科書にあったからということだけで知ったつもりになってしまっているジャンル、詩文。敢えてきちんと読んでみようと思ったのは今年に入ってからある詩集が物語の鍵となっている大林宣彦監督作品、「野のなななのか」(2014) を鑑賞したことが一端を担っているかもしれない。
とにもかくにも未体験ゾーン。余白が多いからすぐ読みきれるのだろうと想像したらそんなことはなかった。むしろ文字数が少ないからこそきれいなアタマの状態で読まないときちんと頭に入ってこない。結果読み切るのに随分とかかった。
また本作を通して彼の作品にまとめて触れられたのは幸運。彼の詩人としての期間を大きくみっつに分類して時系列に並べてくれているため、その本人の心の移り変わりというものも併せて体験できる仕組みになっている。
ふと虚を突いた時にその一文が頭をかすめる。
そんなふうになれるまでもう少し読み返してゆきたい。 -
冬が好きなんだなあー。こういうこと言いたい、っていう気持ちがすごく伝わってくる。静かに満ちる冬の光。
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関西外大図書館OPACのURLはこちら↓
https://opac1.kansaigaidai.ac.jp/iwjs0015opc/BB00123369 -
「世俗的なものとの妥協を排し、不断の情熱をたぎらせて人生の意味を追求し続けた光太郎の詩は、美しいもの、真実なものに対する善意と愛に満ちている。その歩みの中から九十三の詩篇を精選し、「道程」より・「道程」以後・「智恵子抄」より、の三部に編んだ。作者が生前自ら校閲した最後の詩集である。 (解説 奥平英雄)」
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【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/701412 -
高村光太郎という人は、詩よりも、散文のほうに才があったのではないだろうか。
そういう感じの詩の方が印象に残ったからそう思えるのかもしれないが。