若山牧水歌集 (岩波文庫 緑52-1)

  • 岩波書店 (2004年12月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (350ページ) / ISBN・EAN: 9784003105214

感想・レビュー・書評

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  • 多作でびっくり。
    私が知っているような歌は、若い時に詠まれたものでその後もたくさんの短歌をつくり発表している。旅が多くそこで詠まれた歌も数多い。人生は旅である。

  • 白鳥や哀しからずや空の青海のあをにも染まずただよふ

  • リトバスからきました

  • 多作であることにまず驚く。作者の自然に対する憧憬が現れた作品が多く好感が持てた。
    しかし、中にはこのような驚きの歌がある。

    月の夜や裸形(らぎょう)の女そらに舞ひ地(つち)に影せぬ静けさおもふ

  • 歌集を出すなら斯くありたいものだ。

  • 牧水の若い時の歌は知っていたが、壮年期の歌もしみじととして良いことを知った。
    「わが屋根に俄かに降れる夜の雨の音のたぬしも寝ざめてをれば」「児等病めば昼はえ喰はず小夜更けてひそかには喰ふこの梨の実を」「人の世にたのしみ多し然れども酒なしにしてなにのたのしみ」「啼きすます小鳥は一羽あたりの木ひかりしづまり小鳥は一羽」「いつしかに涙ながしてをどりたれ命みじかしと泣きて踊りたれ」「居すくみて家内しづけし一銭の銭なくてけふ幾日経にけむ」「鉄瓶を二つ炉に置き心やすしひとつお茶の湯ひとつ燗の湯」「いる椎のはぜて飛びぬればいにしへのわらはべの日の驚きをしつ」「妻が眼を盗みて飲める酒なれば惶て飲み噎せ鼻ゆこぼしつ」

  • リフレインが効果的に使われている歌が多いと思いました。

    「草ふかき富士の裾野をゆく汽車のその食堂の朝の葡萄酒」

    「の」を介し、ズームアップしていって、最後に落ち着くのが葡萄酒。

    「朝から飲むんかい!」とツッコミを入れたくなる歌でした。

  • 『くろ土』が白眉だと思う。初期の作品が知られすぎている。

  • Amazon、¥282.

  • 髪を焼けその眸(まみ)つぶせ斯くてこの胸に泣き来よさらば許さむ

    ああ接吻(くちづけ)海そのままに日は行かず鳥翔(ま)ひながら死(う)せ果てよいま

    投げやれ投げやれみな一切を投げ出(いだ)せ旅人の身に前後あらすな

    浪、浪、浪、沖に居(を)る浪、岸の浪、やよ待てわれも山降りて行かむ

    若山牧水

  • こんなにもひとりの歌人に焦がれる日が来るとは。胸が打ち震える。強く、時に寂しく、熱くて美しい歌の数々。きっと私は牧水さんの歌に恋してます。

  • 最近唐突に短歌に興味が出て、とっつきやすいと言われる牧水を一冊。

    次々と並ぶ歌に目眩が…。

    相変わらず私は解説がないと歌ってどうやって理解したらいいのかわからない。

  • 『ぼく、牧水! 歌人に学ぶ「まろび」の美学』を読んでから、もう少し、牧水の短歌を読んでみたいと思ったので、図書館で借りて読んでみました。

  • 589夜

  • 080914(s 不明)

  • 『白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ』


    高校の時、教科書に載っていたこの一句に私は非常に魅せられた。
    子規もそうなのだが、彼はその肖像写真の横顔が、である。
    なんてきれいな頭のライン。ってね。

    約一年をかけてゆっくりと読み進めた一冊だった。


    初期の頃の情熱的でどこかしら病んだ作品が好きだとずっと思っていたが、今回読んでみて晩年の日常の情景に目を向けた穏やかな作品もなかなかよかった。
    オーソドックスなモノもあるのだが、この人の句には言葉の切り方に少し特徴的なところがあると私は思う。
    余韻が、空白が残る切り方とでも言うか、そうしていわばこちらに預けてくれるところが私は好きである。


    以下、全体を通しての厳選30首。





    ・接吻くるわれらがまへに涯もなう海ひらけたりかみよいづこに

    ・雲ふたつ合はむとしてはまた遠く分れてきえぬ春の青ぞら

    ・君かりにその黒髪に火の油そそぎてもなほわれを捨てずや

                             『海の声』



    ・君がいふ恋のこころとわがおもふ恋のさかひの一すぢの河

    ・別れけり残るひとりは停車場の群集のなかに口笛をふく

                             『独り歌へる』



    ・さびしさのとけてながれてさかづきの酒となるころふりいでし雪

                             『路上』




    ・飽くなき自己虐待者に続ぎ来たる、朝、朝のいかに悲しき

    ・ひらかむとする薔薇、散らむとする薔薇、冬の夜の枝のなやましさよ

    ・思ひつめてはみな石のごとく黙み、黒き石のごとく並ぶ、家族の争論

    ・さうだ、あんまり自分のことばかり考へていた、四辺は洞のやうに暗い

    ・岩のあひだを這ひて歩く、はだしで、笑ひて、海とわれと

                              『みなかみ』



    ・厭はしきにたへむとするはあだなりとささやく酒は月いろにして

                              『秋風の歌』



    ・昼の浜思ひほほけしまろび寝にづんと響きて白浪あがる

    ・いたましくめづらしきものを見るごとくわが腕をそと撫でてみにけり

                              『砂丘』



    ・それほどにうまきかと人のとひたらばなんと答へむこの酒の味

                              『白梅集』



    ・雲深くとざせる渓の奥所よりいよいよ冴えて水の聞ゆる

                              『さびしき樹木』



    ・岩かげのわがそばに来てすわりたる犬のひとみに浪のうつれり

    ・わがこころ澄みゆく時に詠む歌か詠みゆくほどに澄める心か

    ・静かなる道をあゆむとうしろ手をくみつつおもふ父が癖なりき

                              『くろ土』



    ・怠けいてくるしき時は門に立ち仰ぎわびしむ富士の高嶺を

    ・淵尻の浅みの岩に出でてをる鰍のすがた静かなるかも
          
                              『山桜の歌』



    ・若竹の伸びゆくごとく子ども等よ真直ぐにのばせ身をたましひを

    ・うとましきこれらの荷物いつのまにわが溜めにけむ家なしにして

    ・貰ひたる石油ストーヴめずらしくしみじみ焚きて椅子にこそをれ

    ・うつしみの白髪人のかたくなの母をゆめみて後のさびしさ

    ・澄みとほるうしほの色は水底の真砂を染めて青みたゆたふ

    ・うづだかき落葉のうへに置きてみればわが弁当のさいの美し

    ・青柳に蝙蝠あそぶ絵模様の藍深きかもこの盃に

    ・真っ盛りを過ぐれば花のいたましくダリヤをぞ切るこの大輪を

    ・酒ほしきまぎらはすとて庭に出でつ庭草をぬくこの庭草を

                              『黒松』

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著者プロフィール

昭和18年、宮崎市に生まれる。早稲田短歌会を経て、「心の花」に入会し、現在も会員。
歌集に『海号の歌』(読売文学賞詩歌俳句賞)、『新月の蜜』(寺山修司短歌賞)、『微笑の空』(迢空賞)、『月の夜声』(斎藤茂吉短歌文学賞)、『待ち時間』(小野市詩歌文学賞)、また歌集『土と人と星』及び評論『若山牧水─ その親和力を読む』により現代短歌大賞・毎日芸術賞・日本一行詩大賞を受賞。平成三一年、第3回井上靖記念文化賞
特別賞受賞、令和四年旭日小綬章受章、令和五年『牧水・啄木・喜志子 近代の青春を読む』(ながらみ書房)を中心とした永年の功績により第15回日本歌人クラブ大賞受賞。他に歌集『光の庭』(ふらんす堂)他がある。
若山牧水記念文学館館長。宮崎市に住む。

「2024年 『若山牧水の百首』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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