友情 (岩波文庫)

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レビュー : 85
  • Amazon.co.jp ・本 (177ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784003105047

作品紹介・あらすじ

主人公野島とその親友大宮における友情と恋愛の相剋-青春のあらゆる問題がこのテーマを中心に展開される、武者小路実篤の数多い作品の中でも、とりわけ多くの若い読者に愛読されてきた永遠の青春小説。

感想・レビュー・書評

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  • 主人公野島とその親友大宮の友情と恋愛-青春時代のあらゆる魂の問題がこの2つのテーマをめぐって展開されるこの作品は,武者小路実篤(1885-1976)の数多い作品の中でも,とりわけ多くの若い読者に愛読されてきた.身につまされる思いで読み進んだ経験のある読者も多いであろう永遠の青春小説.

  • 「それならお前は女を得て、仕事を失い、友は女を失って仕事を完成するというのか」

  • 題名に惹かれて本書を手にとった。本書の前編では主人公が思いを寄せる女性にアプローチしていく様子が書かれており、後編では主人公の親友がその女性と結ばれる結末までの過程が描かれている。本書の冒頭部分では恋愛小説ではないかと思わされるほど主人公の女性に対する心理描写が多い。しかし、読み進めるにつれて主人公とその親友の友情の深さに驚かされることになる。親友は主人公の恋の成就のためならば、自らが嫌わようとかまわないという姿勢を貫いており、彼の主人公に対する想いに感服した。本当は自分自身も同じ女性に好意を抱いているが、それは最も尊敬する友を裏切る行為になるため、自分に歯止めをかけている箇所が特に二人の熱い友情を感じた。物語の中で主人公ではなく親友が最終的に女性と結ばれたが、人として成長するという観点ではお互いにとってそれが最善だと思えた。本書読了後は、登場人物の好きな人にかける想いの深さと彼らのひたむきさに感動し、圧倒された。100年ほど前の小説ではありながら現代にも通ずる恋愛と友情について書かれており、とても楽しむことができた。私も将来一途な恋愛をしていきたい。

  • 面白かったです。大宮が果てしなくいけめんと思いきや、「大宮あ?!」ってなるけど、やっぱり先後までいけめん。野島を応援したくなるシーンが1mmも生まれなかった。手紙のやりとりで杉子の思いに押されて本音があらわになっていくのが面白かったです。しかたないですよ野島さん、あなた完敗ですよ!

  • 初・武者小路実篤だがこんなに厳つい顔してこんなに繊細な作品を書くのだなという印象を受けた。(失礼!)

    恋に落ちた盲目は当人にとっては悲劇であり他人にとっては喜劇である。野島の姿が読者にとってはユーモラスでありながら、親友の大宮を通して恋と友情に揺れ動く人の機微を描き、当事者の杉子を通して冷徹と情熱を併存させる女性の二面性を炙り出す。これら感情の騒擾を瑞々しく軽やかな文章で書き上げる。誰もが青春時代に経験したことのある情景であり(私は残念ながら野島だが)、何か胸を締め付けられるような甘酸っぱさと切なさを体験させられる。

    テーマの普遍性もさることながら全く古臭さを感じさせない文体は不朽の名作の名に相応しい。

  • 2017年12月10日に紹介されました!

  • 「君の残酷な荒療治は僕の決心をかためてくれた」

  • さえない脚本家の野島が杉子さんに恋をする。大宮は応援してくれる。早川はライバル。
    なお「友情なんてくそくらえだ!」というお話である。
    結末を知ったあとに改めて各登場人物の言動を見てみるとなかなか違って見えてくるので、重ね読みが楽しい小説。セルフ木更津キャッツアイ。
    しかし何度読んでも野島はどうしようもない。ほんとうにどうしようもない。童貞力が高すぎる。『お目出度い人』ほどお目出度くはないけれど、それにしても。
    理屈っぽいのに詰めが甘い。自分に都合の良いように悩んだり悩まなかったりする。悩む姿がいたたまれないし悩まない姿もまたいたたまれない。
    しかしそんな野島はあなたや私のよう…というわけで私は野島を殴ることができないのであった。
    さらにさらにだからといって大宮を殴ることもできない。だって大宮すっげえいい奴なんだもん。そりゃモテるわ。
    どうしてくれようこの振り上げた拳。

  • 人はその人の持つ真価程しか発揮できない、
    でもぶつかればぶつかるほど成長できるのは若いうちだけかな・・
    恋愛について、世界にはいくらでも相手がいる、という仲田と
    恋は馬鹿に出来ない、という大宮とに共鳴して、恋なんてとんでもないです。
    相思相愛ってものすごい運命の力が働いているんじゃないかと思う。

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著者プロフィール

武者小路実篤(むしゃのこうじ さねあつ)
1885年5月12日 - 1976年4月9日
東京府東京市麹町区(現・千代田区)生まれの小説家・詩人・劇作家・画家。ある時から「むしゃこうじ」と当人が自称しているが、一般的に「むしゃのこうじ」読みされている。学習院初等科~高等学科に在学し、東京帝国大学哲学科社会学に入学したが、入学初年で中退。創作活動をはじめ、1910年に志賀直哉、有島武郎、有島生馬らと文学雑誌『白樺』を創刊。これにちなみ、彼らは「白樺派」と呼称される。
1918年宮崎県児湯郡木城村に「新しき村」を建設。その後も多くの創作活動に勤しんだ。1951年、文化勲章を受章。1976年4月9日、尿毒症で逝去。
代表作に、『お目出たき人』『わしも知らない』『幸福者』『友情』『人間万歳』『愛と死』『真理先生』など。

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